【激選】日本の名作!スタジオジブリ映画おすすめ25選をテーマ別で徹底紹介!

ジブリのアイキャッチ

最近アニメの人気がすごいことになっている!このように感じているのは私だけではないはずです。アニメの内容そのものだけでなく、主題歌を担当した歌手や、近頃は役を務めた声優さんまでもがメディアに露出する機会が増えていますよね。それほど今アニメはキテるんです!でも、アニメってずっと昔からあったのになぜ今人気になってきているのでしょうか。それはVODの浸透、昨今のコロナ化でステイホームを余儀なくされたこの時代の変化に合わせて、誰もが以前よりも簡単に手を出せるようになったのが1つの理由かもしれませんね。

そんな激戦の時代の中、長い間日本のアニメ界の中でその人気と地位を不動のもとして確立してきたのが「スタジオジブリ」です。日本人でこの名前を知らないという人はいないのではないでしょうか?そこまで詳しくない人でも、1つや2つくらい作品は観たことがあるのでは?というくらいには名実ともに日本一のアニメーションスタジオと言えますね!!

1つや2つ?足りません!まだまだ、まだまだジブリにはいい作品がたくさんあるのです!というわけで今回はそんなジブリの名作たちを紹介していきたいと思います!

 

そもそもジブリってなに?

ジブリのロゴ

引用:https://www.ghibli.jp/

まず初めに、「ジブリ」って何?って人がいらっしゃるかもしれないので少しだけ紹介したいと思います。

「ジブリ」とは1985年に発足(正式な独立は2005年)した、東京都小金井市にあるアニメ制作会社「スタジオジブリ」の通称です。そこで制作されるアニメ映画作品をまとめて「ジブリ映画」と呼びます。名匠、宮崎駿氏や高畑勲氏を中心に数多くの名作を世に生み出してきました。

最近では、最新作「アーヤと魔女」がコロナの影響を受けつつも延期を経て無事公開。2022年3月より始まった舞台「千と千尋の神隠し」はチケット即完売の大盛況と今でもその人気は衰えません!

 

 

なぜジブリは人気?

大人気のジブリということですが、他にも数多くの長編アニメ映画が生み出されているアニメ大国の日本で、ジブリはなぜ長い間愛され続けているのでしょうか。

それはジブリ作品が持つ「魔法」に理由があるのだと筆者は確信しています!

せわしなく返歌している世界の中で、時々自分には幸せが足りていない、生きていても楽しくない、あるいはそれなりにいい人生だけど、何か満たされないなあ。と、多くの皆さんが時々感じているのではないでしょうか?

そんな心身共に疲れ切った皆さんの心を癒す力を持っているのがジブリなのです!忘れかけていた子供時代の楽しみを思い出せる。何かに打ち込んだ青春時代を思い出せる。大人の世界に揉まれて疲れたから、ファンタジーに現実逃避しよう!ジブリは誰しもがその心のやるせなさを癒しにくるところ。そしてそれを癒してしまうものこそ、私がいうジブリの持つ「魔法」なのです!

「魔法」はもちろんのこと、映画作品としての出来も最高といえるジブリ作品は以下のような名だたる映画賞を受賞してきました。

  • 文化庁優秀映画製作奨励賞
  • 平成16年度文化庁メディア芸術祭アニメーション部門・優秀賞
  • 第13回日本アカデミー賞話題賞
  • 第25回日本アカデミー賞最優秀作品賞、会長功労賞、協会特別賞
  • 第30回アニー賞、作品賞、監督賞、脚本賞、音楽賞
  • 第75回アカデミー賞長編アニメーション映画賞

など、他にも日本だけでなく世界各地の映画祭にて賞を得るなど、あらゆる人の心に響く作品が数多く生まれてきました。

ジブリがいかに人気であるかは一目瞭然です。

 

 

テーマ別!スタジオジブリのおすすめ映画

さあいよいよ本題です!皆さんの心の癒しとなるジブリ作品、今回は短編も含め計25作品を5つのテーマに分けて紹介していきます!

テーマ別というよりも世代別?目的別?

ジブリ通であるわたしのランキングやおすすめポイントは少々独特ですので、皆さんの心の気分に合わせて、観る作品をチョイスしてくださいね!各作品、物語で印象的だったとなる名言を添え、ジブリはじめましての初心者から、今までジブリを嗜んできた上級者まで、色々な人に知って欲しいジブリの魅力を紹介していきます!

目次 

  • 冒険ジブリ・5選
  • こどもジブリ・5選
  • 青春ジブリ・5選
  • 大人ジブリ・5選
  • 感動ジブリ・5選

それでは早速、冒険ジブリから参りましょう!

 

 

冒険ジブリ5選

わくわくドキドキな冒険をしたいあなたへ

ジブリの王道といえば手に汗握る冒険ファンタジー。BEST5を紹介していきます!

 

1位『風の谷のナウシカ』(1984)

「こんなに世界は美しいのに。こんなに世界は輝いているのに。(ナウシカ)」

風の谷のナウシカ

(参照:風の谷のナウシカ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:安田成美「風の谷のナウシカ」
  • 声優:島本須美(ナウシカ)・松田洋治(アスベル)・納谷悟朗(ユパ)・榊原良子(クシャナ)
  • 興行収入:7億4000万円
  • 1984年3月11日公開

あらすじ
舞台は「火の7日間」といわれる最終戦争で現代文明が滅び去った1000年後の地球。風の谷に暮らすナウシカは、「風の谷」に暮らしながら、人々が忌み嫌う巨大な蟲・王蟲(オーム)とも心を通わせ、有害な瘴気覆われ巨大な蟲たちの住む森「腐海」の謎を解き明かそうとしていた。そんなある日、「風の谷」に巨大な輸送機が墜落、ほどなく西方のトルメキア王国の軍隊が侵攻してくる。墜落した輸送機の積荷は、「火の7日間」で世界を焼き尽くしたという最終兵器「巨神兵」であった。そして、少女ナウシカの愛が奇跡を呼ぶ…。(参照:Amazon.co.jp | 風の谷のナウシカ [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

 おすすめポイント:原点にして頂点!ジブリの冒険ファンタジーといえばこれ!

まずなんといってもジブリといえば冒険ファンタジーでしょう。激戦のジブリ冒険ものの中、1位として紹介させていただくのは1984年公開、宮崎駿氏のジブリの歴史が幕を開ける名作「風の谷のナウシカ」です。知る人ぞ知る話ですが、実は「風の谷のナウシカ」はジブリの前進のトップクラフトという会社で制作されているため、正確に言えばジブリ作品ではないのです。でも、この作品の成功を機に「スタジオジブリ」が出来上がるので、この世に「となりのトトロ」や「千と千尋の神隠し」などの名作が誕生したのは「風の谷のナウシカ」がおもしろかったからといってもいいのかもしれません。舞台は世界規模の核戦争によりすたれてしまった地球。そこでは、巨大化した蟲がうごめき、有毒な瘴気を吐き出す植物が生い茂る、未だ謎に満ちた世界「腐海」が広がっていました。ある日、そんな世界にある小国「風の谷」に大国トルメキアの戦艦が墜落すると、、、といった具合に物語が始まります。開始早々から終末世界と人類の危機という、、、これはファンタジーの予感ですね。主人公は「風の谷」の族長のひとり娘のナウシカです。この女の子、かなりすごいんです。なんといえばよいか、相応しい言葉が見つかりませんが、とにかくすごい。16歳にもかかわらず、勇敢で、谷の人だけでなく、隣国の人、蟲たち、ひいては植物にまでも優しい。芯の通った女性といったところでしょうか。この世界を愛し、この世界の美しさを守りたいという決意。美貌なんてもんじゃないです。この作品を観た暁には老若男女問わず、ナウシカにほれぼれしてしまうことでしょう。そんなナウシカが、この「腐海」に訪れる危機に立ち向かう姿、アツくなります。ちなみにわたしが一番ハラハラドキドキした大好きなシーンといえば、ちび王蟲(オーム)のために、ナウシカが果敢に、、、っと、気になる方は、ぜひ1度ご覧あれ!

