【サクッと大満足!】1巻完結漫画のオススメ厳選22冊を徹底紹介!短くて濃い物語にハマる!

皆さんは、「漫画を読む」という時、どんなことを想像しますか?

きっと漫画は、5巻、10巻、20巻…と、続きを読むようなイメージを思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。つまりは、「漫画」=「長編漫画」「連載漫画」のイメージが強いような気がします。

かくいう僕も書店員として働きはじめる前は、漫画は何巻も何巻も次々と読んでいくものだと思っていました。

が、しかし!…気付いてしまったのです。

1巻で完結する漫画…「1巻完結漫画」(そのまま笑)が実はかなり面白い!ということに。

その名の通り、1巻で終わるので手軽に読めるのは勿論、その短い尺の中にギュッと物語の濃さが詰め込まれており、作者の描きたい世界観が潔く凝縮されているのが1巻完結漫画の魅力。漫画賞にノミネート・受賞している漫画の中にも1巻完結漫画って多いんですよね。

というわけで、今回はそんな「1巻完結漫画」の特にオススメできる良作を厳選して22冊ご紹介します!

「ヒューマンドラマ」「ギャグ・コメディ」「ミステリー・サスペンス」「エッセイ」「その他」の5ジャンルに分けて紹介していくので、自分の好きなテイスト・ジャンルの完結漫画を探してみてください!

ちなみに、1巻完結に限らず、面白い漫画を全ジャンルから探したい!という方はこちら👇

漫画おすすめ記事のアイキャッチ

【厳選120作品】面白い超おすすめ漫画ランキング!2024年版・元書店員がジャンル別に厳選しました!

2024年1月1日
>>【厳選】面白い超おすすめ漫画ランキング!元書店員がジャンル別に厳選しました!

それでは早速、1巻完結漫画のオススメ作品を見ていきましょう!(2024年7月4日更新)

 

「ヒューマンドラマ」の1巻完結漫画(8作品)

ヒューマンドラマのイメージ

様々な人間関係の中で、人の温かさから醜い部分まで繊細に描かれるヒューマンドラマ。

心がジーンとしたりハラハラしたりなど、多種多様な感情を私たちにもたらしてくれますよね。

ここでは一巻でしっかり楽しめるオススメのヒューマンドラマ漫画をご紹介します!

『ルックバック』藤本タツキ(集英社)

友情、そして創作の苦悩と喜びをテーマとした藤本タツキ珠玉の読み切り

あらすじ
自分の才能に絶対の自信を持つ藤野と、引きこもりの京本。田舎町に住む2人の少女を引き合わせ、結びつけたのは漫画を描くことへのひたむきな思いだった。月日は流れても、背中を支えてくれたのはいつだって――。唯一無二の筆致で放つ青春長編読切。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/992962/vol_no/001

おすすめポイント

この作品は『ファイアパンチ』や『チェンソーマン』などで知られる藤本タツキさんの読み切り作品。友情と自己表現をテーマにした感動的な内容となっています。

絵を描くことに情熱を持ちクラスでも人気者の少女・藤野と、内向的で引きこもりだけど絵の才能あふれる京本との関係を中心に展開される物語です。

キャラクターの心理描写が非常に丁寧に描かれており、セリフがなくとも些細な表情や仕草から感情がありありと伝わってきます。二人の少女が互いに影響し合いながら成長していく過程の中で、緻密に描き出される人間らしさがリアルで共感してしまうのです。

また、藤本さんの特徴である細部まで描き込まれた絵と緻密なストーリーテリングが作品の魅力をより一層引き立てており、様々な伏線に感嘆してしまいます。

単なる友情ストーリーに留まらず、創作の喜びと苦悩、そして喪失と再生を描いた奥深い作品。藤本さんの繊細な感性が光るこの作品は、言葉では形容し難いリアルな感動を味わわせてくれます。中身のギュッと詰まった珠玉の名作、オススメです!

🎥2024年6月劇場版アニメ公開

 『ルックバック』を読む 

 

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』押見修造(太田出版)

『惡の華』原作者による、思春期に向き合う3人のヒリヒリ青春物語

『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』サムネイル

あらすじ
普通になれなくて ごめんなさい”ヒリヒリ青春漫画のマエストロが贈る、もどかしくて、でもそれだけじゃない、疾走焦燥ガールズ・ストーリー。“自分の名前が言えない”大島志乃。そんな彼女にも、高校に入って初めての友達が出来た。ぎこちなさ100%コミュニケーションが始まる――。いつも後から遅れて浮かぶ、ぴったりな言葉。さて、青春は不器用なヤツにも光り輝く……のか?
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/239691/vol_no/001

おすすめポイント

2011年から2012年まで、ウェブマガジンのぽこぽこ(太田出版)にて連載されていた作品。

母音から始まる音がうまく発音できない大島志乃は、高校入学最初の自己紹介で吃ってしまいクラスメイトたちから笑われてしまいます。うまく話すことができず孤立してしまう志乃ですが、ひょんなことから歌が大好きだけど音痴な加代と友達に。そこにクラスで志乃を笑った菊池も交えて、3人の物語が進んでいきます。

この物語では、それぞれが抱える悩みが非常に繊細に描かれています。そしてそれらが絶妙にすれ違って、せっかくできた友達と距離を置くことになったり。一度見つけた加代という居心地の良い場所を失ってからの展開には、心が苦しくなります。そこからのクライマックス、加代の勇気と志乃の思いに涙させられること間違いなしです。

思春期の3人は、それぞれどのように自分の気持ちと向き合い消化していくのか。思春期のリアルな感情を丁寧に描いた、心にグッと刺さるような読み応えたっぷりの作品です。実写映画化もされているのでそちらもぜひチェックしてみてください!

