【心揺さぶる独創性!】漫画家・魚豊(うおと)の魅力とおすすめ4作品を徹底紹介!

独特の作風と深いストーリーテリングで多くの読者を魅了している注目の漫画家・魚豊(うおと)さん。

彼の作品は深いテーマとユニークなキャラクター設定が特徴で、多様なジャンルで高く評価されています。

今回は、そんな魚豊さんのプロフィールや作風などを深掘りしつつ、代表的な作品についてもいくつかご紹介。

独特の世界観に惹き込まれること間違いなしの魚豊作品たち、この記事を読んで興味が湧いた方はぜひチェックしてみてください!

それでは早速、魚豊さんについてご紹介していきます!

 

漫画家・魚豊(うおと)さん とは

漫画家・魚豊(うおと)さんは、その独特の視点と深い物語性で注目される日本の漫画家です。

なんと、彼が漫画を投稿し始めたのはわずか13歳。思春期の頃から漫画の創作活動に没頭していたようです。

そして2017年、読み切り作品の『佳作』が週刊少年マガジン(講談社)の新人漫画賞で入選しデビュー。作品名は『佳作』だけど受賞は入選、というのも面白いですよね。

その後『金田一少年の事件簿外伝 犯人たちの事件簿』でのアシスタントを経て、漫画配信サイト・アプリのマガジンポケット(講談社)にて『ひゃくえむ。』の連載をスタート。

人間の内面をありありと描いた作品で大きな話題となりました。

『ひゃくえむ。』でその独特の世界観を見せた魚豊さんはその後、『チ。―地球の運動について―』や『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』などを連載。(どちらも完結済み)

それぞれ異なるテーマやスタイルで描かれた作品ではありますが、どこか世界や人間の核心をついたような作風で読者に深い印象を与える代表作となっています。

魚豊さんは、その才能と独自の視点で数多くの賞を受賞しており、特に『チ。―地球の運動について―』は複数の漫画賞を受賞するなど非常に高い評価を受けています。

また、彼は1997年生まれだそう。『佳作』が新人漫画賞を受賞したのが2017年ということは、20歳ごろに受賞したということになります。

そこから立て続けに人気作を連載しており、若くして才能あふれる話題の漫画家です!

 

漫画家・魚豊さんの作風と特徴

大学では哲学を専攻していたという魚豊さんの作品は、深い哲学的なテーマや社会的な問題を扱っています。

読者に考えさせる要素も多く、単なる娯楽を超えた深いメッセージ性が特徴的です。

スピリッツ(小学館)のインタビューの中では、「死ぬのが怖くて眠れない日々が続いた」とも語っていました。そこから、どうせ死ぬなら生まれてよかったと思えるようになりたいと感じるようになったそうです。

思春期の頃はこういった漠然とした恐怖は誰もが通る道かと思いますし、この問いに対する当時の魚豊さんの答えも比較的ベタなものに感じます。ただ、この思想がこれほどまでにありありと物語に描き出されている漫画作品はあまり多くはないように感じます。

『チ。―地球の運動について―』や『ひゃくえむ。』では特に色濃く描かれており、閉塞感や鬱屈感のなかに人生の一瞬の煌きを感じ取ることができるでしょう。

また魚豊さんは大のお笑い好きで、同世代のコントユニットダウ90000を率いる蓮見翔さんとも対談しています。その中でも「死ぬということが自分にとって大きすぎて、売れても売れなくても死ぬんだから好きなことやって死にたい」と。

このあたりに、魚豊さんが描き出すキャラクターたちの人間らしさ、そして沸々とした心の火の伝播の根源がみて取れるような気がします。

 

心が揺さぶられる名作揃い!魚豊のおすすめ漫画(4作品)

ここからは、魚豊さんのおすすめ漫画を4つ紹介していきます!

 

『チ。―地球の運動について―』小学館(2020年)

時代を動かす、運命の出会い。

あらすじ
動かせ 歴史を 心を 運命を ――星を。
舞台は15世紀のヨーロッパ。異端思想がガンガン火あぶりに処せられていた時代。主人公の神童・ラファウは飛び級で入学する予定の大学において、当時一番重要とされていた神学の専攻を皆に期待されていた。合理性を最も重んじるラファウにとってもそれは当然の選択であり、合理性に従っている限り世界は“チョロい”はずだった。しかし、ある日ラファウの元に現れた謎の男が研究していたのは、異端思想ド真ン中の「ある真理」だった――
命を捨てても曲げられない信念があるか? 世界を敵に回しても貫きたい美学はあるか? アツい人間を描かせたら敵ナシの『ひゃくえむ。』魚豊が描く、歴史上最もアツい人々の物語!! ページを捲るたび血が沸き立つのを感じるはず。面白い漫画を読む喜びに打ち震えろ!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/877412/vol_no/001