  『風の谷のナウシカ』  

 

 

おすすめ著書: コミックス「風の谷のナウシカ」

コミックス「風の谷のナウシカ」

(参照:風の谷のナウシカ 全7巻箱入りセット「トルメキア戦役バージョン」 | 宮崎 駿 |本 | 通販 | Amazon

さてさて、すでに作品を見ているよという方のために、ジブリ通の筆者が一作品ごとにおすすめの著書や、豆知識、制作裏話などを紹介してみようかと思います。これからジブリファンを名乗りたいあなたは外せないですよ!ということで早速ですが「風の谷のナウシカ」にでてくる、王蟲の正体はご存じですか?実は映画では全く明かされない王蟲誕生の歴史があるんです。それを知れるのが全7巻からなるコミックス版の「風の谷のナウシカ」。「風の谷のナウシカ」はもともと映画になる前は、徳間書店のアニメ情報誌「アニメージュ」誌上にて連載していた作品なのです。映画だけではわからない裏設定やストーリー。これを読んだ後にもう一度映画を見ると、それがまた各段に面白いのです。

 

2位『ゲド戦記』(2006)

「命を大切にしないやつなんか大っ嫌いだ。(テヌー)」

ゲド戦記

(参照:ゲド戦記 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎吾郎
  • 代表曲:手嶌葵「テルーの唄」
  • 声優:岡田准一(アレン)・手嶌葵(テルー)・菅原文太(ハイタカ)・田中裕子(クモ)
  • 興行収入:78億4000万円
  • 2006年7月29日公開

あらすじ
西海域の果てに棲む竜が、突如、人間の世界に現れた。そして、それと呼応するかのように、各地で作物が枯れ、家畜が倒れていく。世界の均衡が崩れつつあった。災いの源を探るゲドは、旅の途中、国を捨てた王子アレンに出会う。心に闇を持つ少年は、得体の知れない“影”に追われていた。二人は、都城ホート・タウンにたどり着く。そこでは、人身売買が行われ、麻薬が蔓延し、売っている物はまがい物ばかり。表面的には陽気で騒々しかったが、行き交う顔からは実在感が失われていた。街をさまようアレンは、謎の少女テルーを人狩りの手から救い出すが、彼女は少年を拒絶する。――世界に兆す災いの背後には、クモと呼ばれる男がいた。“死ぬこと”を誰よりも怖れるその男は、かつてゲドと戦い、そして敗れた大魔法使いだった。(参照:Amazon.co.jp | ゲド戦記 [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎吾朗

 おすすめポイント:自分との決別。生と死、光と影、人間が生きるということとは?

若い頃、得体の知れない不安に押しつぶされそうになって自分を見失い、自分自身をコントロールできなくなってしまう。そんな多感な時期は誰しも通る道なのではないでしょうか?ある時両親に反抗してしまったり、あるいは将来への不安だったり、果たして自分は何者なのか?と自分に問いかけてみたことがある人も少なくないはず。かといって皆さんは冒頭のアレンのように他人にあたってはいけませんよ。代わりにジブリアニメでも見て気を紛らわすのがいいのでは?冗談はさておき、物語ではこの不安ややるせないという感情が、アレンの「影」としてつきまとう事になるのです。いつも影に追われているアレンはその恐怖から自分を見失ってしまいます。そんな中、かつて大賢人と呼ばれた伝説の魔法使いハイタカ、そして謎の少女テルーとの出会いを通してアレンにも変化が。でもこの「影」の正体、実は、、、という感じですが。影、うーん影といえば、その対になる概念がありますね。何だったかな?気になってしまう方、続きはどうぞご覧あれ!また、この作品では「命」あるいは「人間が生きるということ」がテーマになっています。作品序盤でのハイタカの言葉「あちこちで世界が不安定になっている。均衡が揺らいでいるんだ。」これはまさにこの人間の生活が崩壊に向かっていることが示唆されています。そのような世界において、作物の不作や家畜の病気の蔓延などによる飢饉。麻薬やまがいもの製品の流通など、善と悪の区別はなくなってしまいます。そして、かつてハイタカと歩んだ魔法使いのクモはそんな世界で永遠の命を求めアレンに接触します。アレンの長き旅路は果たしてどうなるのか。命とは、生きるとは、「ゲド戦記」は人間の本質に迫る「生と死」をとりまく大冒険となっています!

  『ゲド戦記』  

 

制作裏話:  古より語り継がれる逸話

「父親殺し」の物語は古く、古代ローマのオイディウスまで遡るほど歴史のある物語です。映画「ゲド戦記」でもアレンは父親を殺し、ゆく当てもなく旅に出るところから物語はスタート。この父親殺しのシーンについてですが、なんと原作のアーシュラ・K・ル=グヴィンの著作には存在しない設定であり、なんでも今作で初めて監督を務める宮崎駿氏の長男宮崎吾郎氏に対して、プロデューサーである鈴木敏夫氏が提案したとのこと。ジブリで数々の名作を生みだしてきた父からの脱却ではないですが、そのような思いが込められているのでは?とのことです。

 

3位『もののけ姫』(1997)

  「生きろ。そなたは美しい(アシタカ)」

もののけ姫

(参照:もののけ姫 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:米良美一「もののけ姫」
  • 声優:松田洋治(アシタカ)・石田ゆり子(サン、カヤ)・田中裕子(エボシ御前)・美輪明宏(モロの君)
  • 興行収入:201億8000万円
  • 1997年7月12日公開

あらすじ
中世・室町期の日本。いまだ人を寄せ付けぬ太古の深い森の中には、人語を解する巨大な山犬や猪などの神獣たちが潜み、聖域を侵す人間たちを襲って、荒ぶる神々として恐れられていた。エミシの末裔のアシタカは、人間への怒りと憎しみによってタタリ神と化した猪神に呪いをかけられ、それを解くために訪れた西の国で、数奇な運命に巻き込まれていく。森を切り開こうとするタタラ製鉄集団とその長エボシ御前、森を守る山犬一族、そして山犬に育てられた人間の少女サン。アシタカはその狭間で、自分が呪われた理由を知り……。(参照:Amazon.co.jp | もののけ姫 [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:人間と自然。共に生き、歩む道はないのか?現代にまでつづく問題に触れる大冒険!

最近何かと話題のSDGs。持続可能な開発というやつですね。そんな人類の未来にかかわる環境問題について?というと現実味を帯びてしまうのでやめましょうか。しきりなおして、人間と自然、太古より共生してきたこの2つの世界ですが、文明の発達とともに人間は山を捨て、都市に生活の場を移しました。そしていつしかその山を傷つけ、気が付いたころにはもう手遅れというような状態です。もし今わたしたちが傷つけているこの自然、野山に神がいるならば、わたしたちはどうなってしまうのでしょうか。ばちがあたったりして?「もののけ姫」ではこのような人間の自己中心的な行為に対しての、自然の恨みや、怒りが「祟り」となって人間に襲い掛かります。ある日主人公であるアシタカは山よりあらわれた「祟り神」に襲撃をうけ、呪いをもらうことに。なぜ「祟り神」は生まれたのか、その謎を説くため、「祟り神」がいたとされる深い深い森を目指すのです。そこでアシタカは、山を侵略し生活をしているエボシ御前ひきいるタタラ場に到着します。この旅を通して、人間と自然の対立、自分が受けた呪いの真実を知ることに。そんな中、山犬に育てられた人間の少女・サンと出会います。自然界に生きる人間として、タタラ場の民を嫌うサン。その対立は人間と自然の戦争を生み出します。人間により殺されゆく自然とともに、サンも死んでいってしまうのか。そして戦争の裏では命をつかさどる森の神「シシ神」を殺そうとする動きが。自然と人間をとりまく手に汗握る大冒険「もののけ姫」をぜひ!

