お笑いコンビ・カラテカのボケ担当・矢部太郎が執筆したエッセイ漫画が、第22回 「手塚治虫文化賞 短編賞」を受賞し話題となりました。
さっそく読んでみた僕も、「やられた」と思いました。
ページの中に広がる世界を、時間を、いつの間にかものすごく愛おしく想っている自分がいるのです。
ええ、そんなつもりじゃなかったのに…。
オススメ漫画 『大家さんと僕』矢部太郎 (新潮社)
すでに累計50万部を超えるベストセラーとなっています!
参照:http://www.ebookjapan.jp/ebj/428446/volume1/
それでは早速『大家さんと僕』を紹介していきます!
漫画『大家さんと僕』とは
まず、漫画の基本的な情報を見ていきましょう!
あらすじ
芸人・矢部太郎は、借りていた部屋の大家さんから立ち退きを求められ、引っ越しをしなくてはいけなくなるのですが、不動産屋さんから紹介された物件は、お婆ちゃんの大家さんが一階に暮らす家の2階部分。
その物件に決めた矢部太郎は、さっそく大家さんにご挨拶をしに行くと、お上品な大家さんは「ごきげんよう」と返します。
この日から、同じ屋根の下、矢部太郎と大家さんの不思議な生活が始まりますー。
第22回 「手塚治虫文化賞 短編賞」受賞!
お笑い芸人が、この手塚治虫文化賞を受賞するのは史上初の快挙!
そもそも、この手塚治虫文化賞とは一体どんな賞なのでしょうか。
日本のマンガ文化の発展、向上に大きな役割を果たした手塚治虫氏の業績を記念し、手塚氏の志を継いでマンガ文化の健全な発展に寄与することを目的に、朝日新聞社が1997年に創設しました。
引用:http://www.asahi.com/shimbun/award/tezuka/
そう、朝日新聞社が主催する賞なんですね。
22回ということで、歴史も積み重なってきた漫画界にとっては非常に権威ある賞と言えるでしょう。
一口に「手塚治虫文化賞」と言っても、賞の内容は大きく4種類に分かれており、
- 「マンガ大賞」
- 「新生賞」
- 「短編賞」
- 「特別賞」
となっています。
特に矢部太郎が受賞した「 短編賞」とは、その名の通り、短編、4コマ、1コマなどを対象に作品・作者に贈られる賞のことを指します。
短編賞・矢部太郎『大家さんと僕』と同時に受賞した「マンガ大賞」は、野田サトル先生の『ゴールデンカムイ』。
さらに、「新生賞」は『BEASTARS』の板垣巴留先生、「特別賞」は、ちばてつやさんに、それぞれ贈られています。
ちなみに『ゴールデンカムイ』『BEASTARS』のオススメレビューはこちら👇
絶賛コメントが多数!
この栄誉ある賞を受賞した『大家さんと僕』には、多くの有名人が絶賛コメントを寄せています。
エッセイ漫画って難しいんですよ。 普通は面白くなんないんですよ。なのに いきなり面白いってどういうことですか!ー 東村アキコ(漫画家)
「男女間で友情は成立するか?」なんて命題は不毛。だって、大家さん(87歳♀)と賃借人(芸人39歳♂)でも成立するんですよ。ー 能町みね子(漫画家・エッセイスト)
この時間が、永遠のように思えてくる。ー 糸井重里(コピーライター)
こんなにも「誰かに薦めたい」と思ったのは初めて。凄く温かで優しさがあり、愛に溢れた面白漫画です!ー 平愛梨(女優・タレント)
全頁、私の人生に最も欠けている時間でした。心に壁を作らない生き方が、羨ましくてたまらない。ー 朝井リョウ(小説家)
引用:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
「良い」の表現の仕方がそれぞれ素敵で、僕は人の書評を読むのも大好きです。
『大家さんと僕』をオススメする3つの理由!
