人々の日常を彩る音楽。何か悲しいことがあった時に元気付けてくれたり、頑張ろうと思っている背中を音楽が押してくれたり、音楽を聴くと心が揺さぶられる不思議な力を感じます。つまり音楽は、少なくとも私の人生にとって欠かせない存在となっています。
しかし、聴く音楽があるということは、当然それを奏でる人が人がいるということ。私たちに感動を与えてくれる音楽に人生を賭ける人たちがいるということです。
今回はそんな、音楽…その中でも「JAZZ(ジャズ)」に情熱を捧げる一人の青年の物語。パッション全開の演奏で漫画から音が聴こえてくる、最高にアツい音楽漫画『BLUE GIANT』の魅力をご紹介します!
それでは本題『BLUE GIANT』の紹介に参りましょう!
JAZZ漫画『BLUE GIANT』石塚真一(小学館) 基本情報
まず始めに漫画『BLUE GIANT』の基本的な情報について解説していきます!読む前に本作が「いかにスゴい漫画であるか」ということを知ってもらえたらと思います!漫画をあまり読まない人にも読んでいただきたい物語です。
漫画『BLUE GIANT』あらすじ
あらすじ
ジャズに心打たれた高校3年生の宮本大は、川原でサックスを独り吹き続けている。雨の日も猛暑の日も毎日毎晩、何年も。「世界一のジャズプレーヤーになる…!!」努力、才能、信念、環境、運…何が必要なのか。無謀とも言える目標に、真摯に正面から向かい合う物語は仙台、広瀬川から始まる。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/232536/vol_no/001
言わずと知れた名作『BLUE GIANT』。
熱い青年・宮本大が世界一のサックスプレーヤーを志し、夢に向かって一直線に走り続けていく様を描いた物語です。大の熱い姿や仲間たちとの友情、迫力満点の演奏シーンなどが魅力的。自分の気持ちに正直に生きる大から大きな勇気をもらえる作品です。
お笑いコンビ・バイきんぐの小峠さんは本作品『BLUE GIANT』を読んでサックス教室に通い出したそう。それくらい、衝動的に音楽をやってみたくなるようなカッコよさが詰まった最高に熱い物語ですよ!
作者・石塚真一さんについて
参照:https://oceans.tokyo.jp/article/detail/27342
『BLUE GIANT』作者の石塚真一さんは、茨城県出身の男性漫画家です。
2001年、『This First Step』で第49回小学館新人コミック大賞一般部門に入選。
その後、2003年に『岳 みんなの山』がビッグコミックオリジナル(小学館)にて初掲載され、ビッグコミックオリジナル増刊(小学館)にて不定期連載が始まります。最終的にはビッグコミックオリジナルで2012年まで定期連載。小栗旬さん主演で映画化もされるほどの人気作品となりました。『岳 みんなの山』はマンガ大賞2008、第54回小学館漫画賞一般向け部門、第16回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞を受賞されており、高い評価をえています。
2013年からはビッグコミック(小学館)で当作品『BLUE GIANT』の連載がスタート。2016年に完結し、第二部にあたる『BLUE GIANT SUPREME』の連載がビッグコミックで始まります。こちらも2020年に完結し、現在はビッグコミックにて第三部『BLUE GIANT EXPLORER』が連載中です。(『BLUE GIANT』も『岳 みんなの山』と同様、数々の漫画賞を受賞しています)
石塚氏はアメリカの大学出身で、当時ロッククライミングにハマっていたそうです。その経験をもとに描かれたのが『岳 みんなの山』ということのようです。『BLUE GIANT』もジャズフェスティバルや物語の舞台である仙台の取材に基づいて描かれており、両作品ともに説得力のある漫画となっています。
漫画賞の受賞歴
『BLUE GIANT』はかなりの数の漫画賞を受賞しており、非常に評価の高い作品です。
受賞歴は以下の通り。
- 2015年コミックナタリー大賞
- マンガ大賞2015 第5位
- マンガ大賞2016 第3位
- 第62回小学館漫画賞一般向け部門
- 第20回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 大賞
これはいわゆる「漫画賞総なめ」状態です。漫画メディアとして有名なコミックナタリーの大賞をはじめ、漫画賞の中ではトップレベルで注目度の高い「マンガ大賞」に2年連続でランクインしているところからしても、偉業の中の偉業。一般読者を熱狂させながら、しっかり専門家に芸術的な側面も評価されている漫画ということで、かなりすごい作品だということがわかるかと思います!
