もしあの漫画の世界に行けたら、主人公になれたら。恋愛、スポーツ、冒険ファンタジーなどいろいろなジャンルの漫画を読んで、その世界観、かっこいいキャラたちに読者は1度は憧れるものです。
でもこればかりは絶対になりたくない、ぜひともフィクションのままであってほしい世界・「裏社会」。
そうは言いつつも大人になるにつれて、社会には深い闇があることを知り、触れられない、触れたくないからこそ、逆に興味がわく。怖いもの見たさというのでしょうか、結局この世で一番怖いのは「人間」なんてこともよく言われますしね。
そういう意味で私たちは「裏社会」にある意味憧れ(?)ているのかもしれませんね。アングラ世界を描いた漫画がひとつのジャンルとして確立し、人気を博すのは、それも他ジャンルの漫画同様「リアルでは踏み入れられない」世界だから。
今回はそんな裏社会の世界を描いた話題作、『満州アヘンスクワッド』を紹介していきます。
ガチ裏社会のどす黒さ、怖さ、かっこよさ、そして「えぐさ」がものすごい熱量で展開されていくのでハマりすぎ注意!その中毒性は麻薬並み(笑)
漫画『満州アヘンスクワッド』基本情報
まずはじめに『満州アヘンスクワッド』の基本情報について説明していきます!
『満州アヘンクワッド』作者(出版社)あらすじ
「満州で一番軽いものは、人の命だ」時は昭和12年。関東軍の兵士として満州にやってきた日方勇は、戦地で右目の視力を失ってしまう。「使えない兵隊」として軍の食糧を作る農業義勇軍に回され、上官に虐げられる日々を送るも、ある日農場の片隅でアヘンの原料であるケシが栽培されていることに気づく。病気の母を救うためアヘンの密造に手を染める勇だったが、その決断が自身の、そして満州の運命を狂わせていく…。(参照:満州アヘンスクワッド(1) – 鹿子/門馬司 – 漫画・無料試し読みなら、電子書籍ストア ブックライブ (booklive.jp))
作者・鹿子氏、門間司氏について
鹿子氏は岩手県奥州市出身、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科卒業の漫画家です。
読み切り作『ハイタイム』が第100回MANGAグランプリ優秀賞を受賞。2016年から集英社・『週刊ヤングジャンプ』にて、箱石達名義で、ラグビーに打ち込む高校生を描いた王道スポーツ漫画『フルドラム』を連載。今作『満州アヘンスクワッド』は講談社・『コミックDAYS』にて2020年から連載開始し、2021年から同じく講談社の『週刊ヤングマガジン』に移籍。そして発行部数100万部を超え今も大人気連載中です。(2022年8月現在)
実は鹿子氏は原泰久氏作・春秋戦国時代の戦乱を描いた『キングダム』のアシスタント経験を持つことで有名。そういわれると確かに『キングダム』の迫力ある画風に通ずるものがあります!
この『満州アヘンスクワッド』ですが、原作は門間司氏。講談社にてネームを執筆されている漫画原作者です。
「漫画原作者」というと聞きなれない方もいらっしゃると思いますが、立ち位置的には映画でいうところの脚本家。つまり、ストーリーや登場人物、世界観などの設定をする人で、それを表現できる腕を持つ漫画家に漫画を描いてもらうということになります。
普通は漫画家自身が作品のアイデアだしから執筆まですることが多いので、少し珍しい形式の漫画ですね!
例えば『バクマン。』の大場つぐみ氏や、『Dr.STONE』の稲垣理一郎氏など、意外な名作も実は漫画原作者と漫画家による分業の形式を取っています。
『満州アヘンスクワッド』の舞台・背景
実は『満州アヘンスクワッド』は史実に基づいて描かれた作品です。とはいっても、それは組織や舞台に限られ、登場人物など、歴史を描いた漫画にしては創作の要素が多いのがこの作品。
小中高、真面目に歴史の授業を受けていた方なら記憶のどこかに「満州」という言葉があるのではないでしょうか?