とにかく心が温かくなる漫画でした。
今回は3つの観点から全力でオススメしたいのです。
登場人物
…その前に、この作品の登場人物を紹介します。
矢部太郎・39歳(お笑い芸人・この漫画の作者)
参照:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
お笑いコンビ・カラテカのボケ担当。
大家さんの家には8年前から住んでいる。
大家さん・87歳(矢部の住む家の大家さん)
参照:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
お上品な喋り方でおおらかな性格の大家さん。
家の2階部分を貸し出しており、1階部分に住んでいる。
…以上!
そうなんです、基本的にはこの2人が、登場人物のほとんどと言っても過言ではありません。
あとは矢部の後輩芸人とか不動産屋さんとか周りの人はちょいちょい出てきますが、メインは2人の掛け合いです。
それでは、オススメのポイントをレビューしていきます。
オススメレビュー①:四コマ漫画で読みやすさ抜群!
この作品は四コマの構成になっています。
だから、本当に読みやすい!
本腰を入れて「読むぞ!」って感じではなく、気付いたら開いて読み進めていた、というくらい。
また、それぞれが独立した四コマなのではなく、連続した大家さんとの日々がそのまま繋がりを持った四コマになっている感じです。
参照:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
なんでしょうね。
四コマにされると、「ほのぼの」感が増すんですかね。
普通のコマよりも脱力感があって、この作品を表現する上でぴったりだなと思います。
また起承転結がしっかりあり、四コマ目のタイミングで、大家さんの何気ない一言や矢部太郎に降りかかる小さな不幸が起こるたびに、まんまと笑ってしまいます。
そう、笑ってしまうのです。
悔しいくらいに、面白い。
オススメレビュー②:さすがはお笑い芸人、自虐のセンスが光る!
この笑ってしまうというのが、基本的に「自虐」です。
参照:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
トークが苦手な売れない芸人・矢部太郎と、
テレビをほとんど見ないおばあちゃん・大家さん
この2人だからこそ、矢部太郎の「ついていない日常」が引き立ちます。
例えば、新喜劇の舞台上で思いっきり滑った矢部に対して、
それを客席で見ていた大家さんは、「皆が笑いをお取りになられる中で、一人シリアスな演技。矢部さんさすがでした」と称賛します。
素敵な大家さんだ。。。
やっぱり、大家さんに全く悪気がないのが、読んでいて素直に笑ってしまう所以ですよね。
悪意のない笑いって、ここまで爽やかで後味がいいんだと感じます。
と同時に悪気のない言葉が、一番鋭く人の胸に刺さることも、なんとなく。笑
この2人にしか出せない空気感が「自虐」を中心に表現されており、爽やかに笑ってしまう作品です。
オススメレビュー③:この漫画に漂う時間が、愛おしいと思える!
コピーライターの糸井重里さんがこの本に寄せた感想が「この時間が、 永遠のように思えてくる。」
…まさに、そう思います。
と言うより、「永遠であって欲しいと願える。」という感情に近いかもしれません。
参照:http://www.shinchosha.co.jp/ooyasantoboku/
いつしか矢部太郎と大家さんは、大家と住人という関係性を超えた深い絆を築いていくわけですが、大家さんはそうは言ってもご高齢で、入院をしてしまうシーンもあります。
そんな描写をするもんだから、余計に「(有限の時間であるけれども)ずっと永遠であって欲しい」と思ってしまうじゃないですか。
最初は大家さんが電話をかけてくるのを面倒くさく思っていた矢部太郎が、物語が進むにつれて本当の家族のように気にかけるようになって、でもそんな心配をよそに案外に元気にしている大家さんとか、やっぱり舞台では滑っちゃう矢部とか。
この物語に流れている時間は、漂っている空気は、すべてが愛おしいのです。
ぜひこの愛くるしい日々を、覗いてみて頂きたい。
とにかく一度『大家さんと僕』を手にとって読んでみて欲しい!
ここまでで『大家さんと僕』がいかに魅力的な作品かを分かっていただけたと思います。
ぜひ手にとって読んでいただきたい。
気付いたら、その日々の中にすっと吸い込まれて、この日常が続いて欲しいと願い、そっと心にあかりの灯るような、そんな不思議な力を持った作品です。
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