  『もののけ姫』  

 

豆知識: シシ神の森の舞台は?

シシ神の森

(参照:屋久島の白谷雲水峡の写真素材 – ぱくたそ (pakutaso.com)

アシタカが呪いの真実を知るために訪れる森、通称「シシ神の森」ですが、舞台となったのは鹿児島県にある日本の名景勝地・屋久島の白谷雲水峡。アシタカの村の老巫女であるヒイ様が言っていたように「シシ神の森」は古くより生い茂る「人をよせつけぬ深い森」でなくてはいけないので、そんじょそこらの森林では全く物足りないと、メインスタッフ総出で現地を訪れたのだとか。なるほど太古の昔からある「シシ神の森」は、実際太古の昔からある縄文杉(樹齢1000年から4000年)の生い茂る森を描いたのか。そりゃあれだけ神秘的になるわけですよ!

 

4位『On your mark』(1995)

 「On Your Mark 僕らがそれでも止めないのは 夢の斜面見上げて 行けそうな気がするから」

『On your mark』

(参照:On Your Mark – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌: CHAGE&ASKA「On Your Mark」
  • 声優:-
  • 興行収入:-
  • 1995年7月15日公開

あらすじ:‐

おすすめポイント:ジブリ史上初であり、最後となったミュージックビデオの短編。短いながら歌詞にマッチしたストーリーが魅力。

ジブリ冒険シリーズ第4位として短編作品のご紹介です。大人気の男性2人によるデュオCHAGE&ASKAの15周年を記念して、彼らの曲にあわせたアニメーションが制作されました。実はこの「On Your Mark」ですが、ジブリファンの間では知る人ぞ知る大人気作品なんです。舞台は近未来都市。地上はすたれ、まさに近未来都市といったらでてくるような、空を飛ぶ車や大きなビルで囲まれた摩天楼。ちょっとSFっぽい世界観がまずこの作品の見どころとしてあげられますね。そんな世界ではある宗教団体が天使の少女をとらえ何か実験をしています。そこに、その少女を助けに乗り込もうと決心する2人の警察官。この2人はもちろんCHAGE&ASKAの2人をイメージして描かれています。この作品の一番特徴として、6分37秒という短さの中で何度もシーンがさかのぼり、違う未来、正しい選択をした未来が描かれてゆきます。人生の分かれ道、どっちに進めばいいか迷ってしまう。果たして自分にとって何をするのが正しいのか。そんな時は「On Your Mark」を見ると将来に向けて頑張るあなたを奮い立たせてくれること間違いなしです。とらわれた天使の少女はもう一度羽ばたくことができるのでしょうか?

近未来大都会の中で繰り広げられるCHAGE&ASKA警官2人による、壮大な天使の少女救出作戦は必見です!

  『On your mark』  

 

おすすめ作品:宮崎駿の名作「ルパン三世 カリオストロの城」

名作「ルパン三世 カリオストロの城」

(参照:Amazon | ルパン三世 カリオストロの城 [DVD] | アニメ

「On Your Mark」を見終えた皆さん、二枚目警官2人による少女の救出劇に盛り上がった皆さん、こういう作品を長編で観たくなってきたところですよね?ということで、ご用意しました。今回紹介するのはジブリ創設以前、宮崎駿の初監督作品である「ルパン三世 カリオストロの城」です。ルパンです。宮崎駿氏がルパンを描いてます。次元大介や石川五ェ門、銭形警部などのおなじみキャラも登場。こちらもなんやかんやで追われる身となってしまった少女クラリスの救出劇ということで、終始ハラハラドキドキの展開となっています!

 

5位『天空の城ラピュタ』(1986)

「君が空から降りてきたとき、ドキドキしたんだ。きっと、素敵なことが始まったんだって(パズー)」 

『天空の城ラピュタ』

(参照:天空の城ラピュタ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:井上あずみ「君をのせて」
  • 声優:田中真弓(パズー)・横沢啓子(シータ)・初井言榮(マ=ドーラ)・寺田農(ムスカ)
  • 興行収入:11億6000万円
  • 1986年8月2日公開

あらすじ
空に浮かぶ伝説の島、ラピュタを発見したものの、人々に信じてもらえないまま亡くなった父を持つ、見習い機械工のパズー。彼はある日、空から落ちてきた少女シータと出会う。彼女は胸に青く光る石のペンダントを身につけていた。実は、彼女はラピュタの王位継承者であり、そのペンダントこそが空に浮かぶ力を持つ“飛行石”だったのだ。ところが、二人はラピュタを捜索している国防軍に捕まってしまい、シータを残してパズーだけが釈放されることに。彼は、同じく飛行石を手に入れようとしていた空中海賊ドーラ一味の協力を得て、シータを国防軍の手から救い出す。そして、とうとう伝説の島ラピュタと遭遇することになるが……。(参照:Amazon.co.jp | 天空の城ラピュタ [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿)

おすすめポイント: これぞ冒険!未知の空中都市ラピュタに秘められた謎。パズーはマジで男前です。

冒険ジブリの最後5位として紹介するのは1986年公開の「天空の城ラピュタ」。クセの強い筆者のせいで5位にさせられてしまいましたが、この作品がジブリの中で1番好きという人もたくさんいるくらい大人気の作品です。金曜ロードショーのたびに、某SNSアプリでは呪文の言葉「バルス!」が誤用(悪用?)されまくるほど、何かと有名な作品です。冒険具合で言ったらジブリ1位といってもいいかもしれません。みんなが惚れるヒロインがナウシカならば、その男の子バージョンは勇敢でマメで、かつ優しい男、パズーなのではないでしょうか。炭鉱で働くこの少年は、父が発見したとされる未知の空中都市ラピュタを追い求めていました。誰も信じてくれないラピュタの存在。しかし、父を信じ、いつの日かその存在を証明しようと夢見て日々飛行機を作るパズー。そんなある日、空からひとりの少女シータが降りてきたのです。どういう状況?といった所ですが、「父が見つけたという空中都市」「空から降ってきた少女」。整いました。完全にピースは揃いましたね!そしてこの少女のペンダントにある秘密こそがカギとなり、ラピュタを探す冒険が始まるのです!1番好きなシーンといえば、、、「天空の城ラピュタ」は名シーンが多すぎて選びきれないです(笑)わたしもパズーみたいな男前になりたいなということで、とりあえず朝起きて屋根に上りトランペット吹いて、鳩に餌やりから始めようかと。

  『天空の城ラピュタ』  

おすすめ著書:「ジブリの食卓 アーヤと魔女」

「ジブリの食卓 アーヤと魔女」

(参照:子どもりょうり絵本 ジブリの食卓 アーヤと魔女 | スタジオジブリ, 主婦の友社,   |本 | 通販 | Amazon

ジブリの見どころのひとつ「まじでおいしそうなご飯」。ジブリを見るたびになぜか飯テロにあっている方も多いはず。「天空の城ラピュタ」ではパズーが作る目玉焼きのトーストが有名ですが、「千と千尋の神隠し」の出店の料理や、「魔女の宅急便」のニシンのパイなど、他にもおいしそうな料理がたくさん出てきますね。そして、満を持してというのでしょうか、2021年公開の「アーヤと魔女」において、ジブリ公式からレシピ本が出版されました。映画に出てくる「ジブリ飯」を是非ご家庭で。こうなったらジブリを観賞しながら、自作ジブリ飯を食べるのもいいかもしれませんね。

 

 

こどもジブリ5

 続いてご紹介していくのは、こどもジブリシリーズ。いまやジブリのマスコットとなっているあんなキャラやこんなキャラが登場します。ジブリ導入編として、小さいお子さんにはまずこの5作品から見ることをおすすめします!