知らない人のためにここでその舞台や背景についてかいつまんでご説明します。
満州国は主に現在の中国北東部に1932年から1945年の間存在した国のこと。国とは言っても、日露戦争に勝利した大日本帝国側が権益を獲得し、清の最後の皇帝・溥儀を皇帝として建てたものであり、その実態は大日本帝国、中でも権力があった関東軍が全権を握る軍事国家でした。
アヘンはケシの実をもとに作ることができる麻薬の1種で、鎮痛作用を持つことから当時は医療に使われるものでしたが、その一方で脳内でドーパミンが過剰に放出されるため、そのあまりの快楽さから依存し、いつしか廃人と化してしまうのが特徴。
この作品でもその廃人が狂気的に描かれており、そのシーンは「えぐい」ほどリアル。
その危険度から当時は世界中で取り締まりが強化されていたアヘンですが、関東軍はさらなる侵略のための資金源として、中国裏社会にてアヘンの売買を行っていました。
と、こんなところが『満州アヘンスクワッド』の世界になります。
いつの時代も麻薬は金になり、人を狂わせているのですね、、、それとも人を狂わせているのは麻薬に手を出さざるを得ない戦争が生み出した社会だったり、、、とにかく恐ろしい。
物語の流れもわかる!『満州アヘンクワッド』の2つの魅力!
次に『満州アヘンスクワッド』の魅力を2つのポイントからご紹介します!さらに、読めば『満州アヘンスクワッド』の大筋が理解できる!これから追いたい人向けのストーリー紹介も!少しでも面白そうと気になったら、是非読んでみてください!
魅力①:リアルすぎる「えぐい」描写が雰囲気抜群!
物語の主人公は関東軍の兵士として満州に赴いた若干18歳の青年・日方勇(ひがたいさむ)。
(参照:片目を失った「使えない兵隊」が手を染めたのは!? その決断が満州を狂わせる|今日のおすすめ|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp))
軍人としての実力はかなり劣るものの、植物学、化学に造詣があり、何より家族思いの心優しき青年です。いずれ悪いことするんだけど、応援したくなっちゃう好青年なところが彼の魅力でしょう!
まあその優しさこそが彼をアヘン密売の道へいざなうのですが、、、
それは関東軍の兵士として察哈爾(チャハル)制圧中、銃撃戦に巻き込まれて怪我をした民間人兄妹を見つけたときでした。仲間が見て見ぬふりをする中、勇は優しさゆえに助けようと近づいていきますが、
(参照:片目を失った「使えない兵隊」が手を染めたのは!? その決断が満州を狂わせる|今日のおすすめ|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp))
撃たれたー!!!いやでも、なんともリアルなタッチ。臨場感抜群です。このように鳥肌がたつシーンがたびたび登場するのですが、「えぐい」雰囲気がゾクゾクするほど感じられる描かれ方はこの漫画の1番の見どころです!
この一件があって、間一髪死は免れたものの、勇は右目の視力を失ったことで前線を退き、戦う兵士への食料供給や、農業技術の向上を目的に作られた組織・満蒙開拓農業義勇軍に飛ばされてしまいました。
そこではあまりお金を得られず、さらに追い打ちをかけるように、最愛の母がペストを罹患。勇はドイツ産の治療薬・サルファ剤を探し求めますが、これがまた高価なものなんです。サルファ剤を求め、弟、妹を連れ市場へ向かうと、
(参照:片目を失った「使えない兵隊」が手を染めたのは!? その決断が満州を狂わせる|今日のおすすめ|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp))
もう、タッチだけじゃなくて内容もえぐい。これが社会の闇というのでしょうね。作中でも印象的な「満州で一番軽いものは・・・・人の命だ」というセリフがリアルに描かれていて本当に1話だけでも身構えてしまうほど。
母を救うためにお金を稼ぎたい、どうにか方法はないかと考えているその時。勇は見つけてしまったのです。
(参照:片目を失った「使えない兵隊」が手を染めたのは!? その決断が満州を狂わせる|今日のおすすめ|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp))
ついにこの物語の主人公(?)アヘン登場です。
(参照:片目を失った「使えない兵隊」が手を染めたのは!? その決断が満州を狂わせる|今日のおすすめ|講談社コミックプラス (kodansha.co.jp))
こうして母を思いやるがゆえに勇はアヘンの密売を決意します。この世界を見てると悪事に手を染めること、それも仕方ないと感じてしまいますよね。それにしても、この「闇落ち」の表情、リアルすぎる。
しかし、驚くなかれ。このえぐさでまだ1巻も終わってないんです。1話だけでも読み応え十分なのが『満州アヘンスクワッド』。しかし怖いものが見たい皆さん、まだ裏社会は始まっていませんよ!もっとえぐいのが欲しいですよね?
そんなあなたはは是非続きもご一読あれ!さらなる「えぐさ」約束します(笑)
試しにアヘン中毒者でものぞいてみますか!