おすすめポイント

『チ。―地球の運動について―』は、中世ヨーロッパを舞台に地動説を巡る闘いを描いた歴史ファンタジーです。

物語は、天動説が支配的な時代に真理を求める科学者たちの姿を描きます。最初の主人公ラファウは、地動説を信じる学者たちと出会い、自身の信念を試されることになるのです。

この作品の魅力は、緻密な歴史描写と深い人間ドラマ。キャラクターの表情や美しい風景が繊細に描き出され、読者をその時代に引き込んでいくのです。

科学と信仰の対立という重厚なテーマを扱いながら、物語のテンポも良く、緊張感のある展開が続いていきます。特に地動説を巡る論争や陰謀、裏切りがスリリングに描かれており、読者を飽きさせません。

キャラクターたちの成長や内面の葛藤が非常に丁寧に描かれ、彼らの人間性がリアルに感じられます。この作品は複数の主人公が存在し、ラファウを含め各時代の主人公たちが、危険な環境の中地動説を脈々と後の時代に引き継いでいくのです。自身の信念と社会の圧力の間で葛藤しながらも、少しずつ泥臭く前進していく姿が美しいです。

また、科学の進歩や真理の探求というテーマが現代にも通じるメッセージを含んでおり、深く考えさせられてしまいます。

『チ。―地球の運動について―』は、科学と信仰の対立という普遍的なテーマを通じて、読者に深い感動と考察の機会を与えてくれる傑作。歴史ファンタジーや哲学的なテーマが好きな読者にとって必読の一冊なので、ぜひ読んでみてください。

口コミ

主人公がいないっていうのが新鮮で、言うなれば、地動説そのものが主人公となっているストーリーに惹かれる。この地球はもっと美しく調和をしている、その事に感動した人物達が、地動説を守っていく姿に胸が熱くなるし、次の世代にどんどん繋がっていき、歴史が進んでいるのがまた面白い。

受賞歴
🏆第25回文化庁メディア芸術祭マンガ部門 優秀賞 受賞
🏆第54回星雲賞コミック部門 受賞

メディア化情報
🎥2024年アニメ放映予定

読めるアプリ
ピッコマ、LINEマンガ、マンガワン、その他

 『チ。―地球の運動について―』を読む 

 

「ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ」小学館(2023年)

恋の疑念が疑念を呼び、世界を疑い出す青年の物語

あらすじ
『チ。』の魚豊が描く、恋と陰謀ーー!!

あの人に、好きな人はいるのかなーー
あの時話していた言葉の意味ってーー
抱いた恋心が溢れるとき、
世界を動かす謎に迫っていくーー!
『チ。』『ひゃくえむ。』の魚豊が描く、
圧倒的新機軸、前代未聞のラブコメストーリー!!
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/20071570/vol_no/001

おすすめポイント

『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』は、陰謀論をテーマとした作品です。

主人公は冷凍肉の工場で非正規雇用社員として働く渡辺。彼は人とのコミュニケーションが苦手で、非正規ということもあり周囲の人にも見下され鬱屈した人生を生きています。そんな彼が恋をしてやっと人生が動き出したと感じ始めた渡辺ですが、同時に陰謀論者たちとの接点も持つことに。そこから彼は世界の見え方が変わり始めることになるのです。

この作品は陰謀論を扱っているものの、実際に世間で言われているような陰謀論一つ一つに触れているわけではなく、陰謀論にのめり込んでいく一人の青年の心を描いた作品。そこには人生や社会への諦観が存在し、自分自身の人生を無意味なものだと感じてしまう主人公の姿があります。そんな彼を、「悪いのは社会の方だ」と囁き嘯く男がいて。なんだかありそうでなさそうな、だけど妙にリアルなキャラクター設定で、本当に起こり得そうなところが心抉られます。

思わぬ方向に突き進んでいく渡辺の人生はどうなっていくのか、そして彼の恋の行方はどうなるのか。ぜひ手にとって確かめてみてください!

口コミ

TBS Podcastのぶくぶくラジオ(2024年2月23日)にて紹介され、読みました。
魚豊さんの作品は『チ。』『ひゃくえむ。』など好きな作品ばかりで、今回のも期待どおり面白かったです✨
チ。は、真理を命懸けで追い求める物語でしたが、今回のは真理とは真逆の陰謀論にハマってしまう、振り回されてしまう話で、2巻も楽しみです。
主人公の渡辺は、コミュ力や、教養、周りに相談できるような人、友達など満足に得られないまま大人になってしまった。
これは、渡辺が努力してこなかったせいだというという自己責任論で片付けることもできるが、それは正しいことなのか。
飯山さんとの対比も見ていて辛く考えさせられる話だった。
頑張れないのではなく、正しい頑張り方、良い努力の仕方を学ばないと、渡辺以外の誰でもこうなってしまうかもしれない。
どこかそう思いながら読んでるから、むず痒くなるというか心苦しくなるんだろうなと思った。

