タブレットひとつでどこでも好きな本が読める利便性から、電子書籍を愛用している人も多いでしょう。しかし、紙の本と比べて、電子書籍は記憶が定着しにくいのでは…?と不安になったことはありませんか。
結論からいうと、紙の本に比べて、電子書籍の読書では記憶の定着率は低くなってしまいます。しかし工夫次第で、電子書籍での読書でも記憶に残りやすくすることができます。
そこで今回は、電子書籍と紙のメリットや電子書籍が記憶に残りにくい要因、電子書籍の読書で記憶を定着させる方法について紹介します。
この記事を読んで、ぜひ自分に合った読書の方法を見つけましょう!
また以下の記事では、数ある電子書籍ストアからオススメのストアを紹介しています。電子書籍ストアでお悩みの方はぜひチェックしてみてください👇
電子書籍と紙の本それぞれのメリットを比較
電子書籍と紙の本にはそれぞれのメリットがあります。以下の比較を参考にして、自分に合った方法で読書を楽しみましょう!ここでは、それぞれのメリットを詳しく解説します。
〈電子書籍と紙の本のメリット〉
電子書籍 |
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紙の本 |
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電子書籍のメリット
電子書籍の強みは「手軽さ」です。いつでも好きな時に本を読みたい方や、本の保管をするのが大変な方にオススメです!以下の3つの主なメリットを紹介します。
- すぐに購入して読める
- 何冊でも気軽に持ち運べる
- 保管場所を取らない
1)すぐに購入して読める
電子書籍は買いたい時にすぐに購入でき、自分の読みたいタイミングで読めるのが大きなメリットです。
紙の本であれば、まず書店に行く必要があります。書店に行っても、必ず在庫があるとは限りません。しかし電子書籍には在庫切れがなく、購入後にダウンロードをしたらすぐに読めます。
2)何冊でも気軽に持ち運べる
電子書籍はスマホやタブレットを1台持ち歩くだけで、どこでも本を読めます。
外出先で数冊の本を読みたい時や、重たい辞典などを持ち歩きたい時は、紙の本だと重くて不便ですよね。しかし、電子書籍であれば端末1台で何冊でも気軽に持ち運び、好きな本を読めます。
3)保管場所を取らない
保管場所を取らない点も、電子書籍の大きなメリットです。巻数の多いマンガや小説などは、保管するのに場所をとってしまいます。
電子書籍なら、端末1台分に収まるので、収納場所を気にせず購入できます。本を買う時に収納場所を考えたり、本が増えて売ったりする手間も省けますね!
以下の記事では、電子書籍のメリット・デメリットを詳しく解説しているので、気になる方はぜひ参考にしてみてください👇
>>【電子書籍のメリット・デメリット】紙の本と比較した結論!どっちが良いの?
紙の本のメリット
紙の本には、主に以下の3つのメリットがあります。
- 手元に残る
- 読書に集中できる
- 記憶に残りやすい
本を集めて持っておきたい方や、本の内容をしっかりと頭に入れたい方にオススメです。
1)手元に残る
紙の本は、書籍を手元に残せます。電子書籍の場合は、サービス終了などの不具合があった時にデータが消えてしまう可能性があります。
しかし紙の本にはその心配はなく、誰かに貸したり、売ったりすることも可能です。マンガや小説のシリーズを集めて、本棚に並べるインテリアとしての楽しみ方もできます。
2)読書に集中できる
紙の本は電子書籍とは違い、通知やデバイスの不具合に邪魔されず、読書に集中できます。
電子書籍は読書中に通知が来たり、Wi-Fiの電波が悪いとアプリの動作が止まってしまったりすることがあります。しかし紙の本であればその心配がありません。
3)記憶に残りやすい
電子書籍より、紙の本の方が記憶が定着しやすいとされています。電子書籍は、気軽に読める反面、内容が頭に残りづらいようです。
紙の本であれば、ページをめくったり、重要な部分に手で線を引いたりすることで、より記憶に残りやすくなります。
では電子書籍は本当に記憶に残りづらいのでしょうか?
研究結果から考察!電子書籍の読書は、記憶に残りにくいのか?
紙の本と比べて、電子書籍での読書は記憶に残りづらいと言われています。
紙の本と電子書籍の大きな違いは、「電子端末を使うか使わないか」です。その電子端末が、記憶の定着に大きく影響しています。この章では、研究結果をもとに以下の3つの理由を解説します!
