ニューヨークを放浪してくる、と退職時に話した際に、前職の先輩に教えてもらった一冊がお気に入りで。
それが『ニューヨークで考え中』。
ニューヨークで暮らす作者のエッセイ漫画です。
『ニューヨークで考え中』近藤聡乃(亜紀書房)
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それでは早速『ニューヨークで考え中』を紹介していきます!
漫画『ニューヨークで考え中』とは
海外で暮らすということは、大変です。
マンハッタンを闊歩するオシャレな私や、流暢な英会話を嗜むクレバーな私は、渡米前の私が憧れた理想の話であって、実際に暮らすとなるとそう上手くはいきません。
暮らすって、わりと泥臭いですもんね。
どこも変わらないですよね、なんというか日々の地味さというか。
ただ、そんなリアルの生活に落胆することはなく、かといって期待することもなく、マイペースに「違い」を楽しめたら素敵だなーと。
そういう風に考えさせてくれるエッセイです。
▽内容はこちら
異国で暮らす驚きや戸惑い、そして喜び…つれづれニューヨークライフ漫画をはじめ、絵画やアニメーション、エッセイなど幅広いジャンルで活動するアーティスト・近藤聡乃。2008年の秋に単身ニューヨークへわたり、初の海外一人暮らしをスタートさせました。エネルギッシュな大都市の中でもまれながらも、少しずつ自分の居場所を築いてきた6年間。アパートでの暮らし、恋人や友人たちとの会話、レストランやカフェのメニュー、道行く人々のファッション……書き留めておかなければ、いずれ忘れてしまうふとした日々のあれこれを、見開き2ページ、一話完結のスタイルで描きます。現在進行形のニューヨークがここに!たんたんと、だんだんと、これが私のニューヨーク
文化庁「新進芸術家海外研修制度」で渡米!
皆さん、知ってました?
アーティストが研修員として海外留学に行ける制度があるということを!
文化庁の「新進芸術家海外研修制度」と言います!
(本当に実際にリアルガチであるんですよー)
▽具体的には、こんな制度!
文化庁では,新進芸術家海外研修制度として美術,音楽,舞踊,演劇,映画,舞台美術等,メディア芸術の各分野における新進芸術家の海外の大学や芸術団体,芸術家等への実践的な研修に従事する機会を提供しています。研修期間は,1年,2年,3年,特別(80日間),短期(20日~40日)及び高校生(350日)の6種類があり,平成29年度末までに,約3,500名が研修をしています。
本作の著者であり、漫画/絵/アニメーション/エッセイなど多岐に渡るジャンルで活躍しているアーティストである近藤聡乃さんは、2008年度の研修員として採択されて、実際にニューヨークへ行ったそうです。
こんな制度があるなんて知らなかった…夢のようです。
いつか応募したいなー。
で、期間は決まっているのですが、近藤さんは「ずっとここにいよう」と決めるわけです。
なんでもない日の、なんでもない瞬間に。
そういうこと、ありますよね。
暮らすってそういうことですよね。
ニューヨーク/海外生活あるあるが満載
やはりエッセイ漫画の魅力といえば、リアルな生活で遭遇する「あるある」な瞬間がたくさん描かれていることではないでしょうか。
NYで海外生活を始めた近藤さんのエッセイは、NYならではのエピソードや、海外での慣れない暮らしでぶち当たる壁が描かれていて、共感しまくり。(僕はニューヨークは観光でしか行ったことがないですが、海外に住んでいた経験があり、ドンピシャでした)
例えば日本のカフェより海外のカフェの方が、他の人の雑談が(言語の壁によって)入ってこないため、集中しやすいとか笑
レストランでは分かる単語のものだけ注文しちゃいがち…とか。
割と切実なものの方が、やっぱり共感しちゃいます。
あとニューヨークだけで言うと、もともと寒い地域なので、皆結構寒くても薄着だったりします。
東京の感覚で行くと信じられないくらい半袖半ズボンで過ごしている人が多いです。
あと地下鉄に終電がない、とか。
逆にニューヨークに行ったことない人や、海外生活の経験がない人は、リアルな疑似体験ができるのでオススメ。
これから行こうとしている人なんかも、読んでおくと勉強になるエピソードが詰まっていますよ!
暮らし方は生き方かも知れない
この漫画はエッセイ漫画なので、作者のニューヨークでの暮らしの中で起こったエピソードや、感じたことが中心に描かれています。
読み進めていくと「どういう風に暮らしていくか」「日々の生活で何を想うか」ということは、それ自体がすなわち「生きる」こととイコールのような気がしてきます。
日本にいるよりも人間関係がドライになって、そんな距離感が心地よければそれでOKなわけです。
言葉が通じなくても、背景にある文化が根本的に違っていても、なんとなく通じ合えたら結果オーライです。
一人でいる時間を愛せるようになるかもしれません。
やっぱり日本で活躍したい…なんて思うかもしれません。
海外で暮らしてみると、非日常が日常になっていく過程で、それまでの日常の中では見えてこなかった自分の嗜好性や優先順位などがクリアに見えてくるよなぁと改めて感じました。
そういう意味では、「自分探しの旅」とか言ってインドに行くのも何だか悪くない気がしてきました。
全くカオスな空間に身を投じてみると、跳ね返ってくるものが必ずありますよね。
『ニューヨークで考え中』まとめ
ゆるっとしたタッチの絵と、リアルなニューヨーク滞在エピソード、そして暮らし方について考えさせられる鋭い言葉の数々。
全てが瑞々しい感性で表現されているのが、本当に良いです。
淡々とした語り口でさらりと読めるドライさも。
ぜひ読んでみてください!
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