(参照:【担当とわたし】『満州アヘンスクワッド』門馬司×鹿子×担当編集対談 – コミックDAYS-編集部ブログ- (comic-days.com))
はい。私も血の気が引きました。まさに「地獄絵図」ですね。
魅力②:全員「悪」だけど個性豊か!かっこいいキャラばっかりです。
さあ、お待ちかねここからついにアヘンを取り巻く抗争が勃発する「裏社会」に入っていきますよ!
アヘンをめぐり、敵味方いろんな人物や組織が絡み合い、常に死と隣り合わせの壮絶な「戦争」が繰り広げられます。これがまた見ごたえ十分で、毎話ワクワクが止まりません。本当に全員ただの犯罪者なんですけど、かっこよすぎるんです!
戦闘シーンはもちろんのこと「金や欲望によって人間がどのように変わってしまうか」。その姿がまじまじと見られるのもこの漫画の醍醐味でしょう。
というわけでここからはその魅力的な登場人物を、皆さんが理解しやすいように現在刊行している10巻までの流れに沿ってご紹介します!(2022年9月8日現在)
麗華(リーファ)
(参照:満州アヘンスクワッド / 原作:門馬司、作画:鹿子 1巻 感想│漫画の帰り道 -漫画感想日記- (bambam-comic.com))
【1巻】から【2巻】にかけて舞台となるのは奉天(ほうてん)。勇一家が住んでいた地域であり、満蒙開拓農業義勇軍の本拠地となるのがこの場所。
同じくこの奉天を中心に中国の裏社会を仕切っている秘密結社・青幇(チンパン)の首領のひとりが麗華なのです。
まさに中華美人とはこのことと言わんばかりの美貌。若いのにどこか色っぽく、彼女が登場するたびに、このえぐい漫画に華がさいたような気がします。まあ結局彼女もえぐいんですが。(笑)
アヘンの密造に成功した勇は手始めに青幇に対しビジネスを持ちかけます。しかし、結果は、、、さすが中国マフィアという感じです。勇、早速ピンチ。
そこでのいざこざを経て「組織から自由になれる」と感じた麗華は結局勇と組むことに。
でも彼女は過去に何かを抱えている感じがして。
物語に関係ないけどこのシーンだけはどうしても載せたくて(笑)
感動ありお色気ありの出会いを経て、勇のパートナーとなった麗華の目的は一体何なのか。仲間と共に戦うことで変わっていく姿はもちろん、作戦のたびに変装する彼女にも注目!
リン
続いては青幇が管理するアヘンの売人・日本人の少女リンです。クマの人形を抱えたこのか弱そうな女の子には、会社の倒産で借金まみれになった両親に変わって青幇で働くようになったという衝撃の過去があります。
彼女の特徴としては「瞬間記憶」の能力があること。死線をくぐることが多い裏社会を生き抜く上で重宝されるもので、物語の要所要所で大活躍。そんな彼女は両親と再び生活できることを夢見て日々アヘンを売りさばいていますが、それが実は青幇がリンを囲っている罠で、、
真実を知ったリンは生きることすら諦めようとしますが、そこを救ったのが勇たち。リンは青幇から抜けだし、以後勇チームの売人として動いていきます。
自分を救ってくれた勇に惹かれるリン。そんな彼女と勇のやり取りもまた和むシーンのひとつです!
バータル
麗華、リンを仲間に加えた勇は、輸送手段として満州鉄道委員長をアヘンで手中に落とし、奉天からさらに西へ向かい、【2巻】の舞台となる熱河(ねっか)へ到着。肥沃な土壌を持つ熱河をアヘンの生産場所とするため、現地に住むモンゴル民族に、アヘンのもととなる芥子農園の護衛を依頼することに。
そこで出会うモンゴル人のこの男・バータルは中国語、日本語、ロシア語、モンゴル語を話すマルチリンガルです。でも常にうるさくて女好きだしで、頭いいのかアホなんだかわからない(笑)でもこれがバータルの魅力であり、このドロドロでえぐい物語の中で一番気持ちがいい男こそバータルだと筆者は感じています(笑)
そんなバータルは外の世界(の女?)へのあこがれが強く、ここで勇のチームと合流することに。アホな場面が多いこの男ですが、後ほど、とある救出劇で大活躍するのでお楽しみに!