 『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』を読む 

 

『アイリウム』小出もと貴(講談社)

記憶飛ばすことのできる薬に翻弄される人々の人生を描いた短編集

『アイリウム』サムネイル

あらすじ
1錠飲めば1日分の記憶を飛ばすことができる薬、アイリウム。薬が効きはじめると、他人から見れば意識もあり普段通りの生活をしているように見えて、その間の記憶がまったくなくなってしまう。つまり、嫌な思いをする出来事の前に飲んでおけば、その事を思い出すことなく日常生活が送れるのだ。記憶を薬でコントロールできるようになった時、その人の生はどんな彩りになるのか…。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/290075/vol_no/001

おすすめポイント

一錠飲むときっかり24時間分の記憶が飛ぶという薬・アイリウム。そんな不思議な薬に翻弄される人々の話を描いた短編集です。2014年にモーニング(講談社)にて連載されていました。

アイリウムを飲むと、普段通りに生活しているのにその間のことを覚えておらず1日先にワープしたような感覚になるため、嫌なことや辛いことなども「その瞬間」を感じずに済みます。その効果をママ友同士の暴露大会に使ったり、兵士がPTSD対策に使ったり、未来の生活の好転を願って使ったり。様々な使い方がされた上で、そこからそれぞれの人生や人間関係が描き出されます。不思議な薬が全ての話の軸になっているこの作品ですが、本質的な部分は薬に左右される人々の心の部分。人間の醜い部分だったり、苦悩や葛藤だったり、そういった心の機微が繊細に表現されているんです。そして記憶がなく知らないうちに人生を消費してしまうことの恐ろしさ。人生の一瞬一瞬がどれだけ大切かということに気づかされます。特に映画監督志望の男のお話は、フジテレビの『世にも奇妙な物語で』実写映像化されているほど内容が面白いです。

アイリウムを中心に描かれる様々な人間関係を是非読んで楽しんでみてください!

 『アイリウム』を読む 

 

『我らコンタクティ』森田るい(講談社)

幼なじみコンビが挑むのは宇宙人に映画を観せること!?

『我らコンタクティ』サムネイル

あらすじ
冴えない会社員をしているカナエは、小学校時代の同級生中平かずきと再会する。彼はナゼか一人でロケット開発をしていた。かずきの驚くべき目的を知り、カナエは思わず脱力!だけど、二人は一緒にロケット開発をすることに!カナエとかずきが小学校の時に見たUFOも絡み、思いもよらぬ方向へ物語は進む!いくつかの短編漫画をアフタヌーン誌上に発表し好評だった森田るい氏が満を持して放つ初長編漫画!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/60007790/vol_no/001

おすすめポイント

2017年に月刊アフタヌーン(講談社)にて連載されていた作品。

カナエとかずきは小学生の時の同級生で、二人はかつて公園で宇宙人に出会うという体験をしています。大人になって再開したそんな二人が、なんやかんやあって宇宙人に映画を観せるためロケットを使って宇宙へ映写機を飛ばす挑戦をする物語です。

と、ものすごく夢のある話なのですが、この二人がなかなかにやばいやつなんです。かずきは感情の起伏も少なく何考えているか全然わからない奴。カナエは冴えないOLなのに自尊心が異常に高く、ロケット打ち上げが金になると思って乗っかってきた奴。そんなおかしな二人の関係性や作り出す空気感が絶妙に面白い。こんなに温度感低めでシュールに進んでいロケット開発が今までにあっただろうかと笑ってしまいます。だけどかずきは純粋な宇宙への思いもしっかり持っていて。そして始めは金目当てだったのに、かずきに釣られてロケット開発にぐいぐい引きこまれていくカナエ。その辺のギャップもこの作品の魅力に繋がっています。

不思議な世界観にどんどん引き込まれていくこと間違いなしの、大人たちのロマンたっぷりな漫画です!

🏆マンガ大賞2018 第2位

 『我らコンタクティ』を読む 

気になった方はこちらもご覧下さい👇

【宇宙で映画上映!?】漫画『我らコンタクティ』が面白い!おすすめポイントを徹底紹介!

2018年3月28日

 

『セッちゃん』大島智子(小学館)

なんとも言えない読後感に包まれる、一人の少女の物語

『セッちゃん』サムネイル

あらすじ
セッちゃんのセはセックスの「セ」。誰とでも寝てしまう女の子・セッちゃん。誰にも興味を持てない男の子・あっくん。交わらないはずだった二人の生活と人生。でも、理不尽な「暴力」が世界を分断して。二人は、「こっち側」で肩寄せ合って。そして、最期はとてもあっけなくて。「わたしもう間違わないのかもしれない」――気鋭イラストレーター・大島智子による初の漫画作品、待望のコミックス化。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/560414/vol_no/001

おすすめポイント

2018年4月から同年8月まで漫画アプリのマンガワン及び女性向けファッション誌のCanCamの公式サイト(小学館)にて連載されていた作品です。

物語は、誰とでもすぐ寝てしまうセッちゃん(瀬川世都子)と誰にも関心を持たないあっくん(影山厚)の二人を中心に進んでいきます。段々と距離を縮めていく二人ですが、その関係性はなんだが不思議。誰とでも寝るはずのセッちゃんはあっくんとは寝ないし、他人に興味を持てないあっくんはセッちゃんには興味が湧きます。他者との関わり方に問題を抱える二人が、今までとは違う存在を見つけて前に進んでいく展開が面白いです。

そしてそんな二人の世界と対照的に描かれる世間の様子が非常に特徴的。世間では学生団体によるデモ活動や爆破テロが巻き起こっており、今までの退屈な日常が崩壊していきます。周りの学生や友人たちが積極的にデモに参加する中、二人はいつも通りの日常を続けていくのです。そんな変わらない二人の姿に、日常の危うさと渇望が描かれています。

現実的でありながら不思議な感覚に陥る物語。おすすめです。

 『セッちゃん』を読む 

 

『昨夜のカレー、明日のパン』渡辺ペコ/木皿泉(幻冬舎コミックス)