読めるアプリ
ピッコマ、LINEマンガ、マンガワン、その他

 『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』を読む 

 

「ひゃくえむ。」講談社(2018年)

その一瞬のためなら、何度でも人生棒にふれる

あらすじ
俺はトガシ。生まれつき足が速かった。だから、100m走は全国1位だった。「友達」も「居場所」も、”それ”で手に入れた。しかし小6の秋、初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった。本気の高揚と昂奮を──。100mの全力疾走。時間にすれば十数秒。だがそこには、人生全てを懸けるだけの”熱”があった。
参照:https://booklive.jp/product/index/title_id/60014066/vol_no/001

おすすめポイント

『ひゃくえむ。』は陸上競技をテーマにした青春スポーツ漫画で、マガジンポケット(講談社)で連載されていた作品です。

物語は、他の人よりも圧倒的に足が速い小学生・トガシが根暗な転校生・小宮と交流をもつところから動き出します。100メートル走を人より早く走ることができれば自分の世界を変えられると小宮に伝えたトガシは、早く走るコツも教えるように。そこから小宮はぐんぐんと成長していきます。そこから天才のトガシと努力する凡才の小宮、この2人の長い長い真剣勝負が始まるのです。

レースシーンの緊迫感や臨場感もさることながら、キャラクターたちの苦悩や葛藤などの心情がかなりリアルに描かれています。特に元々才能のあったトガシは走ることだけが自分の価値を示す手段となっており、常に勝者であるからこそ常に敗北の恐怖に怯えるように。執念じみた努力を重ねる小宮と真剣勝負した中学時代には、小宮が怪我に倒れたため勝利したものの実際は敗北したと感じます。自身が走ることを教えた人間に抜かれることへの恐怖がありありと伝わってくるのです。

ただ、挫折を繰り返しながらも何度も立ち上がるのがこの作品の一番の魅力。敗北しても、惰性の毎日になっても、再び心を燃やすトガシの姿に心打たれます。

『ひゃくえむ。』は、陸上漫画ではありますが、人としての在り方や人生観の方がよりメインに描かれた作品。うまくいかなくても、真っ直ぐに走り続けることの大切さが描かれています。

熱く沸る気持ちにさせてくれる作品なので、スポーツや仕事などに打ち込んでいきたい方にぜひ手に取ってほしい一冊です!

口コミ

流石の構成
チ。で話題の魚豊先生の前作。印象的なカットの構成が上手く、登場人物の情動を表現するのが上手い。開始3ページで引き付けられる凄さ。

受賞歴
🏆週刊少年マガジン97回新人漫画賞 特別奨励賞

メディア化情報
🎥2025年劇場版アニメ放映予定

読めるアプリ
マガジンポケット、ピッコマ、マンガBANG!、その他

 『ひゃくえむ。』を読む 

 

『佳作』講談社(2017年)

魚豊の魅力が詰まった特別読み切り


参照:https://bigcomicbros.net/72240/

おすすめポイント

『佳作』は週刊少年マガジン新人漫画賞で入選した読み切り作品で、テニス部の高校生を描いた作品です。

テニスの才能があった主人公・村岡ですが、途中から入部してきたより才のある人間・昴にすぐに追いつかれ、持つ者と持たざる者の違いを突きつけられることになります。部員や監督にも早々に期待され応援される昴と違い、テニスしかない主人公は自身が持たざる者であることに絶望するのです。そして昴が入部して1ヶ月、村岡は彼と試合をすることになります。

この読み切りに、魚豊さんの魅力がぎゅっと詰まっている作品。

わずか50ページほどですが、良くも悪くも非常に心揺さぶられる物語に仕上げられています。

人間くささが感じられるような心理描写が繊細に描かれており、苦しいような、だけど希望も感じられるようななんとも言えない複雑な読後感を味わうことができます。

2024年7月現在、マガジンポケットにて特別読み切りが無料で掲載されているので、試合の結末はぜひご自身の目で確かめてみてください!

受賞歴
🏆第98回新人漫画賞 受賞

 『佳作』を読む

 

漫画家・魚豊さん まとめ

ここまで魚豊さんの人物像、作風、代表作などをご紹介してきましたが、いかがでしたでしょうか。

魚豊さんは、深いテーマと緻密な描写で多くの読者を魅了する漫画家です。

彼の代表作である『チ。―地球の運動について―』『ようこそ!FACT(東京S区第二支部)へ』そして『ひゃくえむ。』などはそれぞれ独自の世界観とメッセージを持ち、多様なジャンルで高く評価されています。

2024年には『チ。―地球の運動について―』のアニメ化も控えており、これからが非常に楽しみ。まだまだ若い漫画家さんなので、今後の動向も要チェックです!

一癖も二癖もある作品に強く心揺さぶられたい方は、ぜひ魚豊さんの作品を読んでみてください!

 

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それでは素敵な漫画ライフを!

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