 

1となりのトトロ』(1988)

 「夢だけど、夢じゃなかった!(メイ)」 

『となりのトトロ』

(参照:となりのトトロ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:井上あずみ「となりのトトロ」
  • 声優:日髙のり子(草壁さつき)・坂本千夏(草壁メイ)・糸井重里(草壁タツオ)・高木均(トトロ)
  • 興行収入:11億7000万円
  •   1988年4月16日公開

あらすじ
「そりゃスゴイ、お化け屋敷に住むのが父さんの夢だったんだ」と、こんなことを言うお父さんの娘が、小学六年生のサツキと四歳のメイ。このふたりが、大きな袋にどんぐりをいっぱいつめた、たぬきのようでフクロウのようで、クマのような、へんないきものに会います。ちょっと昔の森の中には、こんなへんないきものが、どうもいたらしいのです。でもよおく探せば、まだきっといる。見つからないのは、いないと思いこんでいるから。(参照:Amazon.co.jp | となりのトトロ [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:トトロはきっと今もどこかにいるんです!子どものときにだけあなたに訪れる不思議な出会い。

こどもジブリシリーズ第1位はやっぱり「となりのトトロ」です。つくづく、こどもの心ってほんとにすごいと思います。見えないものが見えたり、あるはずのない世界に行けたり。怖い意味じゃないですよ。なんというか、好奇心というか、この世界でふれるものひとつひとつが目新しくて神秘的で、感動的というのでしょうか。そんな頃に戻れたらこの世界はなんて楽しいんだろう。そういう気持ちになるのがこの作品です。山奥のぼろ屋敷に引っ越してきたサツキとメイ。まず2人が出会うのはススワタリ、通称まっくろくろすけ。すすです。大人からしたらただのすすです。でも彼女たちからしたらまっくろくろすけなんです(笑)。これが心を失うということなんでしょうか、良くも悪くも大人になるということですね。ちなみに子どもの夢を壊さず2人に合わせてくれる優しい紳士なパパの草壁タツオは理想の旦那として人気なんだとか。まあそれはいいとして、新居の庭を探検していたメイは、ある日庭の森の奥深くに迷い込んでしまいます。そして出会うのです。大きな大きなあいくるしい生き物、トトロに。そしてこの映画、かわいいだけじゃない、物語後半は病気の母にとうもころし(とうもろこし)を届けたいメイがまた迷子になって、、サツキが探して、みんなで探して、、、なんて感じで家族愛を描いたドラマチックな展開。最後はもちろんほっこりするエンドになっていますが、楽しさあり、感動あり、小さい子にもわかりやすい内容の名作です!是非お留守番の時に「となりのトトロ」を見せてあげてください。退屈なお留守番も、あっという間に時間が過ぎますよ!

  『となりのトトロ』  

 

おすすめ著書:「ととろの生まれたところ」

「ととろの生まれたところ」

(参照:トトロの生まれたところ | 宮崎 駿, スタジオジブリ |本 | 通販 | Amazon

ととろの生まれたところはところざわ。覚えやすいですね。「となりのトトロ」の舞台となったのは埼玉県は所沢。もうちょい言うと、所沢の奥のほう(狭山丘陵とか)で、たくさんの動植物に囲まれた自然豊かな町です。そのトトロのうまれたところについて、宮崎駿氏の奥さんであり、「トトロふるさと基金」の評議員もつとめる宮崎朱美氏(旧姓:大田)による、狭山丘陵にいきいきと生い茂る植物たちをスケッチを通して知ることができます。また、所沢への思いを語った宮崎駿監督自身のインタビューも収録。「となりのトトロ」の裏側が一目でわかる本になっています!

 

2位『崖の上のポニョ』(2008)

 「運命っていうのがあるんだよ。つらくても運命は変えられないんだよ(リサ)」

『崖の上のポニョ』     

(参照:崖の上のポニョ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ「崖の上のポニョ」・林正子「海のお母さん」
  • 声優:奈良柚莉愛(ポニョ)・土井洋輝(宗介)・山口智子(リサ)・長嶋一茂(耕一)・所ジョージ(フジモト)・天海祐希(グランマンマーレ)
  • 興行収入:155億円
  •  2008年7月19日公開

あらすじ
海辺の小さな町。崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、宗介に助けてもらったのだ。宗介のことを好きになるポニョ。宗介もポニョを好きになる。「ぼくが守ってあげるからね」しかし、かつて人間を辞め、海の住人となった父・フジモトによって、ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。人間になりたい! ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、再び宗介のいる人間の世界を目指す。危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、妹たちは巨大な水魚に変身して、宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。海の世界の混乱は、宗介たちが暮らす町をまるごと飲み込み、海の中へと沈めてしまう―。少年と少女、愛と責任、海と生命。(参照:Amazon.co.jp | 崖の上のポニョ [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

 おすすめポイント:宗介とリサ、ポニョとグランマーレ、母と子の関係に注目。

次にご紹介させていただくのは、公開当時あらゆるところで聴いては口ずさんだ藤岡藤巻と大橋のぞみによる「ポーニョ ポーニョ ポーニョさかなの子」の歌でおなじみ「崖の上のポニョ」です。いまやポニョもトトロに引けを取らないくらい人気のジブリのマスコットになりましたね。みんな大好きポニョですが、確かに小さくてぴょんぴょんしてて、とってもかわいいです。かわいいです。かわいいですが、今回この「崖の上のポニョ」のおすすめポイントとして紹介させていただくのは、そんなかわいいポニョと宗介のお話ではなく、それぞれの母親との関係です。まずこの作品でとても印象的、場合によっては違和感になるところとして、宗介が実の母であるリサのことを「リサ」と名前で呼んでいることについてです。これは家族であってもひとりの人間として自立すべきであるという考えから、名前呼びにしているということです。時には厳しく、時には優しく、時には友達のように、時には母親らしくふるまうリサの姿はとても魅力的です。一方ポニョにもお母さんがいて、それは海の女神さまであるグランマンマーレ。とてもおおらかで、包容力のある、まさに母なる海といったところでしょうか。基本的にはポニョの好きなようにさせてくれていますが、最後には母親として彼女の背中をおすことに。リサとグランマーレ、夫や子どもとのかかわり方はそれぞれですが、どちらもとても素敵な母親だと思います。最後の2人の会話のシーンは、地元で談笑してるママさんたちの会話のような感じがしてほっこり。この「崖の上のポニョ」はお母さんとお子さん2人で観ることをお勧めします!

  『崖の上のポニョ』  

 

おすすめ作品: CD「スタジオジブリの歌」

CD「スタジオジブリの歌」

(参照:Amazon | スタジオジブリの歌 -増補盤- | アニメ主題歌 | アニメ | ミュージック

公開当時ポニョの話題性をいっきに高めることになったのは、先述の藤岡藤巻と大橋のぞみによるエンディングソングであることは間違いないでしょう。また林正子による「海のお母さん」のオープニングも、母と子の物語のはじまり感があっていいものです。「崖の上のポニョ」の他にもジブリ作品は本当に名曲にあふれています。というわけで今回は各作品の紹介欄に代表曲をあげさせてもらっていますが、それらをなんと1枚で楽しむことができるCD「スタジオジブリの歌」の紹介です。ジブリが好きなら一家に一枚あってもいいかもしれません。家族みんなで歴代の名曲に耳を傾けながらドライブなんてのもいいかもしれませんね。くれぐれもテンション上がってリサのような荒い運転はしないように。

 

3位『魔女の宅急便』(1985)

 「キキ、そんなに形にこだわらないの。大事なのは気持ちよ(お母さん)」

    『魔女の宅急便』

(参照:魔女の宅急便 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:荒井由実「ルージュの伝言」「やさしさに包まれたなら」
  • 声優:高山みなみ(キキ、ウルスラ)・佐久間レイ(ジジ)・戸田恵子(おソノ)・山口勝平(トンボ)
  • 興行収入:43億円(推定)
  • 1985年1月25日公開

あらすじ
神経症と不安の時代に、宮崎駿がためらわずに描く、母と子の物語。魔の女の子は、13歳になると一人前の魔女になるために1年間の修行に出なければなりません。黒猫ジジを連れて父母のもとを旅立ち、海辺の町コリコを修行の場に選んだキキは、親切なパン屋のおかみ・おソノさんのすすめで、唯一使える魔法である、ホウキで空を飛ぶ能力を活かして“お届け屋さん”の仕事を始めます。日々の仕事に励む中で、女子画学生のウルスラや、空を飛ぶことを夢見る少年トンボと友達になり、少しずつ町での生活に慣れていくキキ。しかし、熱を出して仕事を休んだ翌日、キキは自分の空を飛ぶ能力が弱まっていることに気づきます。はたしてキキは“お届け屋さん”の仕事を続け、この町で暮らしていくことが出来るのでしょうか。(参照:魔女の宅急便 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLIAmazon.co.jp | 魔女の宅急便 [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:困難にぶつかり、落ち込むこともあるけれど、それでも1歩1歩成長してゆくキキに勇気をもらおう!