ちょっぴり変わった家族の心温まる物語

『昨夜のカレー、明日のパン』サムネイル

あらすじ
テツコは夫・一樹を亡くしてから、一樹の父・ギフと暮らしている。血縁はないけれど「家族」として暮らす二人。テツコはその暮らしをとても居心地よく感じていた。しかし、テツコの恋人・岩井はテツコと結婚したがっているようで…。人気脚本家・木皿泉のデビュー小説を、漫画界の異才・渡辺ペコが瑞々しい筆致で描く!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/357920/vol_no/001

おすすめポイント

2014年から2015年まで、comicスピカ、月刊バーズ(幻冬社コミックス)にて連載された作品。原作は脚本家の木皿泉氏による小説で、第27回山本周五郎賞候補、第11回本屋大賞2位など非常に高い評価を得ています。

物語はちょっと不思議な関係の家族を中心に展開。テツコは、亡くなった夫の一樹の父・ギフとともに暮らしています。血縁関係はないはずの二人が一樹の死後も家族として一緒に暮らしているのは、なんだか少し変な感じ。でも、そこにはテツコ・一樹・ギフの三人で過ごした家を、一樹が死んでから二人で守ってきた歴史があるわけで、血の繋がり以上の優しい絆で繋がっているのです。そして、それぞれみんな優しいからこそ抱えてしまう悩みや思いもあります。葛藤しながらも関係性の変化を受け入れていく登場人物たちが繊細に描かれているのがこの作品の特徴です。

また、登場人物それぞれが一樹の死をどのように受け止めるのかが描かれているのもこの作品の特徴。繊細に描かれる彼らの想いに、人の優しさと強さを感じることができます。

ちょっと変わった家族が紡ぐ、優しいヒューマンドラマです。

 『昨夜のカレー、明日のパン』を読む 

 

『さよならガールフレンド』高野雀(祥伝社)

気だるい日常を強く生きる様を描いた短編集

『さよならガールフレンド』サムネイル

あらすじ
数多のマンガ読みから絶賛の嵐!! 2015年最注目新鋭待望のデビューコミックス! 「わたしが男子だったら先輩とは絶対にやりません」セックスばかりしたがるうざったい彼氏。噂話しかゴラクのないクラスメイト。この町の人間が嫌いな母。ここは、どんづまりの小さな町。色んなことに嫌気がさしてた高校3年の夏── ちほは、自分の彼氏と「ヤった」らしい。“ビッチ先輩”との出会い…? 単行本化が熱望されていた表題作に加え、アラサー女の迷い道、こじらせ女子の憂鬱、思春期少年少女の甘酸っぱい夏など、個性ゆたかな短編5作品も収録!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/337051/vol_no/001

おすすめポイント

2015年に高野雀氏が刊行した短編集です。

この作品では、特別おかしな出来事は起こりません。わりとありがちな日常生活が描かれていて、揉めたりすることはあっても原因は浮気とかのレベル。そんな淡々とした日常の中で登場人物たちが感じとるちょっとした変化が、彼らの心情とともに繊細に描かれているのがこの作品の特徴です。

例えば、表題ともなっている一つ目のお話では、田舎の日常に息の詰まる女子高生が自由気ままに生きるビッチ先輩と出会うことで少しずつ変わっていく様子が描かれます。他の短編にも共通して言えることですが、この作品にはどことなく閉塞感や倦怠感が漂うのです。派手なストーリーじゃないけれど、それが逆に日常の気だるさや息苦しさをリアルに映し出しています。そしてほんの些細なことで、そんな主人公たちの過ごす日々にちょっとした変化が訪れるのです。毎日に辟易しながらも、前を向いて当たり前の今を進んでいく姿が非常に印象的。

変化を受け入れて進む女性たちの姿に勇気をもらえる作品です。

🏆第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 審査委員会推薦作品

 『さよならガールフレンド』を読む 

 

『ちーちゃんはちょっと足りない』阿部共実(秋田書店)

思春期の心の闇をリアルに描き出した問題作

『ちーちゃんはちょっと足りない』サムネイル

あらすじ
「はぁ私たちはなんだか私たちって」いつも何かが欲しくって。中2女子・ちーちゃんとナツの日々日常。「空が灰色だから」の阿部共実、初の長編新作。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/258410/vol_no/001

おすすめポイント

2013年から2014年までもっと!(秋田書店)にて連載されていた、女子高生の日常を描いた作品です。

物語は、ちーちゃん・ナツ・旭の3人の女子中学生を中心に進んでいきます。ちーちゃんは同級生よりもちょっぴり幼く、幼馴染のナツは何も持っていない自分にコンプレックスが。裕福で頭の良い旭が、そんな二人を助けながら3人は学校生活を送っています。一見すると女子中学生たちのなんてことない日常に見えますが、ある時ちーちゃんが悪気なく起こした行動から一変、3人の関係性が崩壊していくのです。

この作品が扱っているのは、思春期特有のドロドロとした黒い感情。自分より優れた人への妬みや嫉みなど、誰しもが一度は抱えたことのある感情を繊細に描き出しています。そんなドロドロとした感情をどう受け止めていくのか、それが人間関係にどう影響を及ぼしていくのか。とにかくリアルすぎる心情描写と展開に非常に考えさせられるのです。

可愛らしい絵柄とストーリーのギャップがすごい、読み応えのある一冊、ぜひ読んでみてください。

🏆第18回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 新人賞

🏆このマンガがすごい!2015 オンナ編 第1位

 『ちーちゃんはちょっと足りない』を読む 

 

「ギャグ・コメディ」の1巻完結漫画(5作品)

コメディのイメージ

悲しいときや疲れたときは、やっぱり笑い飛ばすのが一番ですよね!

ここでは、忙しい毎日でもサクッと読めてしっかり笑える一巻完結のオススメギャグ・コメディ漫画をご紹介します!