李 姚莉(リーヤオリー)
(参照:門馬司/鹿子「満州アヘンスクワッド」2巻 感想 : まつもとたかひと (matsumototakahito.com))
この頃、勇の生み出すアヘンはその純度の高さから「真阿片」として知られるようになります。販路をさらに拡大すべく、【3巻】の舞台となる満州国の首都・新京(しんきょう)に向かいます。そして新京を拠点とする「満州映画協会」通称・満映をターゲットに定めました。勇たちは満映の社長に接触を図るべく、情報収集のため映画パーティーへ侵入するのですが。
侵入早々に事件が発生。満映が誇るスター女優・李 姚莉が逃亡。直後偶然出くわした勇に助けを求めてきたのです。実は満映を裏で仕切っているのは青幇であり、彼女は青幇のために利用されていたのでした。そして李 姚莉が逃亡した理由には彼女自身が願う切なる思いもあったのです。
ここから李 姚莉を巡る勇と青幇からの刺客との戦いがスタート。多勢相手にひとりで女の子を守る勇の勇敢さにはくらいました!!
一方、麗華、リン、バータルも李 姚莉の逃亡を逆手に取り、着々と満映を落とす動きを始めていました。こちらも「真阿片」が強力すぎて悲惨な状況。毎度アヘン漬けにするシーンだけ勇チームではなくターゲットに同情してしまうのはこの漫画あるあるなんですよね。(笑)
ちょっと色恋沙汰多めの【3巻】は箸休め的な部分もありますが、満州映画協会をどのように攻略するのか見ものです!
キリル・メドヴェージェフ
新京にて「真阿片」を大量に売りさばいた勇たちの次なる目的地は、「東洋のモスクワ」と呼ばれている哈爾浜(ハルビン)。【4巻】から【6巻】にかけての舞台となるこの地は、中国マフィア・青幇とロシアンマフィアという二大勢力が裏社会を牛耳る無法地帯です。勇たちにとって哈爾浜で「真阿片」を売るにはこの2つは邪魔な存在となるわけですね。どう潜り抜けるのか?
早速情報収集のため二手に分かれて行動を開始。勇と麗華はロシア正教会へ、リンとバータルは青幇が根回ししているスラム街・大観園(だいかんえん)へ向かいます。
勇と麗華は到着早々に事件に巻き込まれ、命を狙われるはめに。そんなピンチを救ったのが、ここ哈爾浜で「逃がし屋」として知られる凄腕ドライバー・キリル。彼はもともとはスタンリー下の旧ソ連で兵士として仕えていましたが、あることが原因で、この地へ来ることに。哈爾浜の道という道を知り尽くし、強盗や殺人犯の足として生計をたてているため、この一件もキリルが2人を依頼人と勘違いしてのことでした。いやあ、カーチェイスのおかげで今まで以上にスリルある展開でしたね。
てかキリルかっこよすぎなんです!!
このイケメン具合に加え、性格もワイルドでおまけに恋人に対し一途なため、実は『満州アヘンスクワッド』では1,2を争う人気キャラなんです!いろんな漫画にいますよね主人公を差し置いて人気でちゃうタイプ(笑)
一方大歓園にて、バータルとリンもそこで賭博や密売の案内をしている閻馬(えんま)という少年に出会い行動を共にすることに。
哈爾浜編は、過去一のド派手な戦闘シーンに加え、ようやく「ザ・イケメンキャラ」キリルも登場し、さらなる盛り上がりを見せます!
馮英九(フォンインチュー)
(参照:ヤングマガジン白木 (@ym_shiraki) さんのマンガ | 255作目 | ツイコミ(仮) (twicomi.com))
青幇の幹部として哈爾浜の裏社会を仕切っている男がこの馮英九。彼は大観園からさらってきた子どもや女性を富豪相手に売り飛ばす人身売買を行っています。相変わらず怖すぎますが、ご覧の通り彼の登場からようやくマフィアのボスらしいボスが出てきた感じがしてワクワクしました!
そんな青幇のボスに加え、貧しきロシア人に手を差し伸べる慈悲深き男「皇帝」・アレクセイ・ロジャエフスキーや、その秘書として働くことになったロシア人女性・ニーナなど、この哈爾浜編のカギを握る人物も登場。
ここからは誰が敵か、どう乗り越えるのか、全く読めない展開。勇チーム、ロシアンマフィア、青幇による三つ巴の抗争はアツすぎて文面じゃ伝わらないので、是非皆さん自身でお確かめください!
