作品が常に映像化され、ヒット作を次々と生み出す希代の漫画家、高橋留美子。いまや世界レベルでの人気を誇る高橋留美子の作品は、シリーズ作品1本で数千万部を誇る大ヒット作も多いです。
そこで本記事では、高橋留美子の歴代のヒット作品を紹介します。幅広い年代に人気のラブコメディから、大人の恋愛やSF要素のあるミステリー作品など、さまざまな漫画を描く高橋留美子の魅力をまとめていますので、最後までぜひご覧ください。
漫画家・高橋留美子とは
引用:https://twitter.com/rumicworld1010
高橋留美子は、1957年、新潟県新潟市で産婦人科を営む家の末っ子として誕生。幼い頃に兄の読んでいた少年誌を愛読していたことから漫画の世界にはまっていき、自身でも漫画を描くようになります。
高校・大学在学中には友人と漫画研究会を設立し、漫画誌への投稿を続けていましたがなかなか目が出ず、在学中は同人作家として活躍すると同時に劇画村塾に入塾。小池一夫に師事し、研鑽の日々を送りました。
その後、1978年在学中に描いた「勝手なやつら」で第2回小学館新人コミック大賞少年部門の佳作を受賞し、同作品でデビュー。高橋留美子の代表作のひとつ「うる星やつら」の原案になった作品で、後のヒット作の布石となりました。
漫画家・高橋留美子作品の特徴
引用:https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002255.000013640.html
高橋留美子作品は、学生時代に愛読していた少年誌・青年誌やSF作家、筒井康隆の影響を色濃く受けており、独自の世界観を確立。その世界観は「るーみっくワールド」と名付けられ、作品集のタイトルにも使われています。
高橋留美子作品の特徴として、共通して使用される独自の擬声語やポーズがあります。代表的なものが、両手の親指と人差し指、小指を立てる「ちゅどーんポーズ」や「みしっ」「ぷぎゃっ」などの擬音で、高橋留美子の作品を通して楽しめます。
イケメンながら隙のある主人公や優しくて芯の強い美少女を主人公としたラブコメディが作品の主軸として描かれることが多いです。ケンカや反発、すれ違いなどでお互いを想い合う様子を、周囲の濃いキャラクターたちと絡み合わせてストーリーが展開していきます。
子供から大人まで楽しめる高橋留美子先生の代表作品5選
それでは、ここでは子供から大人まで楽しめ、映像化されて国民的人気を博した高橋留美子の代表作品5つを紹介します。高橋留美子ワールドで自由活発に動き回る魅力的なキャラクターたちのハチャメチャコメディ、お約束の展開などファンにはたまらない作品ばかりです。ぜひチェックしてください。
おすすめ作品①:『うる星やつら』(1978)
なぜかこの世の不幸を一身に集めてしまう「見るからに凶相の持ち主」・諸星あたる。UFOに乗ってやってきた女の子・ラムちゃんの鬼ごっこの相手に選ばれてしまったことから、あたるの運命はさらなる不幸(?)へと突入していく……。コミック界をゆるがした高橋留美子の奇想天外SFコメディが、ついに新装版で再スタート!!
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/209901/vol_no/001
高橋留美子の初の連載作品ながら、アニメ化・映画化もされ、半世紀経った今でもなお世界中で愛される国民的な人気作品です。第26回(1980年度)小学館漫画賞少年少女部門を受賞し、累計発行部数は3500万部を突破しています。
主人公の諸星あたるは、可愛い女の子には目がない青年で、しのぶという恋人がいながら、宇宙からの侵略者ラムに一目惚れ。その後続々と送られてくる宇宙人たちに翻弄される日々を描いたドタバタラブコメディです。2022年に再びアニメ化され、話題となりました。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、全34巻完結済み)
おすすめ作品②:『らんま1/2』(1987)
乱馬が女の子だったことで、早雲はがっかり。ところが風呂から上がった乱馬は男の子に、パンダは乱馬の父・玄馬に変わっていた。二人は中国で修行中、その水に触れると女になってしまう泉と、パンダになってしまう泉に落ちていたのだった。お湯をかければ元に戻るのだが、男と女、人間とパンダを行き来するやっかいな二人を前に、許嫁候補となったあかねをはじめ、天道家は大混乱になる。人気コミック新装版の第1集。
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/209900/vol_no/001
水をかぶると女の子になる呪いをかけられたらんまと許嫁の天道あかねをめぐる学園ラブコメディ。うる星やつらのようなドタバタ感と濃いサブキャラクターたちは健在で、さまざまな技や武器を操る異種格闘技戦も楽しめる、エンターテイメント性の強さも人気の一端と言えるでしょう。
連載は1996年で終了したものの、2021年時点で単行本の累計発行部数は5500万部を突破。世界20か国以上、さまざまな言語に訳されて出版されています。アニメ化、劇場版化、ドラマ化と時を経ても人気が衰えない、驚異的な人気を誇る作品です。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、全38巻完結済み)
おすすめ作品③:『犬夜叉』(1996)
▼第1話/封印された少年▼第2話/甦る犬夜叉▼第3話/玉を狙う者▼第4話/屍舞烏▼第5話/かごめの矢▼第6話/逆髪の結羅▼第7話/骨食いの井戸▼第8話/帰還
