熱い試合や泥臭い展開などから、非常に大きな人気を誇るのがスポーツ漫画。そんなスポーツ漫画の中でも、集団競技であるサッカーは人との繋がりが濃く描かれているものが多いです。
今回はそんなサッカー漫画の中から『TIEMPOーティエンポー』をご紹介。
熱い展開や仲間たちとの友情を描いた王道路線のスポーツ漫画でありながらも、少し変わった作品なのです。
この『TIEMPOーティエンポー』のどこが変わっているのか、そしてどんな魅力があるのか、しっかり解説していきます!
それでは早速『TIEMPOーティエンポー』を紹介していきましょう!
『TIEMPOーティエンポー』飯野大祐(講談社) 基本情報
まずは『TIEMPOーティエンポー』の基本的な情報について説明していきます!
『TIEMPOーティエンポー』あらすじ
あらすじ
中学生からサッカーを始めた瀬戸柚樹(せとゆずき)は持ち前の真面目さと、サッカーへの情熱を武器にメキメキと実力をつけていた。しかし、超狂犬FW・朝美圭右がサッカー部に中途入部すると、異常なほど気が弱い柚樹は、朝美に怒鳴られ続けることで、精神崩壊状態に。退部すら許されない事態に、柚樹が手繰り寄せた、窮余の一策とは!? 泣き虫フットボリスタが奇跡を紡ぐ、高校サッカー物語(バトルアウト)、堂々開幕!
引用:https://booklive.jp/product/index/title_id/560231/vol_no/001
となりのヤングジャンプで連載中の作品で、サッカーが題材となっており主人公がちょっと異様な感じなのが特徴です。
いい奴で害はないタイプなんですが、ちょっと気味が悪いというか。。。
SNSなんかでも、内容は面白いけど主人公がちょっと気持ち悪いという意見もまあまあ見かけれます。笑
そんなちょっと特殊な作品ですが、主人公の成長やチームメイトたちとの熱い友情が描かれているなど王道展開もしっかり抑えているサッカー漫画。
スポーツ漫画が好きなら、間違いなく楽しる作品ですよ!
作者・飯野大祐さんについて
参照:https://twitter.com/daisuke_iino?lang=fi
飯野大祐さんは日本の漫画家で、2018年から週刊ヤングジャンプ(集英社)にて当作品『TIEMPOーティエンポー』の連載がスタートし、後にとなりのヤングジャンプ(講談社)に移籍。現在も連載中です。
以前はミラクルジャンプ(集英社)、週刊ヤングジャンプで連載されていた坂本拓さんの『潔癖男子!青山くん』でアシスタントをされていたそう。坂本先生がTwitterで『TIEMPOーティエンポー』を紹介するなど、今でも交流が続いているようです。
『TIEMPOーティエンポー』の3つの魅力を徹底解説!
ここからは『TIEMPOーティエンポー』の魅力的なポイントについて、大きく3つに分けて解説していきます!