 

『ドントクライ、ガール』ヤマシタトモコ(リブレ出版)

突き抜けた下ネタが最高に笑えるシチュエーションコメディ

『ドントクライ、ガール』サムネイル

あらすじ
親の不手際で知人宅に居候することになった悲劇の少女・たえ子。そしてピンポン鳴らすと真っ裸でドアを開けた裸族の男・升田。清純な女子高生相手に、裸でお出迎え…? まさに衝撃の初対面。たえ子が17年間積み上げてきた価値観が、グラグラと音を立てる。これって現実? わたし、今、正気? 泣いていても始まらない、爆笑青春ストーリー♪
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/192461/vol_no/001

おすすめポイント

BL作品を中心に描かれている、ヤマシタトモコ氏の作品。ヤマシタ氏は、このマンガがすごい!2011 オンナ編において『HER』、『ドントクライ、ガール』の2作品で1、2位を受賞するという快挙を成し遂げている漫画家です。

主人公は女子高生のたえ子。おバカな親の不手際で父親の知人・升田の家に居候することになります。升田はイケメンなんですが、裸族という重大な欠陥の持ち主。たえ子はなぜか、裸のイケメンおじさんと生活をともにすることになってしまうのです。

この作品の特徴はやっぱり、登場人物の癖の強さ。升田はイケメンなのに裸族で変態だし、升田の友人のパティシエ・陣内は巨根信奉者のど変態だしで、下ネタのオンパレードです。女子高生相手にセクハラしまくりのイケメンおじさんたちですが、なぜか清々しさすら感じてしまうほど堂々としています。そんな癖の強いおじさんたちと女子校通いのウブなたえ子によって繰り広げられるコメディ展開が魅力的です。

そんなたえ子と升田がお互いを異性として意識し始めるのもこの物語の面白いところ。突き抜けたシモネタを展開しながらも、ちょっとドキッとさせてくるギャップがたまりません。

腹を抱えて笑えるシチュエーションコメディ作品です!

🏆このマンガがすごい!2011 オンナ編 第2位

 『ドントクライ、ガール』を読む 

 

『夢中さ、きみに。』和山やま(KADOKAWA)

独特の空気感がクセになること間違いなし!

『夢中さ、きみに。』サムネイル

あらすじ
気になる君はうしろの席に――。WEBなどで噂の作品たちが待望のコミックス化。話題の作品「うしろの二階堂」は全ページ加筆修正のうえ、30ページ以上の描き下ろし続編を収録。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/641332/vol_no/001

おすすめポイント

2019年に開催された同人誌即売会・COMITIA127で、和山氏の同人誌が月刊コミックビームの編集者の目に止まったことで書籍化された短編集です。2021年にはドラマ化もされています。

本作の構成は、不思議な魅力を持った男子高校生・林美良を中心に進んでいく4編と、中学時代にモテすぎて起きた出来事のトラウマから不気味なキャラクターを演じている男子高校生・二階堂明を中心に描かれた4編の計8編。

この作品の1番の魅力は、なんとも言えない独特の世界観です。普通の高校生活が淡々と描かれているだけなんですが、登場人物たちのキャラクター、雰囲気、絵のタッチなど、全てが独特のテンポと空気感を生み出しています。

そしてそんな個性あふれる登場人物たちが繰り広げる小気味良い会話が面白いのもこの作品の特徴。爆笑するような笑いではなく、クスッと笑えるようなアイロニカルなやりとりが魅力的です。

独特の魅力についついハマってしまうこと間違いなし。おすすめです!

🏆このマンガがすごい!2020 オンナ編 第2位

🏆第23回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 新人賞

🏆第24回手塚治虫文化賞 短編賞

 『夢中さ、きみに。』を読む 

気になった方はこちらもご覧下さい👇

【溶けるように売れた⁉︎】今話題の短編集『夢中さ、きみに。』のクセになる魅力とは!

2020年8月30日

 

『カラオケ行こ!』和山やま(KADOKAWA)

ヤクザと男子高校生の奇妙な友情がエモい

『カラオケ行こ!』サムネイル

あらすじ
合唱部部長の聡実はヤクザの狂児にからまれて歌のレッスンを頼まれる。彼は、絶対に歌がうまくなりたい狂児に毎週拉致されて嫌々ながら歌唱指導を行うが、やがてふたりの間には奇妙な友情が芽生えてきて……?話題の作品が描き下ろしを加えて待望のコミックス化!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/844836/vol_no/001

おすすめポイント

またまた和山氏の作品。2020年にKADOKAWAから単行本として発売されました。

こちらは短編集ではなく、1巻でひとつのストーリーが描かれています。

物語の主人公は、歌が上手くなりたいヤクザ・狂児と合唱部所属の男子高校生・聡美の二人。組長の開催するカラオケ大会の地獄のような罰ゲームを回避するために、狂児はなぜか合唱大会に参加していた聡美に歌を教えるように依頼するのです。最初は無理矢理付き合わされて嫌々だった聡美ですが、だんだん二人の間に奇妙な友情が芽生えます。ヤクザと男子高校生が少しずつ距離を縮めていく不思議な展開が魅力です。

キャラが立っているのもこの作品の特徴。狂児はヤクザなのにちょっとお茶目だったり、聡美は大人しそうなのに結構毒舌だったり。それぞれが魅せるギャップが最高です。

和山氏の作品特有の世界観も健在。クスッと笑える展開に相変わらずハマってしまいます。

小ネタ満載の作品ですが、ストーリーもかなり秀逸で素敵な作品です!

 『カラオケ行こ!』を読む 

 

『油断ちゃん』吉田戦車(講談社)

5歳児のスパイが巻き起こす爆笑ドタバタ劇!