JAZZ漫画『BLUE GIANT』の3つの魅力を徹底解説!
ここからが本記事のメイン。JAZZ漫画『BLUE GIANT』がいかに魅力的な作品かを、3つのポイントからご紹介していきたいと思います!主人公のこと、音楽漫画としての表現のこと、たくさん語ります。
『BLUE GIANT』魅力①:真っ直ぐな主人公・大の生き方が眩しい!
一つ目の魅力はやっぱりこれ。主人公の大の生き方がアツすぎます。
元々高校のときはバスケをしていた大ですが、己の才能に限界を感じていました。将来何をしたいかも分からずこの先の進路に悩んでいましたが、ある日訪れたライブハウスでジャズに魅了され、独学でサックスプレーヤーを目指すことに。ここから彼の音楽人生の幕が開けるのです。
大は良くも悪くも真っ直ぐな性格の持ち主。器用な生き方はできませんが、決めたことには一直線に向かっていきます。ジャズの虜になった彼の熱量は本当にすごい。彼の真剣な生き方は多くの人に影響を与えていくのです。
参照:https://number333.org/2016/03/06/blue-giant/
彼はどんなに疲れていようとも、毎日必ず河原でサックスの練習をします。本当に毎日。目標にまっしぐらな彼の姿勢が眩しく、そのひたむきさに自分も頑張ろうと思えるのです。そして孤独に練習しているその佇まいが、画になりますよね。
参照:https://number333.org/2016/03/06/blue-giant/
彼の演奏には、上手い下手を超えた「力」が宿っています。技術がなくても、彼のパワーは聴いてる人々を魅了します。
参照:https://honcierge.jp/articles/shelf_story/3972
彼のパワフルな演奏に、こんなことを言うお客さんも。もちろん人間ですから、演奏に何を感じるかも人それぞれです。
参照:http://ni-ten0.hatenablog.com/entry/2016/10/18/232118
それでもダイはめげません。
彼にはこの“世界一のジャズプレーヤーになる”という強い決意があります。この目標を彼は何度も何度も、自分に言い聞かせるように口にします。言葉にすることで夢は実現しやすくなると言いますが、それを彼が目の前で見せてくれているような気がして、読者自身も自分の夢を重ねながら不思議とダイを前のめりに応援してしまう。そんな不思議な力(魅力)がこの主人公にはあります。
『BLUE GIANT』魅力②:ダイを支える周りの人たちもアツい!
大は初心者から始めてどんどん成長していきますが、そこにご都合主義的な展開はありません。
多くの人に支えられた上で、宮本大というサックスプレーヤーが成り立っているのです。
参照:https://honcierge.jp/articles/shelf_story/3972
当時高校生だった大は、楽器を買うお金すらありません。サックス購入のために必死にバイトをする大ですが、サックスは高価なもの。そう簡単には買えません。そんな大の本気な姿を見て、大学生の兄がバイトしてためたお金でサックスをプレゼント。ローンを組んでまで大を応援する兄、最高の兄弟愛も描かれています。
参照:https://lrnc.cc/_ct/17219352
以前演奏したジャズバーのマスターから紹介された講師・由井。
ぶっきらぼうな性格で部屋には酒瓶が転がっているような絡みにくそうなおじさんですが、大の演奏に何かを感じた彼は無償でサックスを教えてくれることに。由井の大に賭ける想いも、かなり熱いです。
タイトルにもなっている「ブルージャイアント」の意味もここで出てきます。
参照:https://ch.nicovideo.jp/inlifeweb/blomaga/ar1104857
大が父親にジャズプレーヤーになりたいと伝えるシーン。大の本気を感じ取った父親は「とことん、おもいきりやれよ」と送り出すのです。子供の背中をこんなに強く押せる最高の父親です。
このようにダイは、多くの人たちに支えられて成長していきます。一期一会の出会いで大を応援してくれる人たち。彼の強い意志、そして人としての魅力が、周りの人々を惹きつけた結果とも言えますよね。
『BLUE GIANT』魅力③:演奏シーンの迫力がすごい!