3位にご紹介させていただくのは、角野栄子氏による小説が原作の「魔女の宅急便」です。13歳になった魔女であるキキは修行のために親元、故郷を離れて自立してゆくことに。そして新天地として訪れた海の見えるきれいな街にて、宅急便の仕事を始めます。自分の知らない環境で、自分の知らない人たちと出会い、キキは戸惑いながらもその仕事を通して成長していきます。注目するのは、キキと世界とのギャップ、かたや田舎でまっすぐ自由に育ってきたキキにとっては、大勢のひとが忙しなく動き回る都会はちょっと窮屈で、カルチャーショックなるものが大きかったと思います。きわめつけはおばあちゃんが腕によりを込めてつくったニシンのパイを届けるときの、予想外な冷たい少女の対応。これは観てるこっちも、なんか落ち込んでしまうくらい、暗いシーンでしたね。そんなキキにとって、同じように森のなかで過ごすウルスラや、ちょっとやんちゃな男の子トンボとの出会いは大きかったと思います。どんなに落ち込んでも、少しづつ前を向いて成長するキキの姿にはこちらもついつい励まされてしまいますよ。こどもジブリシリーズということなのですが、「魔女の宅急便」は小学校にあがるくらいのお子さんに観てほしいなと思います。小学校入学っていうと、まだまだ子どもですがちょっとだけ自立して、子ども自身も、親としても環境に変化がある時期ですよね。まさに「魔女の宅急便」のキキと同じ状況ですね。不安なこともあると思いますが、形にこだわらず、大事なのは気持ちだと、「魔女の宅急便」を通して学んでくれると思いますよ!

  『魔女の宅急便』  

 

都市伝説:クロネコヤマトでおなじみの?

宅急便に黒猫(ジジ)といえば、わたしたちには宅配業者であるヤマト運輸、通称クロネコヤマトが思いつくかと思いますが、そもそも「宅急便」という言葉はヤマト運輸が商標登録した呼び名で、本来は「宅配便」と呼びます。そこでジブリは「宅急便」を使用するためにヤマト運輸のイメージキャラである黒猫を登場させることになったという都市伝説があります。こうして、無事「魔女の宅急便」として世に出すことができたとか。信ぴょう性は定かでないので、信じるか信じないかはあなた次第ですが、「魔女の宅急便」のエンドクレジットにはスポンサーとしてヤマト運輸の名前がしっかり刻まれています!?

 

4位『平成たぬき合戦ぽんぽこ』(1994)

 「山はオラ達の住処。勝手になくさんでもらいたい。これは生き物全ての願いじゃ。(おろく婆)」

『平成たぬき合戦ぽんぽこ』

(参照:平成狸合戦ぽんぽこ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:高畑勲
  • 主題歌:上々颱風「いつでも誰かが」
  • 声優:古今亭志ん朝(語り)・野々村真(正吉)・石田ゆり子(おキヨ)・柳家小さん(鶴亀和尚)・泉谷しげる(権太)
  • 興行収入:26億3000万円
  • 1994年7月16日公開

あらすじ
ニュータウンの開発が進む東京郊外の多摩丘陵。昔ながらの平和な暮らしをおびやかされたタヌキたちは、先祖伝来の「化け学」を復興させ、人間たちに戦いを挑むことを決意する。タヌキたちはあの手この手で人間撃退作戦を展開するが、そこはタヌキのすること、なかなか成果が上がらない。そこへ四国からタヌキの三長老が到着し、化け学の粋を凝らした「妖怪大作戦」の発動が宣言された。一生懸命だけどどこか抜けているタヌキたち、彼らが繰り広げる大作戦の顛末は…。(参照:Amazon.co.jp | 平成狸合戦ぽんぽこ [DVD] DVD・ブルーレイ – 高畑勲

 おすすめポイント: 古来より日本人と親しんできた生き物である森のたぬきたちが、自分勝手な人間たちにものもうす!

こどもジブリ第4位には、高畑勲氏による「平成たぬき合戦ぽんぽこ」を紹介します。団地開発により、住処である森をうばわれたたぬき達は「鷹ヶ森」と「鈴ヶ森」の二大勢力に分かれて、縄張り争いを始めます。長い間拮抗したその戦いのさなか、おろく婆が仲裁に入り、鉄塔の上に皆を集めて森が人間に奪われているということを伝えます。その姿を目の当たりにしたたぬきたちは、協力して人間との全面戦争を企てるのです。どことなく「もののけ姫」に近いテーマではあるのですが、どちらかというと自然を守れというよりかは、たぬきと人間が共生できる今のバランスを、団地開発で壊すな!といったところでしょう。いずれにせよ、時代も現代であり、たぬきというなじみやすい生き物であることから、小さいお子さんにとっては「平成たぬき合戦ぽんぽこ」のほうがわかりやすくて楽しめると思います。たぬきといえば、日本では昔から「化け狸」などといって、変身して人間をからかう妖怪の類のたぬきが、怖い話でよく登場しますよね。今でこそ遭遇することは稀ですが、たぬきはやっぱりわたしたちの生活の近くにいたんだなと感じます。そうそう、この「平成たぬき合戦ぽんぽこ」でもこの「化ける」というのがたぬき達の人間に対する一番の武器だということで「妖怪大作戦」なるものが決行されるのです。あちらこちらで「化け狸」による妖怪変化が行われ、わたしたちにはなじみのある日本の妖怪たちが人間を脅かします。このシーンはもちろんですが、終始一致団結して立ち上がるたぬき達の勇姿には感激しますよ。果たして人間との戦いの行方はどうなるのでしょうか?最後にたぬき達はどうなってしまうのでしょうか?この世界では人間以外の生き物だって毎日必死に生きているんだと、それがわかる素敵な作品になっています!

  『平成たぬき合戦ぽんぽこ』  

 

豆知識:妖怪大作戦にでてくる妖怪?たちに注目

妖怪大作戦百鬼夜行

(参照:平成狸合戦ぽんぽこ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

「平成たぬき合戦ぽんぽこ」のみどころとして紹介した「妖怪大作戦」では日本の名画(浮世絵や屏風絵)にちなんだ妖怪がたくさん登場します。例えば葛飾北斎による百物語シリーズの《お岩さん》。俵屋宗達による《風神雷神図》の風神と雷神。歌川国芳による《相馬の古内裏》の大きな骸骨など、他にもたくさんでてきます。どれもこれも迫力があって、みているだけでワクワクしてしまいます。そして皆さんぜひとも注目していただきたいのが、たぬきが連なり、一匹の龍になって空を後進してゆくシーン。目をこらしてみると、ん?これは妖怪?いえいえ、ジブリの名キャラクターたちがこんなにも!上で少しネタバレしてますが、、、誰が出てきたのかは作品を観てからのお楽しみです!!