『油断ちゃん』サムネイル

あらすじ
大手スーパーVS地元商店街!! 街は戦いのバーゲンセールと化した!! 目指すは世界征服記念金曜びっくり市。大手スーパー「赤サソリ」は大手特有の圧倒的な資本の力を背景に、恐るべきあの手この手で地元商店街に襲いかかってきた。「資本にはかなわない」。誰もがしたり顔で絶望した時、全ての希望は1人の少女に託された。韮崎油断(にらさき・ゆだん)、コダヌキ幼稚園に通う女の子。その正体は地元商店街秘密謀報室、最強のスパイ!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/215729/vol_no/001

おすすめポイント

1996年から1997年の間、モーニング(講談社)にて不定期連載されていたギャグ漫画です。

主人公は5歳児ながら商店街のスパイとして働く韮崎油断(油断ちゃん)。スパイの父と色っぽい母を持ち、乳幼児の頃からスパイとしての特殊な訓練を受けて育っています。そんな油断ちゃんの仕事は、圧倒的な資本力を持つ大手スーパー・赤サソリが地元商店街を潰そうとするのを阻止すること。油断ちゃんや家族、敵方が任務の中でドタバタ劇を繰り広げていく物語です。

この作品は登場人物が非常に魅力的。小さな女の子が凄腕のスパイだったり、逆に年相応に人形が好きだったりと長所も短所も兼ね備えています。そして油断ちゃんの口が達者なところが最高。的確なことでも訳のわからないことでも、相手を翻弄する能力は本物です。油断ちゃんの被害に遭うお父さんや敵がなんだが不憫に思えてしまうこともあります。笑

ギャグ漫画なため、ぶっ飛んだ展開が基本。敵の取る作戦や油断ちゃんの戦い方など、はちゃめちゃな感じがこの作品の魅力です。ちょっと古めな絵柄も内容にマッチしています。

頭を使わずに読める、爆笑必至のギャグ漫画です!

 『油断ちゃん』を読む 

 

『東京発 異世界行き』大武政夫(KADOKAWA)

シュールなギャグが心地よい『ヒナまつり』作者の短編集

『東京発 異世界行き』サムネイル

あらすじ
デビュー作『こまきまき』から、最新作『三田村桜子(仮)の一生』まで、まだ見ぬ”笑い”を求める旅の道程が一冊に! 独特の間と語り口、ひと工夫ある構成、ツッコミの冴えがクセになる全9作品。ボーナストラックとして叙情に満ちた『青信号までの時間』を収録。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/253614/vol_no/001

おすすめポイント

2014年に発売された、シュールなギャグに定評のある『ヒナまつり』の作者・大武政夫氏の短編集です。

異世界や超能力などSF要素が盛り込まれていますが、基本的にゆるい日常のストーリーが描かれています。

大武氏の作品の特徴である、独特の間や会話のテンポなどが魅力的。短編集のため、ショートコントをいくつも見ているような感覚です。

爆笑というよりも小さな笑いをいくつも仕込んでくる印象で、サクサク読めるので気づいたらあっという間に読み終えてしまいます。

シュールな笑いが好きなら絶対ハマる作品なので、気になる方はぜひ読んでみてください!

 『東京発 異世界行き』を読む 

 

 

「ミステリー・サスペンス」の1巻完結漫画(4作品)

ミステリーのイメージ

ミステリーやサスペンスものというと少し長めのものやシリーズものを思い浮かべる方もいると思いますが、一巻完結漫画の中にも面白いものがたくさん。

一冊に凝縮されている分、ストーリーの流れや伏線回収などが秀逸なものも多いです。

ここでは、そんなミステリー・サスペンスを描いたおすすめの一巻完結漫画を紹介します!

 

『山羊座の友人』乙一 / ミヨカワ将(集英社)

次々と明らかになる事件の真相の先に待つのは、、、

『山羊座の友人』サムネイル

あらすじ
松田ユウヤはある夜、同級生の若槻ナオトが殺人を犯した現場に遭遇する。陰惨ないじめの標的になっていた若槻は、追い詰められ相手を殺してしまったのだった。今までいじめを見て見ぬふりをしてきた罪悪感から、ユウヤは彼と逃げる決意をするが!? 少年二人の逃避行の果てに待つ、衝撃の真実。そしてあまりに切ない結末とは――
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/318868/vol_no/001

おすすめポイント

少年ジャンプ+(集英社)で2014年から2015年にかけて連載された作品で、原作は乙一氏による小説です。

主人公は男子高校生の松田ユウヤ。ユウヤの部屋のベランダは少し特殊で、よく不思議な物が漂流してきます。ある日未来の新聞が流れてきたことで、この先に起こる殺人事件について知ってしまうのです。

ユウヤはクラスメイトの若槻ナオトが不良の金城アキラから陰湿ないじめにあっていることに関して見て見ぬ振りをしてきました。追い詰められた若槻は金城を殺してしまうのですが、見過ごしてきたことに罪悪感を持ったユウヤは彼とともに逃げることを決めるのです。

一見二人の少年の逃避行を描いた物語のように見えるかもしれませんが、この事件の真相は別にあります。そのことがベランダに流れてきた記事に書いてあり、読者は読み進めていくことで事件の真相を知っていくことになるのです。新しい真実が次々と明らかになり、スピーディーに物語が展開されていくのでどんどん引き込まれていきます。そして予想外の展開の連続の先には悲しい真実が待ち受けていて、涙なしには読めません。

1巻で綺麗にまとまった素晴らしいサスペンス作品なので、未読の方は是非!

 『山羊座の友人』を読む 

 

『ヘルタースケルター』岡崎京子(祥伝社)

美しさへの狂気じみた執着と資本主義の闇に恐ろしさが止まらない

『ヘルタースケルター』サムネイル

あらすじ
ミステリアスな魅力でトップスターに上りつめた“りりこ”。だが、りりこには知られてはならない秘密があった。まばゆい世界の陰で、恐るべき事件と人々の思惑が絡みあい始める--。豪華キャストとスタッフで実写映画化。第7回文化庁メディア芸術祭・マンガ部門優秀賞&第8回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞作品。鬼才・岡崎京子の、世紀を越えた傑作!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/147712/vol_no/001

おすすめポイント

1995年から1996年にかけてFEEL YOUNG(祥伝社)にて連載された作品で、岡崎京子氏が交通事故で作家生命を絶たれた後の2003年に単行本化されました。2012年には映画化もされた名作です。

