今ぜひ皆さんに手に取ってみてほしい絵本があります。絵本作家・赤羽末吉さんの代表作であり、2020年に限定復刊された名作絵本。おへそのあるかえるがチャーミングで絵のタッチが素敵な一冊。
絵本『おへそがえる・ごん』
引用:https://www.hyakuchomori.co.jp/book/p/ISBN483404182.html
著者:赤羽末吉さん
出版社:福音館書店
初版:1986年 ※長らく出版社在庫品切れでしたが、2020年に復刊。
『おへそがえる・ごん』の作家・赤羽末吉さん以外にも名作・良作の絵本を描く絵本作家さんを知りたい!という方は、併せてこちらの記事もご覧ください!きっと好きな絵本作家さんにめぐり逢えますよ!👇
>> 【絵本を作者で探そう!】オススメの絵本作家20名!プロフィールや代表作をご紹介(日本人編)それでは早速、本作のあらすじから紹介していきましょう!
『おへそがえる・ごん』あらすじ紹介
創作長編物語で、三部作の絵本としてはめずらしい構成になっています。テンポが良く、面白いポイントがたくさん詰まっている作品です。1冊あたりのページ数は絵本とは思えない分量ではありますが、身構えなくても大丈夫です!また、1、2、3とお話は続いていきますが、ストーリーがプツッと途切れることはないので、1冊だけでも十分楽しめるところもおすすめです。(もちろん、3冊全部読むのが一番のおすすめです!!)
『おへそがえる・ごん 1 ぽんこつやまの ぽんたとこんたの巻』
長編第一巻、なんと128ページ。絵本でありながらもテンポ良く進むので大人も子どももすらすらと楽しめます。かえるのごんは、おへそのあるかえるです。それは「おしぼたん」のようなおへそで、押すと口から雲が出てきます。そんなかえるのごんが、途中でお父さんを探している少年「けん」と友達になります。ぽんこつやまに向かっているところを変なおばけと遭遇したり、巨大なばけもののたこが出てきて、なめられたり、食べられかけたり・・・。と冒険が進んでいくお話。愉快で楽しく爽快で、赤羽末吉作品ならではの絵がとても魅力的な1冊です。
『おへそがえる・ごん 2 おにのさんぞく やっつけろの巻』
シリーズ第二巻、スタートは前作で出会った友達、けんとへびなのに両手がある「どん」と一緒です。旅の道中、悪さをしている山賊たちと遭遇します。一筋縄では倒せない山賊たちとの愉快なやりとりも必見です。たくさんの仲間たちと力を合わせて、悪いことをした山賊を倒す場面は爽快でもあります。今作はごんの必殺技(?)のおへそから雲を出す場面が少ないのですが、1作目で出会った仲間たちとの絆を感じられ、読み終わったときのスカッと感、心がホッと温まるところが最大の魅力ではないでしょうか。前作に引き続きテンポの良さ、絵の面白さも見逃せません!!
『おへそがえる・ごん 3 こしぬけとのさまの巻』
三部作最終巻の今作、ついにけんのお父さんが見つかるのか?!というところから物語が始まります。ごんのおへそが魅力だからか、おへそを取ってしまうという雷の「へそとりごろべえ」が出てきます。雷の鬼のパンツ、注目です。ごんのおへそが気になり、欲しくなってしまったみたいです。そんなこんなの道中、「戦(いくさ)」に遭遇します。戦に巻き込まれた子どもたちを助けるため、いつものチームで奮闘。ごんのおへその雲を出し尽くし、出なくなってしまうほど!第3巻のキーとなるのは「おへそ」です。おへそが取られてしまうとどうなるのでしょう。果たして戦は?けんのおとうは??という最終作です!
以上、各巻のあらすじの紹介でした!
つづいては本作の魅力を徹底的にご紹介していきたいと思います!
『おへそがえる・ごん』私が思う魅力たち
それではここからは、絵本担当の私が考える『おへそがえる・ごん』の魅力を3つにまとめて紹介したいと思います!かなり個人的な主観も含まれていますが、愛が伝わればいいなと思っています!
魅力①:子どもはもちろん大人も一緒に楽しめる
引用:https://www.fukuinkan.co.jp/blog/detail/?id=397
「絵本」というと子どもが読むもの、親が読み聞かせをするもの、などと思う方が多いかもしれませんが、この本は純粋に大人が娯楽として読んでも楽しめる本だと思います。文章が多いわけではないのですが、日々の生活で疲れてきたな、と感じるとき、癒されたいとき、笑いたいとき、ぜひ手に取ってみてほしいシリーズです。
魅力②:あの鳥獣戯画リスペクトな画風
引用:https://www.fukuinkan.co.jp/blog/detail/?id=397
日々触れるのは鮮やかな色彩で派手に作られたポスターや映像が多いですが、この本では、少ない色と墨で描かれた線画で絵ができています。デジタルなもので溢れている日常から少し離れてみたいとき、墨で描かれた絵を見るとどこか懐かしい思いを感じたり、ホッとしたり、心が癒されたりします。また、鳥獣戯画を感じさせる、ユーモアある絵によって、想像力が掻き立てられるのではないでしょうか。動物が話したり動いたりする世界、やっぱり子どもたちは大好きなのではないかなと思います。
※鳥獣戯画とは
正式名称は「鳥獣人物戯画」。京都の高山寺にある日本の国宝です。作者の候補は何人かいわれていますが、確証がないため、作者未詳となっています。甲乙丙丁の4巻からなり、甲巻では猿や兎、蛙、狐などが擬人化された動物戯画が描かれ、これがいわゆる「鳥獣戯画」です。参照:https://kosanji.com/chojujinbutsugiga/
魅力③:長編三部作という絵本としてはめずらしい構成
引用:https://fugensha-shop.stores.jp/items/5f2e26a3d3f1675bca3dbf55
絵本でシリーズものは全然めずらしくありません。(例えば、ぐりとぐらシリーズや、こぐまちゃんシリーズなどもシリーズですね。)しかし、1冊あたりのページ数が3桁を超え、3冊通じてお話が繋がっている、というのはめずらしい構成なのではないでしょうか。『おへそがえる・ごん』は2だけ読んでみる、というような1冊だけでも楽しめますが、3冊通して読むと登場人物(動物?)についてがより分かり、もっと楽しいです!
なぜ今『おへそがえる・ごん』を推しているのか!
赤羽末吉生誕110年(2020年)という記念すべき年に合わせて、限定復刊されたからです。発売してから1年以上経ってしまいましたが、まだ書店で見かけたり、注文したりできます。
長い間出版社品切れとなっていたので、古本屋さんで見つけるか、図書館で借りに行かないと出合うことができなかった作品でした。しかし復刊された今、手元に置いておくことができるようになったので、読んでみる良い機会です!!
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それでは素敵な絵本ライフを!(編集:絵本担当K)
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