僕は12階建てのマンションの3階に住んでいます。
307です。
素数です。
つまらないことを承知の上で、文字を大にして言わせていただくと、
今日僕はここで、割り切るには余りある葛藤を、全3階に住んでいる人たちと分かち合いたいのです。素数だけに!!!
3階がどうした。
マンションなんて、どの部屋もだいたい同じ間取りじゃないか、とお思いの方。
ええ、おっしゃる通り。
間取りは変わらないものね。
でも、そこじゃない。そこじゃないんすわ。
問題は帰宅時のこと。
疲れて仕事から帰ってくるとします。
鍵でエントランスを開けます。
ずらりと並ぶ郵便受けから、307を確認します。
チラシをその場でグシャグシャに丸めます。
不在伝票に舌打ちします。
そのままエレベーターの前へと歩みます。
待ちます。
他にも数人待っています。
皆、乗り込みます。
自分の行き先の階、「3」押します。
…ここですわ。
圧倒的な
「(3階くらい、階段で登りなさいよ…)」
という同乗者の眼差し。
わかります??
これこそ、3階の人が日々味わっている、
「階段で上れる距離なのにエレベーター使うんだ」ハラスメントです。
2階の人は、そんな辛くない段数だから、ほぼ階段を選びますし、
4階になると、さすがに階段はキツいことが誰の目にも明白で、堂々とエレベーターが使えます。
つまるところ、2階が乗らないエレベーターにおいて、我々は基本的に最下階になるのです。
しかも、ちょっとがんばれば上れる距離です。
もうこの時点で「3」押しづらい。
さらには、
(同乗者が多く混み合う21時を、僕は「ラッシュ」と呼ぶのですが、)
ラッシュ時には、上層階の天人たちの様々な声が。
「12」を押した人の、
「(3階ごときでいちいち止めないでよね…)」。
それは、遅くまで飲んで中央線に乗り込むものの、
信濃町やら千駄ヶ谷にいちいち停車されるときのイライラを思えば、抱きしめたくなるほど良く分かります。
「4」を押した人の
「(今まで一度も用のない階に止まったことなんてなかったのにっ)」。
すいませんね、そりゃ3階で停車することもあれば、親父にだって殴られることもあるよ。。。
そんな僕は、エレベーターを使う時は基本的に同乗者のいないタイミングを見計らいます。
郵便受けを覗く振りをしながらに、エレベーターの方を確認し、乗る人あらば、見送ったり見送ったり。
肩身の狭い思いをするくらいなら、せっかく押したボタンも喜んでリリースするのが、3階に住んでいるということなのでしょうか。
だから、日々このような、誰も得をしないプレッシャー下に身を置く我々は、
マンションのエレベーターで「2」を押す者を、「レジェンド」と呼びます。
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