主人公のりりこは世間で大人気のファッションモデル。彼女はその美しさでスターへの道を歩んで行きますが。彼女には大きな秘密がありました。実は、全身美容整形手術による作り物だったのです。元々は非常に太った体でデブ専風俗店で働いていたこともあるりりこ。そんな彼女はある日偶然出会ったモデル事務所の社長に完璧な骨格を買われ、美容整形手術を受けたのちにモデルへと転身することになりました。そんな彼女の波瀾万丈な人生を描いた作品です。

作中では彼女の美しさと人気ぶりと対比されるように、醜くかった過去が描かれます。そして同時に作り物の美しさが崩れていく様子も描写されており、りりこの持つ美しさへ執着が浮き彫りにされていくのです。美容整形手術の闇や人間の心の闇が鮮明に描き出されており、狂気じみた世界観にズブズブとハマってしまいます。

容姿を売るということが当たり前となっている現代において、多くのことを考えさせられる作品です。

🏆第7回文化庁メディア芸術祭 マンガ部門 優秀賞

🏆第8回手塚治虫文化賞 マンガ賞

 『ヘルタースケルター』を読む 

 

『外天楼』石黒正数(講談社)

奇妙なストーリーが繋がっていく展開が魅力的なミステリー作品

『外天楼』サムネイル

あらすじ
外天楼と呼ばれる建物にまつわるヘンな人々。エロ本を探す少年がいて、宇宙刑事がいて、ロボットがいて、殺人事件が起こって……? 謎を秘めた姉弟を追い、刑事・桜場冴子は自分勝手な捜査を開始する。“迷”推理が解き明かすのは、外天楼に隠された驚愕の真実……!? 奇妙にねじれて、愉快に切ない――石黒正数が描く不思議系ミステリ!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/179913/vol_no/001

おすすめポイント

2008年から2009年までメフィスト(講談社)にて連載されていた作品。

外天楼と呼ばれる居住区域に住んでいる人々を描いた短編集です。ちょっとSFチックな話になっています。

ちょっと不思議な設定と日常のゆるいギャグが中心。一つひとつの話が面白いのはもちろんですが、読み進めていくと各短編が少しずつ繋がっていくのです。別々の人々を描きながらひとつの真相が明らかになっていく展開は非常に見もの。伏線を回収しながら奇妙なストーリーが繋がっていくという秀逸さが素晴らしい作品です。

パズルのピースが少しずつ埋まっていくような完成度の高い名作なので、ぜひ読んでみてください!

 『外天楼』を読む 

 

『ブラッドハーレーの馬車』沙村広明(小学館)

馬車の行先に待つのは希望か絶望か

『ブラッドハーレーの馬車』サムネイル

あらすじ
資産家・ブラッドハレー家の養女になることが、孤児院の少女たちの憧れだった。ブラッドハーレー聖公女歌劇団で華々しく活躍する…そんな期待に胸を膨らませた少女たちがたどり着いた先は、暗い暗い塀の中。恐ろしく壮絶な悪夢が始まる―。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/1040/vol_no/001

おすすめポイント

2005年から2007年までマンガ・エロティクス・エフ(太田出版)にて不定期連載されていた、ブラッドハーレー家という資産家とその養女たちを描いた物語です。

ブラッドハーレー家は毎年国内の各孤児院から一人ずつ養女にしているのですが、引き取られた娘はブラッドーハーレー家の歌劇団に入ることができると言われています。しかし、引き取られる娘の数と歌劇団として舞台に立っている娘の数には大きな差が。そこにはある恐ろしい秘密が隠されているのです。

この秘密については早々に明らかになるため、事件の真相を暴くようなタイプの物語ではありません。ブラッドハーレーの馬車で孤児院を出て行った娘たちの物語が短編形式で淡々と描かれていきます。かなり悲惨なストーリーで、最後に何か救いがあるような展開でもありません。だけどなんだか読む手が止まらない、不思議な魅力を持った作品です。

絶望感たっぷりの作品なので、苦手な方は多いかも。逆に暗い話が好きという方にはぴったりの作品なので、ぜひ読んでみてください。

 『ブラッドハーレーの馬車』を読む 

 

 

「エッセイ」の1巻完結漫画(4作品)

エッセイのイメージ

作者の体験をベースに描かれるエッセイ漫画は、等身大の彼らを感じることができて親近感たっぷり。

作者たちの経験するほんの些細なこと一つひとつに共感してしまいます。

ここでは、そんなエッセイ漫画の中でおすすめの一巻完結作品をご紹介します!

 

『ベルリンうわの空』香山哲(ebookjapan)

「豊かさ」について考えさせられるベルリン在住者のエッセイ漫画

『ベルリンうわの空』サムネイル

あらすじ
ドイツ、首都ベルリン。ベルリンといえば、壁、ビール、ソーセージ。だけじゃなくって、様々な文化、様々な人々…、パリや東京とも並ぶ国際都市だ。そんな街で僕は…、僕は…、あんまり何もしていない! ベルリンという街に「なんとなく」で移住してしまった僕は、派手な観光も、胸躍る冒険もなく、ただ毎日を平凡に過ごしている。そんな僕を人はいつも「うわの空」だというのだけれど、僕なりに、些細だけれども大切なものを集めている。 ベルリンでぼんやり生きる僕の生活の記録と、街から得られる空想と、平凡な毎日ゆえに楽しめる、ちょっと小さな冒険の書。
参照:https://ebookjapan.yahoo.co.jp/books/482292/A002233572/

おすすめポイント

ebookjapanで連載され2019年に単行本化された香山哲さんのエッセイ漫画です。香山さんはドイツのベルリン在住で、漫画家、イラストレーター、ゲームクリエイターなど幅広く活動されています。

香山さんがベルリンで生活する中で感じたことや考えたことが哲学的に綴られており、自分にとっての豊かさとは何なのかを考えさせられる内容です。

また、ベルリンがどういった都市なのかに着目しているのもこの作品の特徴。香山さん曰く、都市の風景は、その社会が目指している方向性を反映しているそうです。香山さんはベルリンに見える社会の在り方に共感していますが、僕らも自分の価値観にあった社会や都市を探してみるのもいいかもしれません。