- 電子書籍は「短期記憶」に向いている
- 電子書籍の読書後は睡眠の質が下がる
- 電子書籍はページをめくる感触が低い
理由①:電子書籍は「短期記憶」に向いている
記憶には「短期記憶」と「長期記憶」があり、タブレットなどの電子端末での学習は短期記憶、紙媒体での学習は長期記憶に向いています。
Jan Noyesらの研究によると、電子端末と紙媒体では記憶する方法が違うことがわかりました。モニターを使って記憶した場合は、一度に多くの情報を得られ、短期的な学習に向いています。
一方、紙媒体は長期的に「覚える」ことに向いているのです。(VDT versus paper-based text: reply to Mayes, Sims and Koonceより)。この研究ではモニターを使っているので、タブレットやスマートフォンでは異なる可能性もあります。
また紙媒体と電子端末を比較した別の研究では、「文章理解のしやすさではタブレットよりも紙媒体に優位性がある」と結論づけられています(2012年 情報処理学会研究報告『表示媒体が文章理解と記憶に及ぼす影響ー電子書籍端末と紙媒体の比較』より)。
つまり、文章を深く理解するには、紙の本の方が向いているということです。
上記の理由から、雑誌や漫画などは電子書籍、参考書やビジネス書などは紙の本の方がオススメです。
理由②:電子書籍の読書後は睡眠の質が下がる
就寝前に、電子書籍を含む電子端末を使うと睡眠の質が下がると報告されています。
ハーバード大学の医学部チームの研究によると、紙の本と比べて電子書籍を読んだ後は、睡眠の質が悪く、疲れた状態になることがわかりました(E-books ‘damage sleep and health,’ doctors warnより)。
電子端末からは「ブルーライト」というエネルギーの強い光が出ています。このブルーライトを浴びると、脳が「朝」と判断し、体内時計が狂ってしまいます。その結果、寝つきが悪くなったり、睡眠の質が落ちてしまうのです。
記憶は寝ている間に脳内で整理されるため、睡眠不足は記憶力の低下を招きます。
理由③:電子書籍はページをめくる感触が低い
電子書籍は紙をめくる作業がないため、物語の展開を覚えにくいとされています。
研究によると、紙をめくる触覚と、タブレットの画面をスクロールする触覚では、記憶に残る度合いが異なるそうです。
ページをめくることで、「この展開がこのページにあった」と記憶できます。ページをめくる作業は視覚に加え、触覚を使うため、より記憶に残りやすいのです。
またこの研究では、紙の本を読んだ人より、タブレットを使った人の方が、物語を正しい順序で並べ替えるのが難しいことがわかりました。
タブレットは簡単にスクロールできるため、感覚でページをめくれます。そのため、あまり頭に残らず、物語の展開を覚えにくくなるのです(Readers absorb less on Kindles than on paper, study findsより)。
電子書籍が記憶に残りにくい要因3つ
電子書籍には記憶に残りにくい要因が3つあります。その要因を知ることで、電子書籍のよりよい活用法を検討できます。電子書籍が記憶に残りにくい以下の3つの要因を抑えておきましょう!
- アプリなどの通知で集中できない
- 購入した感覚を持ちにくく読書への意欲が薄くなる
- 読んだという錯覚に陥りやすい
アプリなどの通知で集中できない
電子端末にはさまざまなアプリが入っており、簡単に他のアプリを開けます。
読書中にアプリの通知が入ると、集中力が切れてしまうことも。読書中にメッセージの通知を受け取ったら、気になってメッセージアプリを開くこともあるでしょう。
読書を妨げないためには、通知をOFFにするか、専用端末をもつといいでしょう。
購入した感覚を持ちにくく読書への意欲が薄くなる
電子書籍はオンライン決済で簡単に購入できることが特徴です。その反面、書店に行って購入するのと比べ、お金を払った感覚が薄くなってしまいます。
現金で払わないことと、商品が手元に届かないことから、「自分のお金で買った」という意識が薄くなってしまいやすいのです。そうすると、読書へのモチベーションが下がったり、集中力が低くなったりして、記憶に残りづらくなります。
読んだという錯覚に陥りやすい
電子書籍は画面をスクロールして、スイスイ読み進められるため、「たくさん読んだ」という錯覚に陥りやすい傾向があります。
読んだという思い込みから、集中する時間が短くなります。「画面を見ている時間=集中している時間」ではありません。たくさん読んだつもりでも、すべて頭に残っているわけではないのです。
また、読むスピードが早いと、頭にしっかりと入らずに次へ次へと読み進めてしまう可能性もあります。
電子書籍の読書で記憶を定着させるには?