 

5位『猫の恩返し』(2002)

「私まちがってなんかいなかった。猫を助けたことも迷って苦しんだこともみんな大切な自分の時間だったんだ。(ハル)」

『猫の恩返し』

(参照:猫の恩返し – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:森田宏幸
  • 主題歌:つじあやの「風になる」
  • 声優:池脇千鶴(吉岡ハル)・袴田吉彦(バロン)・渡辺哲(ムタ)・山田孝之(ルーン)
  • 興行収入:64億8000万円
  • 2002年7月20日

あらすじ
高校生のハルは普通の女の子。車に轢かれそうになった猫を助けたが、その猫が猫の国の王子様だったため“恩返し”に猫の国に招待されることに。「このまま、猫になってもいいかも……」と思った瞬間、ハルは徐々に猫の姿になっていき、一見天国に思えた猫の国の恐ろしさにはじめて気づくのだった……。その時、ハルを救うべく、猫の男爵・バロンが颯爽と現れる。「だめだハル、自分を見失うんじゃない」。はたしてハルの運命は?(参照:Amazon.co.jp | 猫の恩返し/ギブリーズ episode2 [DVD] DVD・ブルーレイ – 森田宏幸, 百瀬義行

おすすめポイント:のんびり?忙しい?人間みたい?ドジっ子女子高生ハルが訪れる猫の世界!

最終第5位には、森田宏幸氏による初監督作品である「猫の恩返し」を選出。前年度の「千と千尋の神隠し」の歴史的な大ヒットの流れを受けての、初監督作品ということでプレッシャーのあるなか、見事おもしろい作品を生み出しました。物語はさえない女子高生のハルが、さえない日常を送っているある日、トラックにひかれそうな1匹の猫を助けたことから始まります。なんと、助けた猫は猫の国にいる王様の息子であるルーン王子だったのです。そんな感じでハルはいつのまにか猫の国に招待されて行くことになっていしまいました。困ってしまったハルにどこからともなく声が語りかけてきます。「ハルちゃん、十字街に行って猫の事務所を探して」。ハルは声に導かれるようにして猫の事務所を訪れると、そこではある出会いが待っていました。猫の国、猫の事務所、、、「猫の恩返し」を観ていると普段その辺をプラプラしている猫たちにもこのような世界があるのでしょうか、なんていう風に考えてしまいます。時々、猫になれたら楽だろうなー、なんていう風に思うことありますよね。でも本当にそうでしょうか?猫は猫で私たちのように社会にもまれて苦労して生きていたりして。猫たちの生活、まさに「猫の恩返し」にでてくる猫の国のようだったらとっても面白いですね。猫の世界にもバロンみたいなかっこいい男爵がいるんでしょうかね?なんてのんびり考えながら、何も考えずに楽しめる作品がこの「猫の恩返し」です!猫をかっている方は一緒にのんびり鑑賞するのもいいかもしれません。

  『猫の恩返し』  

 

都市伝説:「猫の恩返し」を描いたのは月島雫

 実はジブリには「猫の恩返し」に大いに関係する作品が存在します。それが次の章で紹介させていただく「耳をすませば」。どういう風につながっているかというと「猫の恩返し」は「耳をすませば」の主人公月島雫が小説家になり、書いた小説であるというのです。これは噂なのですが、実際に「猫の恩返し」が「耳をすませば」のスピンオフである証拠としては、バロンの存在があげられます。雫がよく訪れていた地球屋にはバロンとその恋人ルイーゼの置物がありました。そして猫の事務所、バロンの部屋には恋人ルイーゼの肖像画が!さらに、天沢聖司がムーンと呼んでいた猫ですが、「猫の恩返し」にでてくるムタさんの本名はルナルド・ムーンということで、こちらは同一人物ではないのですが同じ名前です!ジブリではなかなかお目にかかれないスピンオフ作品として、この2つを連続で見るのも面白いかもしれません。

 

 

青春ジブリ5

今現在青春を謳歌している学生の皆さん、若かりし青春時代を思い出したい大人の皆さんに超絶おすすめの5作品へと行きましょう!恋愛だけじゃない、趣味や仕事に熱中している人にもぜひ見てほしいです!

 

1位『耳をすませば』(1995)

「私、背伸びしてよかった。自分のこと前より少しわかったから。(月島雫)」

『耳をすませば』

耳をすませば – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:近藤喜文
  • 主題歌:本名陽子「カントリーロード」
  • 声優:本名陽子(月島雫)・高橋一生(天沢聖司)
  • 興行収入:18億5000万円
  • 1995年7月15日公開

あらすじ
月島雫は、明るく読書好きな女の子。中学3年生になって、周りは皆受験勉強で一生懸命なのに、いつも学校の図書館や市立図書館で本を読みふけっていた。雫はある日、図書館の貸し出しカードに「天沢聖司」という名前を発見する。雫が読む本には必ずといっていいほどその名前があった。やがて、雫はひとりの少年と出会う。中学を卒業したらイタリアへ渡って、ヴァイオリン職人の修業をしようと決意している少年。その少年こそ「天沢聖司」であった。雫は聖司にひかれながら、進路も将来も自分の才能もすべてがあいまいな自分へのコンプレックスと焦りに引き裂かれていた。やがて、雫は聖司の生き方に強く心を動かされ、聖司の祖父・西老人が経営する不思議なアンティークショップ「地球屋」にあった猫人形「バロン」を主人公にした物語を書き始めるのだった…。(参照:Amazon.co.jp | 耳をすませば [DVD] DVD・ブルーレイ – 近藤喜文

おすすめポイント:今の自分、将来の自分、悩みどきの中学生・雫の成長

夢や進路、恋、友達や家族関係など、子供よりもちょっとだけ大人に近づいた中学生は悩むことがたくさんありますよね。その時はわからなくても、この悩み、考えるということを通して、心は成長していくもので、振り返ってみれば多くの人が、あの頃はよかったなぁと、懐かしむまさに青春時代といえるのが中学時代です。主人公の悩める14歳・月島雫は図書カードをきっかけに出会った、ヴァイオリン職人を目指す同級生の天沢聖司、それに地球屋を営む聖司のおじいちゃんやその音楽仲間などとの出会いを通して、自分と向き合い、悩みながらも前に進もうと変わってゆきます。最初は自分の好きなことに自信が持てなかった雫ですが、自分の夢に真っ直ぐな聖司が頑張っているならば、私も頑張ってみようと決心します。好きな人が頑張ってるから、私も頑張ろう。なんてピュアなんだ、、、一進一退の成長というか、本当に悩める女の子のリアルな青春が描写された、甘酸っぱい作品になっています。今青春まっただなかの皆さんにもおすすめですが、色んなことに悩みながらも青春を駆け抜けてきた大人の皆さんも、あの頃を思い出すのには是非この映画がおすすめです。

  『耳をすませば』  

 

豆知識:聖地巡礼

聖蹟桜ヶ丘

(参照:聖蹟桜ヶ丘 | おすすめスポット – みんカラ (carview.co.jp)

ジブリの魅力のひとつが、自然や街並みを描いた背景美術。この背景美術の美しい描写に心奪われることがあります。ジブリに限らず現代を舞台にしたあらゆる名作では、どこが舞台になっているんだろう?なんていって、ファンの間でよく聖地巡礼なるものが行われていますよね。この「耳をすませば」の舞台となった東京都多摩市の聖蹟桜ヶ丘もその聖地巡礼スポットとして有名です。筆者も一度訪れたことがありますが、うーん、、なんというか少し衰退しているのかな?という感じではありますが、「みみすま」感はありました。

めっちゃ古い感じがします。さっきからおすすめしてるのに何いってるんだと思われてしまいますね。でもそのちょっとレトロな感じが、「若きあの頃」感があって逆に良かったりして。雫が駆け降りる坂や地球屋のモデルとなった喫茶店など、作中の景色がそのまんま登場するので、耳をすませばを観た後は是非夫婦で訪れて、お互いの青春時代の話でもしながら散歩したら、最高だと思いますよ!