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/428930/vol_no/001
半妖の犬夜叉とその恋人の生まれ変わりである女子中学生のかもめが主人公。舞台は戦国時代で、タイムスリップしたかもめが犬夜叉と出会い、願いごとをかなえてくれる四魂の玉のかけらを探す冒険に出ることで物語が始まります。
うる星やつらやらんま1/2よりもシリアス路線であり、ギャグ要素も控えめな印象であるものの、個性豊かなキャラクターたちの魅力は健在です。明確なストーリー展開も人気を博し、第47回小学館漫画賞を受賞しました。単行本の累計発行部数は5000万部を誇り、アニメ化、舞台化もされた人気大作です。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、全56巻完結済み)
おすすめ作品④:『境界のRINNE』(2009)
▼第1話/謎のクラスメート▼第2話/百葉箱の伝説▼第3話/体育館裏4時▼第4話/どこかで会った女▼第5話/お・ね・え・さ・ん▼第6話/クラブ棟の怪▼第7話/契約黒猫▼第8話/眠るのがこわい
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/305383/vol_no/001
死神と人間のハーフ、六道りんねと、人には見えない霊が見える女子高生、真宮桜の学園ラブコメディ。犬夜叉のシリアス路線を変更し、従来の気軽に楽しめるコメディ作品としての魅力を押し出しており、笑い多めで気軽に楽しめる作品です。
学園で除霊活動にいそしむ貧乏イケメンと、クールでモテモテの美少女は、これまでにいなかった新しい高橋留美子作品の主人公です。周囲を取り囲む登場人物たちの個性的でユニークな魅力は相変わらず。アニメ化はもちろん、累計発行部数300万部を超える人気作品です。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、全40巻完結済み)
おすすめ作品⑤:『MAO』(2019)
陰陽師と妖(?)少女の大正怪奇ロマン!小学一年生の時、一家全員が事故に巻き込まれるも自分だけ生き残った過去を持つ黄葉菜花。中学三年になった彼女が再び事故現場を通るとなぜか大正時代へ!そこで出会った陰陽師の少年・摩緒より「お前、妖だろう」と言われた翌日に菜花の身体能力が覚醒した――自身の「謎」を解き明かすため、菜花は摩緒と行動を共にする事になるが…「宿命」の2人がいずれ来る「運命」に立ち向かう大正怪奇ロマン、開幕!!
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/648680/vol_no/001
猫鬼に呪われた2人の主人公、900年を生きる陰陽師の摩緒と現代に生きる女子中学生の菜花の活躍を描く、大正怪奇ロマンです。大正時代と現代を行き来しながら、摩緒の呪われた過去の事件の真相や菜花の秘密を探っていきます。
前作よりもシリアス性の強い作品です。2019年から連載が始まり、2021年時点で単行本発行部数120万部を突破。まだまだストーリーが謎に包まれていて、目が離せない展開になっています。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、既刊18巻連載中)
高橋留美子ワールド健在の大人の恋愛コメディ漫画2選
高橋留美子が描く大人の恋愛をモチーフにした作品を2つ紹介します。恋愛を主軸におきながらも、高橋留美子ならではの振り切った魅力あるキャラクターたちは健在です。ドロドロしない爽やかな恋愛模様が描かれていて、笑いあり、涙ありのストーリー展開に最後まで目が離せません。
『めぞん一刻』(1980)
曲者揃いの住人たちから邪魔されても、新管理人・音無響子を一途に慕うけなげな五代。だが彼女との恋を実らせるには、あまりに大きく険しい壁があった。それは響子が結婚半年で夫を亡くした未亡人であることで…。不朽の名作が、新装版で再登場!!
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/209902/vol_no/001
1980年より連載を開始し、今なお影響力の大きな作品として人気を誇る「めぞん一刻」。未亡人と学生の恋物語という新鮮なドラマが人気を博し、1986年にアニメ化、実写映画化され、1988年にはアニメ映画化、2007年に実写ドラマ化しました。
冴えない田舎出身の学生、五代祐作と年の離れた夫を失くしたばかりの美しい未亡人、音無響子の恋愛模様を、同じアパートに住む個性強めの住人達やライバルなどの関係を絡めながら描いています。爽やかな余韻の残る、大人のラブコメディです。
(小学館・ビッグコミックスピリッツにて連載、全15巻完結済み)
『1ポンドの福音』(1987)
天性の素質と妙なツキを持つ若きボクサ-、畑中耕作。しかし、根性がまるでない(!?)ためか、試合前になっても食べることを我慢できず、ジムの会長には世話をやかせっぱなし。そんな耕作は恋するシスタ-アンジェラのもとへ、毎度毎度、懺悔をし、またシスタ-アンジェラも耕作を心から応援する。その耕作が試合中にリングで吐いてしまい、「ボクシング界のつら汚し」ということで、以後試合ができない状態となってしまう。そんな中、ロ-ドワ-クで誤って殴ってしまった相手がプロのボクサ-で恨みを果たすために試合を申し込んでくる。そんな経緯も知らず、耕作は再びリングへ。天性の素質と妙なツキは通用するのだろうか?