単純に読み物として面白いですが、それ以上に新たな視点を授けてくれる作品です。

🏆このマンガがすごい!2021 オトコ編 10位

 『ベルリンうわの空』を読む 

気になった方はこちらもご覧下さい👇

紀行漫画『ベルリンうわの空』|”豊かさ”とは一体なにであるか ー人生を見つめ直す1冊ー

2021年12月7日

 

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』永田カビ(イースト・プレス)

他者から無条件に承認される場所を求めて

『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』サムネイル

あらすじ
「心を開くって、どうするんだっけ…」28歳、性的経験なし。生きづらい人生の転機。高校卒業から10年間、息苦しさを感じて生きてきた日々。そんな自分を解き放つために選んだ手段が、「レズビアン風俗」で抱きしめられることだった──自身を極限まで見つめ突破口を開いた、赤裸々すぎる実録マンガ。pixiv閲覧数480万超の話題作、全頁改稿・描き下ろしで書籍化。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/382358/vol_no/001

おすすめポイント

作者の永田カビさん自身が28歳でレズビアン風俗に行ったこと、そしてそのレポートが描かれています。

ただの風俗レポートというわけではなく、自身がそこに至った経緯や思考などが描かれており、永田カビという一人の人間について赤裸々に記されているのです。

自傷行為をしてしまう人の思考メカニズムなんかも説明されており、単純に読んでいて面白い内容になっています。

なんとも言い表せない感情を的確な言葉にしてくれるこの作品は、きっと多くの人の心に刺さるはず。レズ風俗での体験は作者に何をもたらしたのか、気になる方はぜひ手に取ってみてください。

🏆2018年 ハーベイ賞 最優秀マンガ部門 受賞

🏆このマンガがすごい!2017 オンナ編 3位

🏆Crunchyrollアニメアワード2017 年間最優秀漫画部門 受賞

 『さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ』を読む 

 

『大家さんと僕』矢部太郎(新潮社)

なんでもない時間の優しさに心癒される作品

『大家さんと僕』サムネイル

あらすじ
1階には大家のおばあさん、2階にはトホホな芸人の僕。挨拶は「ごきげんよう」、好きなタイプはマッカーサー元帥(渋い!)、牛丼もハンバーガーも食べたことがなく、僕を俳優と勘違いしている……。一緒に旅行するほど仲良くなった大家さんとの“二人暮らし”がずっと続けばいい、そう思っていた――。泣き笑い、奇跡の実話漫画。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/476254/vol_no/001

おすすめポイント

2016年から2017年まで小説新潮(新潮社)にて連載された、お笑いコンビ・カラテカの矢部太郎さんによる8コマ漫画です。続編が出たりNHKでショートアニメ化されたりするなど、非常に人気があります。第22回手塚治虫文化賞において短編賞を受賞されており、漫画家ではないお笑い芸人としては初の受賞だそうです。

矢部さんが実際に住んでいるアパートの87歳の大家さんと自分とのゆるい日常を描いた作品で、ほっこりするような暖かいエピソードが魅力的。何気ないふとした時間が幸せに感じられる、そんな優しい愛に包まれた二人の関係が微笑ましいです。

8コマのショートストーリーの連続なので、サクサク読めますよ!

🏆第22回手塚治虫文化賞 短編賞 受賞

 『大家さんと僕』を読む 

気になった方はこちらもご覧下さい👇

【オススメ漫画レビュー】『大家さんと僕』ー この日々が永遠であってほしいと切に願える漫画。

2018年7月10日

 

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』赤のキノコ(KADOKAWA)

現代社会で働く全ての人に読んで欲しい作品

『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』サムネイル

あらすじ
FM FUJI「GOOD DAY」にて紹介され話題沸騰!仕事に追われるすべての人へ。その仕事、自分の命より大切ですか?●これ、まんま私のことだ。●この漫画は命の恩人です。ありがとう。●涙が自然と流れてきて止まりません。と、Twitterで30万リツイート!この漫画で助けられた人続出!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/435113/vol_no/001

おすすめポイント

ちょっと前から何かと問題になっている過労死。過重労働で追い詰められて自殺をしてしまった人をニュースでみた時には、非常に悲しい気持ちになりました。

だけど、「死ぬより先に、会社辞めたらよかったのに、、」と感じてしまう人もいるのではないでしょうか。

この作品は、どうしてそれができないのか、何が問題なのかを正面から丁寧に論じている作品です。追い詰められた人にしかわからないこともたくさんあります。この漫画を通してそれらを知ることは、必ずこの先誰かを救うはず。もしかしたら、その誰かは自分なんてこともあるかもしれません。

テーマが重たいので書籍で読んだら難しそうですが、漫画として描かれているので誰でもわかるようになっています。

社会で働く人全員に、一度は読んで欲しい作品です。

 『「死ぬくらいなら会社辞めれば」ができない理由(ワケ)』を読む 

 

その他の1巻完結漫画(1作品)

ここでは、これまでのジャンルに当てはまらないちょっと特殊な作品をご紹介します!

 

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』ドリヤス工場(リイド社)

『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』サムネイル

あらすじ
太宰治、芥川龍之介、夏目漱石、森鴎外、カフカ、トルストイ……あの名作を今更「読んでない」とは言えないあなたも大丈夫。今からでも余裕で間に合う、史上もっとも肩の凝らない文学入門!……名作の主人公の9割はろくでなしだった!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/334297/vol_no/001

おすすめポイント

有名な日本文学作品の内容までしっかり知っている人がどれだけいるでしょうか。題名は聞いたことあるけど、どんな話かは全然わからないという方がほとんどだと思います。

この漫画は、そんな名作たちをおよそ10ページ前後にまとめたもの。要旨だけを端的にまとめてあるので、非常にサクサク読めてしまいます。

絵柄はパッと見『ゲゲゲの鬼太郎』の作者、水木しげる。ちょっと間の抜けた表情なんかが暗めの雰囲気をポップにまとめ上げていて読みやすいです。

各文学作品の作者の情報も記されているので、もし原作が気になった方はそちらも参考にしてみてください。

日本文学を読んでみたいけど、何を読めばいいかわからないという人におすすめです!