電子書籍は記憶に残りづらいとしても、多くのメリットがある電子書籍を使いたい人も多いでしょう。ここでは電子書籍の読書で記憶を定着させる方法を紹介します!
- アプリの通知をオフにする
- 寝る1時間前に電子書籍で読書をしない
- 電子書籍の「音声読み上げ機能」を利用する
- 電子書籍の機能をフル活用する
- 電子書籍での読書時間を決めておく
記憶定着法①:アプリの通知をオフにする
まず電子書籍を読むときは、他のアプリの通知をオフにしておきましょう。アプリの通知は読書の妨げになるからです。断続的に集中力が切れると、内容が頭に残りにくくなります。
読書に集中するために、通知をオフにしておくか、読書専用の端末を用意しましょう。どうしても必要な通知がある場合は、一括で通知をオフにするのではなく、アプリ別に通知をオフにすることも可能です。
記憶定着法②:寝る1時間前に電子書籍で読書をしない
寝る直前に電子書籍を使用すると、睡眠の質が下がるとお伝えしました。
記憶の定着には質のよい睡眠が欠かせません。睡眠の質を確保するためにも、寝る1時間前は電子書籍での読書は避けましょう。電子端末から出る「ブルーライト」が寝つきを悪くしたり、睡眠の質を下げてしまったりするからです。
どうしても寝る前に本を読みたい方は、紙の本にする、またはブルーライトカットのメガネをかけるなどの工夫をしましょう。
記憶定着法③:電子書籍の「音声読み上げ機能」を利用する
最近は電子書籍の「読み上げ機能」が普及しています。「オーディオブック」と呼ばれ、ラジオのような手軽さと、移動中も使える利便性が特徴です。
目からの情報だけでなく、耳からの情報を得られることで理解力も深まります。たとえば、一度読んだ本を、今度はオーディオブックで読み返すのもいいでしょう。
目が疲れてしまった時や、就寝前でブルーライトを浴びたくない時にもオススメです。
オーディオブックについては以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてください👇
>>【徹底比較!】オーディオブックのオススメは?主要3社をランキング形式で一挙紹介!
記憶定着法④:電子書籍の機能をフル活用する
電子書籍には、アンダーラインを引く機能やコメントの書き込み機能がついています。これらの機能を活用することで、ただ読むより記憶に残りやすくなります。
「付箋をつける」「書き込みをする」「人に話す」などアウトプットによって人の記憶は定着するものです。書き込み機能をフル活用してアウトプットを加えることで、記憶に残りやすくなります。
あとで読み返した時も、書き込んだコメントやアンダーラインを見れば思い出しやすくなります。電子書籍の機能を活用して、記憶を定着させるための工夫をしましょう。
記憶定着法⑤:電子書籍での読書時間を決めておく
電子書籍の読書では、「読んだ」という思い込みから集中する時間が短くなってしまうので、あらかじめ読書時間を決めましょう。時間制限によるプレッシャーがあると、記憶に残りやすいからです。
だらだらと読むと、集中する時間も短くなり、内容が頭に残りづらくなります。タイマーなどを使って、読書時間を決めることで、その時間にしっかりと集中できます。
工夫をすれば電子書籍でも記憶に残る読書ができる!
電子端末の性質から、電子書籍は紙の本に比べて記憶に残りにくいです。記憶の定着という点では、視覚と触覚を使う紙の本には劣ってしまいます。
しかし、電子書籍には紙の本にはない機能があり、その機能をフル活用することで、記憶の定着率を上げられます。寝る前は電子書籍で本を読まないなどの工夫が重要です。
参考書や論文などしっかりと頭に残したい場合は、紙の本がオススメです。逆に、漫画や雑誌などは、サラッと読める電子書籍が向いています。目的に合わせて、読書のツールを変えてみるといいでしょう。
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それでは素敵な電子書籍ライフを!
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