やっぱり音楽漫画なので、音楽を全身で感じたい!と思う方にも、この作品は非常にオススメです。
なんといっても演奏シーンの迫力が本当にすごい。大迫力のJAZZがそこには描かれています。
参照:https://ja.wikipedia.org/wiki/BLUE_GIANT
仲間たちとライブハウスで演奏しているシーン。
見てください。音符が描かれているわけでもなく、擬音が描かれているわけでもない。それなのに、音が伝わってくるこの迫力。そして演奏者たちの圧倒的な熱量や聴衆の楽しそうな感情まで伝わってきます。
この作品が高い評価を受ける背景には、こういった音楽の表現、その空間に溢れる熱気の表現があるんじゃないか、と勝手に思ったりします。なぜならば、漫画として「音楽」を表現することはとても難しいから。当然、漫画なので「音楽」を実際に聴くことは出来ません。物語の中でメロディーが決まっていたとしてもそれを読者が聴くことは出来ないので、どのように音楽を感じさせるのかが、その作品のクオリティーを大きく左右するわけです。
そんな観点からも、やっぱり『BLUE GIANT』からはバシバシとJAZZが聴こえ、それを奏でているダイら演奏者や、聴いている人たちの熱、空気感まで読者に伝わってくる凄みがあります。漫画を読んでいるだけなのに、音楽に魂を揺さぶられてるような、そんな感覚に陥るのです。そこが『BLUE GIANT』の大きな魅力です!
JAZZ漫画『BLUE GIANT』の読者感想・口コミ
さて、これまでは私が『BLUE GIANT』の魅力について語ってきましたが、他の読者はどう感じているのか「感想」「口コミ」をSNSから拾って紹介していきたいと思います。様々な角度から、本作『BLUE GIANT』に関する熱い感想が語られていて、読んだことがある方でも新たな発見があるかもしれません。(※続編の感想も含む)
奥田リンアナにおすすめされたこちら…今年中に読んだ方がいい!と熱弁頂きお借りしました。
何か楽器をやりたくなりました(≧∀≦)サックス吹きたくなりますね🎷
吹いた事ないけど…。#BLUEGIANT pic.twitter.com/bDIaIzOOig— nikkan.lee (李 日韓) (@nikkanxct55) November 15, 2020
やはり皆、サックスが吹きたくなりますよね。この漫画から音楽を始めたという方、多いのではないでしょうか。それくらい音楽を好きになる漫画です。
今更ですが、やッッと読み始めました。
なんてアツイのだ、、
毎晩泣いてます😂
弛まぬ努力、真っ直ぐな気持ち、「才能」だけじゃ到達できないものがあるんだな。
主役の大君の屈託のなさよ✨
コレホントに、本から音が聴こえてくるね🎷❗️❗️#ブルージャイアント#bluegiant#石塚真一#漫画最高💚 pic.twitter.com/GAScbOAO2W— 熊猫じゅん (@fun9ypan) September 16, 2021
「才能」だけで物事の成否は決まらない。そこにはダイのように圧倒的な努力があって…。本メディアの「泣ける漫画」でも紹介しているように、ダイの努力する姿に涙する!という感想も数多くありました。
BLUE GIANT SUPREME 11巻
ヨーロッパ編終わった😢て油断してたら、アメリカ編も同時に出てたー💦
今更ながら読んでまたまた感動。圧倒的な『好き』や『努力』は周りを感動させ、影響を与える。
本当に学びが多いなあ。#BLUEGIANT #ブルージャイアント#読了 pic.twitter.com/7XPvsN73Y8
— ako (@ako03240135) November 18, 2020
そういうダイのJAZZやサックスに対する「好き」という気持ち、そして弛まぬ努力は、この物語の登場人物や読者である私たちを感動させ、巻き込んでいく力がありますよね。何かを成し遂げたい!と思った時に、自分の想いを精一杯表現することで周りが手を差し伸べてくれるようになると、この漫画から教わりました。
#bluegiant
主人公は毎日毎日吹くの
雨の日も雪の日も吹くの
すごい事だと思うけど
Twitterの中でも毎日英語をする人が居る
旅行だろうがなんだろうが続ける人が居るなんちゅーか
上に行ける人ってのは努力の人なんだなと pic.twitter.com/Lsf6MzjhnX— ひろ松 هيروماتسو 🏋️🍶🔤 (@sakura5516c) May 25, 2021
努力とは継続すること。聞き慣れた言葉ではありますが、この漫画を読むと実感が伴ってきます。
早速買って来ました。
やっぱり一生懸命はカッコイイですね!