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/428929/vol_no/001
意志の弱い駆け出しのボクサーと修道院の見習いシスターの恋愛物語です。当初前後編の読み切りであったものの、その後不定期連載作品として続き、20年後の2007年に最終巻が刊行されエンディングを迎えました。
ボクシングの1試合が終わるまでを1ストーリーとしてまとめており、主人公の成長と2人の関係の変化を描いています。根性なしと言われ、実力を活かしきれないポジティブな青年と酒癖の悪いシスターという個性的なキャラクター設定は高橋留美子作品ならでは。2008年にテレビドラマ化されています。
(小学館・週刊ヤングサンデーにて連載、全4巻完結済み)
もっと高橋留美子ワールドを楽しみたい方におすすめの作品2選!
ここでは、少し違った魅力で描かれる高橋留美子作品を2つご紹介。どちらも、SFやミステリーに主軸を置いた作品で、不思議でサスペンス要素のある物語がショートストーリーで楽しめます。もっと高橋留美子の魅力を知りたい方、ぜひご堪能ください。
『人魚シリーズ』(1984)
「人魚シリーズ」とは、「人魚」に翻弄される人間たちの物語を総称した名前です。「人魚の森」「人魚の傷」「夜叉の瞳」の3つの物語で、人魚の肉を食べて不老不死となってしまった男女の旅の物語を描いています。
不老不死や長寿を望む人間の愚かさ、それを手にした元人間の悲哀を描いたストーリーで、シリアス要素が強く、コメディ要素の強いほかの作品とは一線を隠す作品です。3作品がすべて映像化されており、第20回(1989年)星雲賞コミック部門を受賞しています。
(小学館・週刊少年サンデーにて連載、全3巻完結済み)
『高橋留美子傑作集』(1987)
高橋留美子劇場、8年ぶり待望の新刊発売!ビッグオリジナル誌上で一年に一作ずつ発表された高橋留美子劇場を、8年ぶりに単行本化。表題作『魔女とディナー』など6作品を収録。
【収録作品】『魔女とディナー』食べても食べても全く太らない美魔女に出会った男の運命は!?『やましい出来事』息子から紹介された婚約者が、かつての浮気相手だったら!?『死ねばいいのに』実業家の妻に支配された夫が、ついに妻の殺害計画を実行する。『不定形ファミリー』大家族を支えるシングルマザーを愛してしまった男。恋の行方は!?『(秘)ルネッサンス』若返り薬の治験に参加した男は、輝かしい青春を取り戻せるのか!?『私のスカイ』天国へ逝った愛犬が、姿を変えて、ご主人様の元へ戻ってきたら…!?引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/648679/vol_no/001
1987年より毎年1作ずつ発表し、6作ごとに単行本として発刊。2003年にはアニメ、2009年にはラジオドラマ、2012年にはNHKにてテレビドラマ化されている話題作です。
物語は異なる主人公が何気ない生活のなかで問題に直面し、悩み苦しみながらもひとつの結果を迎えるストーリー展開で、コミカルからシリアスな物語が楽しめ、大団円とはいかないまでも、ほっとするエンディングに落ち着きます。高橋留美子の隠れた名作として人気の作品です。
(小学館・ビッグコミックオリジナルで不定期連載中、既刊5巻)
漫画家・高橋留美子先生のおすすめ作品・まとめ
参照:https://dps.shogakukan.co.jp/rmk202308/
漫画家デビューから半世紀近く、常にヒット作品を世に出してきた天才漫画家、高橋留美子。デビュー作から次々と漫画賞を総なめにし、2018年には漫画界のアカデミー賞とも言われるアイズナー賞を受賞しています。
また、2020年には紫綬褒章、2023年にはフランスの芸術文化勲章シュバリエを受賞しており、まさに日本の漫画界の宝とも言える人物です。その作品は、どの世代も楽しめるエンターテイメント性に富んだ作品で、魅力的なものばかり。
本記事を読み、まだ読んでいない高橋留美子作品を見つけた方、ぜひ手に取ってみてください。高橋留美子作品の新たな魅力や知らなかった一面を再発見できますよ。
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それでは素敵な漫画ライフを!
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