 『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいの漫画で読む。』を読む 

気になった方はこちらもご覧下さい👇

【オススメ漫画】又吉推薦『有名すぎる文学作品をだいたい10ページくらいのマンガで読む。』レビュー

2018年6月24日

 

 

1巻完結漫画のオススメ厳選22冊を徹底紹介!まとめ

1巻完結漫画のイメージ

さて、厳選したオススメ1巻完結漫画、いかがでしたでしょうか!読みたい本は見つかりましたか?

全体的に完成度が高く、まるで1本の映画を観たかのような満足感を味わえるのが、1巻完結漫画の良さと言えるかもしれません。読む時間・お金も長編に比べてかからないこともメリットです。

もし興味がある作品があれば、サクッと読めるので、ぜひ手に取ってみてはいかがでしょう。

 

別の切り口から漫画を選びたい人に…

1巻完結漫画の他にも、色んな切り口のジャンルから漫画を探したい方はこちら!

スポーツ漫画のおすすめ👇

厳選100冊版スポーツ漫画アイキャッチ

【厳選102冊】スポーツ漫画のおすすめを競技別に大紹介!胸アツな作品はコレだ!

2024年4月25日

>>【厳選】スポーツ漫画のおすすめを競技別に大紹介!胸アツな作品はコレだ!

ラブコメ漫画のおすすめ👇

ラブコメ漫画アイキャッチ

【厳選56作】胸キュンの王道!ラブコメ漫画のオススメ作品をジャンル別に一挙紹介!

2024年5月27日

>>【厳選】胸キュンの王道!ラブコメ漫画のオススメ作品をジャンル別に一挙紹介!

音楽漫画のおすすめ👇

アイキャッチ画像

【楽器別!おすすめ音楽漫画36選】胸アツ演奏シーンに引き込まれる!!

2024年5月28日

>>【楽器別!おすすめ音楽漫画】胸アツ演奏シーンに引き込まれる!

グルメ漫画のおすすめ👇

グルメ漫画アイキャッチ画像

【食べる読書】グルメ漫画のオススメ61選をジャンル別に一挙ご紹介!料理・グルメ好き必見!

2024年5月30日

>>【食べる読書】グルメ漫画のオススメをジャンル別に一挙ご紹介!料理・グルメ好き必見!

ギャグ漫画のおすすめ👇

ギャグ漫画アイキャッチ

【おすすめギャグ漫画2024】思いっきり笑いたい時に読むべき面白いギャグ漫画36選!!

2024年5月29日

>>【おすすめギャグ漫画】思いっきり笑いたい時に読むべき面白いギャグ漫画!

泣ける漫画のおすすめ👇

アイキャッチ画像

【ハンカチ必須!】泣ける漫画おすすめ41選を一挙に紹介!心がスッキリする物語を。

2024年6月15日

>>【ハンカチ必須!】泣ける漫画おすすめを一挙に紹介!心がスッキリする物語を

エッセイ漫画のおすすめ👇

エッセイ漫画アイキャッチ

【共感の嵐】エッセイ漫画のオススメ厳選41冊!家族・職業・旅行・病気…様々な体験談を綴る

2024年6月14日

>>【共感の嵐】エッセイ漫画のオススメ厳選!家族・職業・旅行・病気…様々な体験談を綴る

お仕事漫画のおすすめ👇

【お仕事漫画30選を職業別にご紹介!】きっと自分の職業も漫画になっているかも…!?

2021年8月16日

>>【お仕事漫画を職業別にご紹介!】きっと自分の職業も漫画になっているかも…!?

ホラー漫画のおすすめ👇

ホラー漫画アイキャッチ

【ガチ怖!】ホラー漫画のおすすめ51選をジャンル別に紹介!心霊・サスペンス・グロ好き必見!

2024年5月31日

>>【ガチ怖!】ホラー漫画のおすすめをジャンル別に紹介!心霊・サスペンス・グロ好き必見!

異世界漫画のおすすめ👇

異世界漫画のアイキャッチ画像

【厳選56作】異世界漫画のおすすめ作品を徹底紹介!転生・冒険・日常の3ジャンル別!

2024年6月12日

>>【厳選】オススメの異世界漫画を徹底紹介!転生・冒険・日常の3ジャンル別!

ミステリー・サスペンス漫画のおすすめ👇

ミステリーサスペンス漫画

【厳選36選】ミステリー・サスペンス漫画のオススメを徹底紹介!探偵・推理・SF・クライム系ほか

2024年6月5日

>>【厳選】ミステリー・サスペンス漫画のオススメを徹底紹介!探偵・推理・SF・クライム系ほか

長編完結漫画のおすすめ👇

長編完結まんがサムネイル

【イッキ読み推奨!】元書店員がオススメする長編完結まんが・厳選31作!

2024年6月26日

>>【イッキ読み推奨!】元書店員がオススメする長編完結まんが・厳選作!

 

おすすめの電子書籍ストアをそれぞれ比較してみたい!という方はこちら👇

www.omaeha-warauna.com

漫画の読み放題サービスを各ニーズごとに比較してみたい!という方はこちら👇

www.omaeha-warauna.com

雑誌の読み放題サービスのおすすめを知りたい!という方はこちら👇

www.omaeha-warauna.com

 

それでは素敵な漫画ライフを!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください

ABOUTこの記事をかいた人

本メディア『お前は笑うな。』は、本・漫画・電子書籍・VODなどオススメのエンタメ情報を発信するメディアです。 運営は、株式会社ロビンソン・クルーソー。 元・電子書籍の書店員だった代表をはじめ、様々なエンタメ分野に精通するライターによって、最新のエンタメ情報を提供してゆきます。