 

2位『風立ちぬ』(2013)

「飛行機は戦争の道具でも、商売の手立てでもない、飛行機は美しい夢だ(堀越二郎)」

風立ちぬ

風立ちぬ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:荒井由実「ひこうき雲」
  • 声優:庵野秀明(堀越二郎)・瀧本美織(里美菜穂子)・西島秀俊(本庄季郎)・西村雅彦(黒川)
  • 興行収入:120億2000万円
  • 2013年7月20日公開

あらすじ
かつて、日本で戦争があった。大正から昭和へ、1920年代の日本は、不景気と貧乏、病気、そして大震災と、まことに生きるのに辛い時代だった。そして、日本は戦争へ突入していった。当時の若者たちは、そんな時代をどう生きたのか?イタリアのカプローニへの時空を超えた尊敬と友情、後に神話と化した零戦の誕生、薄幸の少女菜穂子との出会いと別れ。この映画は、実在の人物、堀越二郎の半生を描く─。(参照:Amazon.co.jp | 風立ちぬ [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:仕事と私どっちが大事なの?と言われんばかりに揺れる二郎、最後は、、、?

青春部門の2位にご紹介するのは2013年公開の「風立ちぬ」。この映画、青春部門で紹介しつつ、実は作中の前半の時の主人公堀越二郎の年齢は20歳。青春ってもっと若くて甘酸っぱいイメージな気がするけど、、、と言われそうですが。何かに夢中になって、その夢に向かってまっすぐ走り続ける姿。これもまた青春の一つの形なのではないでしょうか。二郎の場合それは幼き日から憧れる、飛行機の設計士として名を馳せることでした。ある日その夢を叶えようとしている最中、関東大震災にみまわれます。そこで、偶然にも二郎と出会うことになる菜穂子。その後、時を経て再会した2人は惹かれあい、結ばれるのですが、今よりさらに良い、高い、速い飛行機を作らんとする技術者として、一方では菜穂子の夫として、二郎の心は揺れます。夢か愛か、いわば今でいう仕事と私どっちが大事なの?という状態ですね。もちろん菜穂子がそんなわがままを口にするわけはないですが(時代的にも)。激動の時代の中、運命に導かれて出会った2人、飛行機の夢、そして最後に二郎と菜穂子はどうなっていくのか。まさに愛と夢の青春物語といった感じです。

  『風立ちぬ』  

 

おすすめ著書:「腰抜け愛国談義」

腰抜け愛国談義

(参照:半藤一利と宮崎駿の 腰ぬけ愛国談義 (文春ジブリ文庫) | 一利, 半藤, 駿, 宮崎 |本 | 通販 | Amazon

「風立ちぬ」はなんといっても、現時点で宮崎駿氏の最後の長編アニメーションというのがポイントですね!エヴァンゲリオンで有名な庵野秀明氏が二郎の声を担当し、淡々として冷静で、大人の余裕がある二郎がとてもかっこよかったです。筆者個人としては、二郎の上司、黒川も見た目といい、性格といい、味のあるキャラでお気に入りでした!実は「風立ちぬ」のキャラクターの重要キャラたちは全て実在の人物(中には実在の人物2人をミックスしたキャラ)がモデルになっているんです。例えば誰が、、、という話については、こちらの本を読むとよくわかりますよ!それが戦史研究家であり作家の半藤一利氏と宮崎駿氏による「腰抜け愛国談義」です。「風立ちぬ」を中心に、彼らの戦争に対する想いなども知ることができるこの一冊はジブリファンにとっては必読書に違いありません!

 

3位『コクリコ坂から』(2011)

 「古いものを壊すというのは過去の記憶をすてるというのと同じではないか!(風間俊)」

『コクリコ坂から』

コクリコ坂から – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎五郎
  • 主題歌:手嶌葵「さよならの夏~コクリコ坂から~」
  • 声優:長澤まさみ(松崎海)・岡田准一(風間俊/澤村雄一郎)・風間俊介(水沼史郎)・香川照之(徳丸理事長)
  • 興行収入:44億6000万円
  • 2011年7月6日公開

あらすじ
太平洋戦争が終わって18年、日本は焼け跡から奇跡の復活を遂げた。そして、高度経済成長が始まろうとしていた時代に、復活の象徴として、日本は東京オリンピックの開幕を目前に控えていた。人々は古いものはすべて壊し、新しいものだけが素晴らしいと信じていた。煙突から吐き出される煤煙。道路をひしめく車の土埃。人々でごった返す街。工事や建物の解体作業の騒音。しかし、それでも海は青く、緑は輝き、空は広く、世界は希望に満ちてキラキラと輝いていた。そんな時代に、横浜にあったある高校で、明治に建てられた由緒ある建物をめぐって小さな紛争が起きていた。古いけれど、歴史と思い出のつまった建物。を取り壊すべきか、保存すべきか。ある高校生の男女が、そんな事件の中で出会い、心を通わせ、助け合って行く。ふたりが見出した日本の“明るい未来”とは、何だったのか。

16歳の海と17歳の俊の愛と友情を横糸に、建物をめぐる紛争を縦糸に、この物語は、まっすぐに生きる高校生たちの群像をさわやかに描いてゆく―。(参照:Amazon.co.jp | コクリコ坂から [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎吾朗

おすすめポイント:高度経済成長期、抑圧から解放されたように羽ばたいていく学生たちの青春

主人公海と風間の恋の行方はもちろん気になる青春ポイントであり、この映画のテーマに絡んでくる重要な要素でありますが、何よりも私がおすすめしたい「コクリコ坂から」の見所は、この時代の学生たちの熱気です。2人の通う学校自体が伝統高校であるからか、とても自由な気風でいわゆる学生運動が盛んに行われています。高度経済成長期、日本全体が大きな変革をおこそうと勢いに乗る時代の中で、それまでの歴史や文化に対してどう向き合うかはひとつ重要な問題でした。登場する学生一人一人が自分を持ち、自分の好きなものを追いかけ、自分の意見を大切にしている、そんな時代です。私が好きなシーンは文化部の砦となっている洋館カルチェラタンの存続をかけた全学討論会。今の時代こんなに熱い議論が交わされている高校はきっとないでしょう。時代を感じます。また、現代よりも男性、女性像というのがはっきりと分かれていた時代であり、その辺の生活や考え方の違いもリアルに描写されていて、そこら辺も注目してみると面白いです。恋愛云々の青春もいいですが、こういう熱い青春も魅力的ですね。

  『コクリコ坂から』  

 

豆知識:徳丸理事長は実在する?

海、風間、水沼の3人でカルチェラタン存続をかけて直談判しにいった港南学園理事長及び、徳丸書店社長の徳丸理事長。そのモデルは初代スタジオジブリ社長でもあり徳間書店社長の徳間康快氏なんだとか。声優を務めた香川照之さんも、ご本人の喋り方を真似ていたといいます。徳丸理事長、豪快な性格でとても印象的なキャラでしたね。当時世間的には無名の宮崎駿氏を売り出し、「風の谷のナウシカ」を後押しして、その才能を開花させたとまで言われる徳間氏。彼なくして多くのジブリの名作は生まれなかったのかもしれませんね。コクリコ坂の徳丸理事長を見ていると、ジブリのスタートも豪快に、わっと始まった気がしてなりません!