魅力①:狂気的な主人公・柚樹の成長
この作品の1番の特徴と言ってもいいのが、主人公・瀬戸柚樹の狂気的な性格。
もちろん悪い奴ではないのですが、ちょっと極端なんです。
中学校からサッカー部に入ってサッカーを始めた柚樹は、一個上のキャプテンで天才的なプレーヤー・朝美圭右から毎日毎日めちゃくちゃ怒られます。
参照:https://manba.co.jp/topics/15813/comments/55081
元々気弱でビビリな柚樹は、叱責されて失禁してしまうほど。
ビビりすぎです。笑
サッカー部を辞めることを決意する柚樹ですが、朝美からは「11人しかいないのにお前がやめたら俺が試合できなくなる」と言われ却下されてしまいます。なんと横暴な、、、
自分中心で考える自己中な朝美に振り回されっぱなしの柚樹です。
辞められることすら許されない柚樹は、朝美への恐怖心から怒られないためにはどうすればいいのかを必死に考える事に。
そこで出した結論が朝美の満足するプレーをするという事でした。朝美の動きに合わせて、朝美が要求するパスを出すために練習に励んでいく事になります。
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-soccer-comic-239
朝美のプレーのデータを集めまくって徹底的に分析していくのです。
この発想自体は良かったんですが、この分析がよくよく見るとヤバいんです。
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-soccer-comic-239
このデータ、部屋中に貼り付けてあるほどの量があるんです。
非常に細かいところまで分析していてすごいなと感心するレベルを遥かに超えて、分析の量と質にちょっと引いてしまうほど。
しかも朝美の顔だけの写真とかもかなりの数あります。
ここまでくるともはやストーカーの域。偶然部屋を見てしまった母親と妹にも心配されています。
それでも、このストーカー紛いの異常な分析のおかげで朝美の動きの意図が理解できるように。
これまで誰も合わせることができなかった朝美へパスを通せるようになります。
柚樹は尋常じゃない朝美への恐怖感で成長することができたのです。
朝美は卒業後は強豪校へ進み、その一年後に柚樹は県立春日高校へ進む事になります。
ここから伸び伸びとサッカーができると思っていた柚樹ですが、そこにはなぜか朝美の姿が。
彼はまた恐怖に怯える事になりますが、成長の起爆剤でもある朝美がいる事でどんどん成長していきます。
そして、モチベーションが恐怖心だったところからサッカーそのものへの向上心に変わっていく精神的な成長も魅力。
変な方向でかなりヤバめな主人公ですが、きちんと主人公らしさを持っている男です!
魅力②:熱くて頼れるチームメイトたち
無名の公立校である県立春日高校に進学した柚樹。そこのサッカー部のメンバーが、新設校とは思えないほど熱いんです。
まずは部長の會澤要。
サッカー部のなかった春日高校にチームを新設した張本人で、彼が練習メニューなどを決めています。試合のメンバーや戦術なども決めており、監督としての役割もになっている人物です。
一見クールな感じがしますが内に秘める想いはかなり熱く、本気で選手権制覇を狙っています。
朝美という呪縛に囚われている柚樹を叱咤激励し改善に向かわせるなど、部長として部員の面倒を見る能力も高いハイスペック選手です。
そして要と幼なじみの藤ヶ谷リキ。
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-character-364
ちょっとお調子者でふざけているシーンの多い人物ですが、サッカーの実力派本物。圧倒的なフィジカルと技術を持っています。
口下手な性格ですが、プレーそのもので柚樹を激励するなど面倒見もよし。
寡黙というわけではありませんが、背中で語っていくスタイルで男らしさが溢れ出ている熱い選手です。
そして、キーパーソンの朝美圭右。
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-soccer-comic-239
Hiphopスラングで罵倒してくるのが特徴。
こんなボロクソ言われたら誰だって萎縮してしまいます。
人として中身は最悪ですが、サッカーの技術は本物。圧倒的なスキルを持っています。
参照:https://tonarinoyj.jp/episode/10834108156639724298
そんな彼は中学と同様に春日高校でも浮いていましたが、柚樹の勇気を出した歩み寄りによって少しずつ変わり始めている模様。
単独でもかなりの驚異ですが、春日高校のメンバーと噛み合い出せばとんでもない得点力になるはずです。
熱い想い、そして確かな技術があるメンバーがしっかり揃っている春日高校。
この先、彼らのプレーが起こす化学反応がとても楽しみです!