僕らの世代は「頑張らないのががカッコイイ」みたいな風潮でしたけど、損得考えないで一生懸命はやっぱり良いと思います。😌
明日も一生懸命頑張って働きます!!😆#BLUEGIANT pic.twitter.com/piBYLhzOtS— Smalls浜松 (@SmallsHamamatu) February 26, 2021
「頑張ること」はかっこいいですよね!シンプルなことですが、大きなメッセージだと思います。
#BLUEGIANT
3巻。
人生で初めて作ったタイトル泣けるよ、大ちゃん😭
「プロになれる子となれない子の差」の話は納得
夢を叶える人に置き換えても心は本当に大事だと思う
4巻。
バードでのジャムが泣ける泣ける泣ける泣ける😭この漫画、好きっっ
— めいめい (@meimei_mahalo7) September 17, 2021
泣ける、そして前向きになれる!この漫画の魅力を端的に表したコメントがたくさんありました。
「BLUE GIANT EXPLORER 」読了。最高でした。好きな理由が分からないぐらい好きなのは、本気。#ブルージャイアント#BLUEGIANT
— 山岸 勇太@公務員×スタートアップ×アトツギ (@yutaman0524) March 1, 2021
以上、読者の感想・口コミでした!頑張っている人、夢を追っている人、何かを始めたい人、におすすめの本作。そんな読者たちの背中を力強く押してくれる物語がそこにありますよ。
続編『BLUE GIANT SUPREME』『BLUE GIANT EXPLORER』
参照:https://bluegiant.jp/supreme/
本作『BLUE GIANT』には続編があり、計3部作として発表されています。続編は『BLUE GIANT SUPREME』、『BLUE GIANT EXPLORER』。それぞれ同じ主人公・ダイの活躍が描かれますが、その成長過程として時代やフィールドが変わっていきます。
本作『BLUE GIANT』
あらすじは前述。
2013年〜2016年に連載され、全10巻完結。
続編『BLUE GIANT SUPREME』
あらすじ
止まるわけにはいかない宮本大は、単身ヨーロッパに渡る。降り立ったのはドイツ・ミュンヘン。伝手も知人もなく、ドイツ語も知らず、テナーサックスと強い志があるだけだ。「世界一のジャズプレーヤーになる・・・!!」練習できる場を探すところから始まる挑戦。大の音は、欧州でも響くのか―――
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/428335/vol_no/001
主人公・ダイが、日本を飛び出してヨーロッパへサックス修行に渡る物語が描かれます。通称・ヨーロッパ編です。
2016年〜2020年に連載され、全11巻完結。
続編『BLUE GIANT EXPLORER』
あらすじ
舞台はジャズの聖地へ!アメリカ編開幕!!「世界一のジャズプレーヤーになる」日本で運転免許を取得し、テナーサックスだけを手に、アメリカに旅立つ宮本大。その耳に飛び込んできたのは、かつての仲間・雪祈もアメリカにいるという情報――――大が降り立つ地は、西海岸のシアトル。全米の街と土地と人を知り、新しい音を生み出そうとする大の実験的冒険が始まる…!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/860155/vol_no/001
主人公・ダイが、今度はアメリカに渡る物語へ。通称・アメリカ編に突入します。
2020年〜連載され、現在に至ります(※2021年現在)。
以上が続編に関する概要です。まずは『BLUE GIANT』を読んでいただき、ハマったらそのまま続編へ!ダイの夢を追う過程を一緒に応援しているような感覚で読み進めることができますよ!どんどんと実力をつけて世界に羽ばたいてゆくダイの姿は「希望」そのものです。
JAZZ漫画『BLUE GIANT』魅力解説!まとめ
参照:https://number333.org/2016/03/06/blue-giant/
ここまで『BLUE GIANT』の魅力をお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
真っ直ぐな主人公、それを支える人々、そして圧倒的な画力で描き出される演奏シーン。漫画から熱量がビンビンに伝わってきます。人生に悩んでいる人の背中をグッと押してくれる作品です。
巻末には未来の大の姿を周囲の人物たちが語っています。今の未熟な大との比較したら、もっと面白いかも?『BLUE GIANT SUPREME』『BLUE GIANT EXPLORER』と続編も出ている超人気作品なので、気になった方は手にとってみてください!
『BLUE GIANT』を読みたい作品が決まった方は、オススメの電子書籍ストアもチェック👇
>> 【徹底比較!】電子書籍ストア厳選18社はどこがオススメ?使うなら、この電子書籍!それでは素敵な漫画ライフを!
コメントを残す