關(クワン)
絶体絶命のピンチを迎えつつも哈爾浜を後にした勇チームは、次なるターゲットを清朝時代の上流貴族の末裔「満州旗人」に定め、【7巻】から【10巻】の舞台となる吉林(きつりん)へ向かいます。
そして勇チームが吉林でアジトとして利用する酒場の店主がこのいかつそうなお姉さんの關。サバサバした性格の彼女の裏の顔は知る人ぞ知る「闇医者」。またまたやばいにおいがしますが実際は、医療費を払えない貧しい人たちを治療しており、憲兵に追われる勇をかくまってくれたりもする情に熱い人物。これくらいえぐい漫画だと「心優しき闇医者」というパワーワードすら普通に誕生してしまうという。(笑)
吉林にて「満州旗人」を落とすため、密売の仲介人として目を付けたのは、旗人の末裔に使える奉公人の家系に育った青年の昊天(ハオテイエン)。ただでさえ稼ぐのに苦労している彼は、主人の高価な壺を誤って割ってしまい、家を追い出されるか、弁償するお金を稼ぐかの瀬戸際にいました。
麗華はそこに目をつけ、報酬をみかえりに「真阿片」を彼の主人に売る取引を持ちかけたのです。にしても麗華の悪だくみ顔(笑)
しかし、彼には気高き「満州人」である誇りがありました。加えて貧しいながらもその誇りをもって生きる女性・神美(シャンメイ)に想いをよせていることもあり、彼はアヘンを売るか、満州人の誇りを守り家を追い出されるかで葛藤します。これがまたこの作品のみどころでして、戦闘シーンだけじゃなく、「生きるためには悪事に手を染めなきゃいけない」という罪悪感に揺れる描写もえぐいんですよ。かつての勇もしかり。
昊天はどう考え、どう答えを出したのでしょうか?
長谷川圭人(はせがわけいと)
ようやく紹介できるこの男は、筆者が選ぶ今作品一番えぐいキャラ圧倒的1位の長谷川圭人、関東軍憲兵団憲兵伍長です。アヘンの密売を取り締まる彼は、拷問好きの超絶サディストで、物語でたびたびその拷問シーンが描かれてきました。
そして今回ついに勇チームと真っ向から対峙。勇の潜伏先が關の酒場であることを察知し、部下を連れて乗り込んできました。そこで口を割らない關をとらえて憲兵団の本部へ連行。勇チーム、人質を取られてしまうという、これまでにないピンチに。
密売ビジネスの要である勇の命を最優先する麗華は、彼女を見捨てて吉林を出ようとしますが、勇はどうするのか?まあ彼の性格を知っていればなんとなく察しがついちゃいますが。
凡(ぼん)
(参照:ヤングマガジン白木 (@ym_shiraki) さんのマンガ | 398作目 | ツイコミ(仮) (twicomi.com))
連行された關は長谷川、そして彼の部下であるこの大男・凡により尋問を受けます。長谷川を先生と慕い、彼の命令ならどんなえぐいことも律儀に実行するのがこの凡という男。無表情でまるで心がない彼は、長谷川よりさらに薄気味悪い感じがします。
実は凡がこのようになったのには彼の過去の体験に理由があり、それがまた最新刊【10巻】にてこの吉林編で一番みどころのストーリーに絡んできます。ここはほんとに唾を飲むほどの緊張感でした。
他にも今だ謎多き、青幇の大ボスであり麗華の父親・杜月笙(とげつしょう)や、阿片王と呼ばれる男・里山柾(さとやままさき)などが登場。今後どう物語に絡んでくるのか楽しみです!
以上、主要登場人物紹介及び物語の流れのおさらいでした!どのような作戦を企てるのか、どのようなピンチが訪れるのか、どう乗り越えるのか、ここでは描けない名場面はぜひとも皆さん自身の目で確かめてください!
『満州アヘンスクワッド』魅力を紹介!まとめ
(参照:極上の“アヘン”が、満州を狂わせる。『満州アヘンスクワッド』(門馬司/鹿子)が、コミックDAYSで4月9日より連載開始!|株式会社講談社のプレスリリース (prtimes.jp))
だいぶ推させていただいたので皆さん『満州アヘンスクワッド』手に取って読みたくなってきたのではないでしょうか?
先ほど紹介した個性豊かなキャラたちが、リアルなタッチで描かれているこの作品。読んだらそのカッコよさや熱量に度肝を抜かれること間違いなしです!
皆さんが憧れる「裏社会」を是非覗いてみてください!
また『満州アヘンスクワッド』の他にもおすすめの漫画を読みたい方はこちらの記事をご覧ください👇
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それでは素敵な漫画ライフを!
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