魅力③:サッカー描写が詳しく描かれている
この作品は、サッカーの戦術や戦略などについてもかなり詳しく描かれています。
ポゼッションサッカーを掲げている春日高校において、選手のポジショニングはとても重要なもの。試合中のキーマンのポジションや果たしている役割などを図解付きで詳しく解説しています。
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-4-306
こちらはハーフタイムの作戦会議。
きちんと前半の内容を踏まえて、相手の選手の状態や戦況から後半の戦術について説明しています。
読者にもかなりわかりやすく解説が描かれており、ポゼッションサッカーについて誰でも理解できるようになっているのが、本作の魅力の1つです。
『TIEMPOーティエンポー』の名言
王道展開なスポーツ漫画ですから、熱いシーンが結構出てくるんです。
ここでは『TIEMPOーティエンポー』に出てくる中でグッとくるセリフをいくつかご紹介します!
『闘う意思のない人間は僕にとって無価値です』
朝美を恐れ続けている柚樹に要が放った一言。
普段クールで冷静な要が言うからこそ刺さるセリフでもあります。
この一言に柚樹に火がついて、レギュラーになってみせると宣言するのも熱いです。
『「考えてプレーができる」 これは君が持っているかけがえのない武器です』
参照:https://shojiro-slot.com/tiempo-4-306
春日高校の2年生・間瀬が1年生のときに要から言われたセリフ。
これまで要にアドバイスを求めると「自分で考えろ」と言われ続けてきた間瀬は、自分のミスが要因となって試合に負けた際に「なぜ何も言ってくれないのか」を要に問います。
すると要は逆に「ミスをした場面どうすれば良かったと思うか」を間瀬に問うのです。
間瀬はそれに対して悔しそうに振り返りながら自分の考えを話すのですが、要はそれを聞いて「もう答えは出てるじゃないですか」と。
普段から気にかけてもらえていないと思っていた間瀬は、ちゃんと見てくれてた事に嬉しくなるんです。
いやー、こんな部長素敵すぎる。誰かがちゃんと自分を見ていてくれて評価してくれるって、すごい嬉しいですよね。
そして自分でしっかりと考えることができる間瀬も素晴らしい。
要も間瀬も見習いたいです。
チームを引っ張っていく存在というだけあって、要のセリフが多めですね。笑
會澤要、かなり出来た人間ですわ。
『TIEMPOーティエンポー』魅力を紹介!まとめ
ここまでサッカー漫画『TIEMPOーティエンポー』の魅力について説明してきましたが、いかがでしたでしょうか。
仲間と共に勝利を掴んでいく王道スポーツ漫画でありながら、主人公が異常な狂気を孕んでいるという特殊性。だからこそ、主人公の成長に非常にワクワクします。
そして戦術面の描写もしっかりしており、サッカー素人の方でも安心して楽しむことができる作品です!
ビビリな少年のサッカー成長譚『TIEMPOーティエンポー』、気になった方は是非読んでみてください!
さらにスポーツ漫画のオススメを厳選して一挙にまとめた記事もあり、記事内で『TIEMPOーティエンポー』も紹介されています!本作以外のスポーツ漫画も読んでみたい!という方は、ぜひチェックしてみてください👇
それでは素敵な漫画ライフを!
なんとなーく表紙の絵が可愛く、人気作らしいので、期待ゼロでチラッと見てみたら、ビックリするほど面白くて仰天しました!キャラクターがそれぞれきっちりしてて、対比的に生かしあってるんですよね……。
「少年誌っぽいのに友情がない」みたいな感想書いてる人も居ましたけど、押しつけがましい儒教的な友情より、サッカーにも互いの才能にも、本能で惹かれあってる感じ、個人個人の個性や輝きや変な所を、強化しあって、日本特有の全体主義で潰さないところ、めっちゃワクワクしました!
サッカーの説明も、凄く本格的で知的なんですよね……
(原作者の先生凄すぎ………)
これがジャンプじゃなく青年誌!?ってとこも驚きです。
(青年誌って、ネチャアネチァした、性格悪い根暗なヲタ漫画のイメージあるんですが…。)
もう漫画も、どの雑誌に載ってるかより、個の作品の力の時代になってるのかもしれないですね。
これは間違いなくアニメ化されると思うので、出会えて嬉しいです。