書店員として出版社へアポの帰り。
早めに終わったアポの空白を埋めるべく、喫茶店でほどほどに時間をつぶした後、
センパイとともに電車へと乗り込みます。
千代田線の車内。
センパイが
「髪を切るのがうまい人のことを「床上手」だと思っていた」
というエピソードを話しはじめました。
聞いたのは2度目だったので、初耳のようなリアクションに努める傍ら、僕は車内アナウンスを気にします。
降りる予定の二重橋前まであと1駅と迫っている。
その尺の割に、センパイの話はまだイントロに差し掛かったところ。
これは…
オチ、降車駅までに間に合わない説
センパイ、僕は次の駅で降りるんですよ。
電車が加速し始めます。
日比谷と二重橋前はただでさえあっという間なのに。
センパイの話はやっと伏線を張り終えたところです。
センパイ、もっとペース上げてください。
さもなくば、その伏線の回収に立ち会えません。
ヤキモキがすごい僕をよそに、センパイは本筋とは関係のない余計な部分の話を膨らませ始めました。
センパイ「床屋の3色のくるくる見てたら気持ち悪くなっちゃってさ」
センパイ、その部分こないだ聞いた時は無かったじゃないですか。
ちょっと小慣れてきたからって話の中にさらに小話を挟まないでください。
いよいよ電車が速度を落とし始めました。
アナウンスが二重橋前を告げます。
センパイ「でさ、こっからが面白くてさ…」
センパイ、一般的に「こっからが面白くてさ」で始まる話が面白かった試しがありません。
あと、このタイミングで本題感を出されても困ります。
もうすぐドアが開いてしまいます。
丁寧にドリブルしている場合ではないのです。
いろいろすっ飛ばしてブザービートを決めてください。
なんで急にバスケで例えたんですか僕は。
安西先生、もう試合終了です。
早く「(美容師さんに)床上手ですね」って言っちゃったクダリを言っt
「二重橋前~二重橋前~」(ドアが開く)
僕「あっ、すいません。僕、ここなんで……」
センパイ「あっそか。。。あじゃあまた。。。」
センパイ、尺を計算していなかったのに不本意感を出さないでください。
僕は帰ります。
帰って「アンナチュラル」を見ます。
散らかした伏線は自分で拾っといてください。
次回会った時に続きからもう一回話したりとかはマジやめてくださいね。
あと、今後からは降車駅までの尺で収まるサイズの話をお願いします。
その場の尺に収まるサイズの話題
何事にも適切な尺(サイズ)の話題を提供することに努めるべきです。
街中で偶然バッタリすれ違った時。
エレベーターで2人きりになった時。
喫煙所で一緒になった時。
途中まで帰り道が同じだった時。
日常の様々なシチュエーションに備えて、どうでもいいけどフレキシブルな尺の話をストックしておきます。
僕の最近のイチオシは、
「ニュルンベルクってちょっとエロいですよね。」
超盛り上がります。
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