 

4位『おもひでぽろぽろ』(1991)

「自分を振り返って、もう一度はばたきなおしてごらん(タエ子)」 

『おもひでぽろぽろ』

おもひでぽろぽろ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:高畑勲
  • 主題歌:都はるみ「愛は花、君はその種子」
  • 声優:今井美樹/本名陽子(岡島タエ子)・柳葉敏郎(トシオ)
  • 興行収入:18億7000万円
  • 1991年7月20日公開

あらすじ
1982年、夏。東京での生活になんとなく物足りなさを感じているタエ子は27歳のOL。彼女は10日間の休暇を取り、姉の結婚で出来た山形の親戚を訪ねて旅立つことにしました。東京生まれ東京育ちのタエ子にとって“田舎”は憧れの場所です。そんな彼女には奇妙な連れがいました。ふとしたきっかけで思い出した小学5年生の頃のワタシがどうしても脳裏から離れないのです。タエ子は思い出と共に山形行きの夜行列車に揺られていきます。小学5年生。それは女の子が一つの階段を上っていく、さなぎの季節なのかもしれません。そして今、自分にまたさなぎの時期がめぐってきたのだろうかと、タエ子は思いをはせていきます。(参照:Amazon.co.jp | おもひでぽろぽろ [DVD] DVD・ブルーレイ – 高畑勲

おすすめポイント:青春はまだまだこれから!過去の自分に励まされ、次のステップへ!

第4位には「おもひでぽろぽろ」。「風たちぬ」の時も言いましたが、何かに夢中になって頑張ろうとしているなら、それもまた青春だと。これは完全な持論ですが、つまるところ夢や目標を持って前進し続ければ、人生は死ぬ時まで青春時代と考えることができます!大人になって、ある程度落ち着いた生活になってきた皆さんに是非見て欲しいのがこの「おもひでぽろぽろ」です。生まれも育ちも東京の都会っ子・タエ子は田舎への憧れをずっと持っていました。そして27歳の秋、10日間の休暇を使って、たよりのある山形県高瀬へ旅行します。その行きの電車の中で、過去の自分が回想され、いろんなことがあったけど今では全て良き思い出という風に懐かしみます。そして山形で待っている新たな出会い。そこでタエ子は新たな一歩を踏み出すのか、、、それを後押しするのは回想に出てきた小学5年生のタエ子。大人になって何か新しいことを始めるとか、何かに打ち込んだりするのって、少し億劫だったりしますよね。でも思い出して欲しいのは皆さんも学生時代、自分の知らない世界だったり、好きな物事に対して、悩み、考え、真っ直ぐに向き合った瞬間というのは、誰しもありますよね。その頃の自分を思い出してみると、大人になってからも案外楽な気持ちで何かに挑戦できるかもしれませんよ。青春時代の自分に触れて、もう一度青春を取り戻す。人生死ぬまで青春だと思わせてくれるのが、この「おもいでぽろぽろ」です!

  『おもひでぽろぽろ』  

 

豆知識:プレスコで作られたリアル感

この「おもひでぽろぽろ」を始め、高畑勲監督が採用しているのがプレスコという音声収録技法。一般的に有名なアフレコとは違い、プレスコでは音声を先に収録し、それに映像を合わせることになります。「おもひでぽろぽろ」では、タエ子、トシオそれぞれの声優を担当した、今井美樹さん、柳葉敏郎さんがそのままキャラのモデルとなり、音声収録の際の表情や身体の動きなどを参考にアニメーションが描かれたのでした。高畑勲監督の作品が自然な表現でリアルに感じられるのはそのためだったのです!

 

5位『海が聞こえる』(1993)

「やめちょきや、女はどうせ男の表面しか見んがよ。女なんぞにお前の良さ、分かりゃせんと(杜崎拓)」 

『海が聞こえる』

(参照:海がきこえる – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:望月智充
  • 主題歌:坂本洋子「海になれたら」
  • 声優:飛田展男 (杜崎拓)・坂本洋子(武藤里伽子)
  • 興行収入:-
  • 1993年5月5日公開、日本テレビにて放映

あらすじ
東京の大学に進学した杜崎拓(もりさきたく)は、吉祥寺駅の反対側ホームにある人影を見た。中央線下り列車に姿を消したその人影は確かに武藤里伽子(むとうりかこ)に見えた。だが里伽子は高知の大学に行ったのではなかったのか。高知へと向かう飛行機の中で、拓の思いは自然と里伽子と出会ったあの2年前の夏の日へと戻っていった。―里伽子は勉強もスポーツも万能の美人。その里伽子に、親友の松野が惹かれていることを知った拓の心境は複雑だった。拓にとって里伽子は親友の片思いの相手という、ただそれだけの存在だった。それだけで終わるはずだった。高校3年のハワイの修学旅行までは…(参照:Amazon.co.jp | 海がきこえる [DVD] DVD・ブルーレイ – 望月智充

おすすめポイント:最も「ジブリらしくない」ジブリ作品でエモい青春を!

青春ジブリ最後にご紹介するのは、テレビアニメシリーズとして放映されていた「海が聞こえる」。この作品、ジブリでありながら宮崎、高畑両監督および鈴木敏夫プロデューサーが制作に一切かかわっていないというのがポイント。監督である望月智充氏を筆頭にした、ジブリの若手ホープたちが制作しました。それもあってか、やはり他の作品では見られないような、言ってしまえば「ジブリらしさ」がないタッチで描かれており、これがまた巷では「エモい」と評判なんです。ストーリーも、まあ青春といえば青春なんですが、あつい青春や胸キュンの青春というよりかは、どこか「エモい」青春になっていますね。駅のホーム、向かい側にはあの日見た女性の面影が、、、こうして主人公杜崎拓は高校時代の記憶を思い出すのです。高知で育った中高時代。東京から来た転校生武藤里伽子。これがまたかなりのべっぴんなもんで、その里伽子をめぐって親友であった松野豊と仲たがいになってしまったこと。そしてひょんなことから行く羽目になった里伽子とふたりの東京旅行。自分のために借りたホテルでベッドを里伽子にとられ、風呂場で一夜を明かした拓はマジで笑えました。物語のほぼすべてが回想シーンで、あんなことやこんなこと青春時代のいろいろな思い出がよみがえってきます。きっと皆さんも、若いころのすれ違い、幼さゆえに気づかないことがたくさんあることでしょう。終盤の同窓会のシーンなんてまさに、私たちと同じ。うまくいったことも、そうでないことも全て今となってはよき思い出であり、あの頃はわからなかったことが、今ではわかる。といったところでしょうか。大人になるにつれて、青春時代が恋しく、うらやましく、戻りたいなんて思う方もいるかもしれません。でも限られているからこそ美しいのです。いい感じにあぶらがのって、ビール片手に昔話をしている大人の皆さん。それこそある意味青春じゃないですか!ぜひ「海が聞こえる」は昔の自分や友人を思い出しながら鑑賞してみてください。

  『海が聞こえる』  

 

おすすめ著書:「海が聞こえるⅡ アイがあるから」

「海が聞こえるⅡ アイがあるから」

(参照:海がきこえる〈2〉アイがあるから (徳間文庫) | 氷室 冴子 |本 | 通販 | Amazon

映画「海は聞こえる」ではホームの向かい側にいる里伽子に拓が気が付き、そこから青春時代の回想にはいり、最後再びホームの場面に戻って物語が終了します。えー、せっかく久々に会ったのに、この後の動向は見せてくれないのかーい!と不安な皆さんのためにご用意しました。氷室冴子氏による原作「海が聞こえるⅡ アイがあるから」です。ご安心ください、映画の続きである上京後の様子が全部見れます。大人になっていく登場人物たち、ストーリーも大人の世界の話になっていますね。(変な意味じゃないですよ)あれ、でも里伽子と拓の関係性は変わっていないような気もするな、、、そうです里伽子は拓を風呂場にほっぽって寝かすほどの大物ですから、そう変わることはありません(笑)この機会に、是非小説も読んじゃいましょう!

 

 

大人ジブリ5

山あり、谷あり、数々の人生の節目を超えてきた大人の皆さんに向けて深みや渋さ、あるいは家族や会社のありふれた1コマを切り取った大人向けジブリ映画のご紹介です!いまさらジブリ?なんて言わないで、今だからこそ面白さがわかる作品が目白押しです!

 

1位『火垂るの墓』(1988)

 「なんでホタルすぐ死んでしまうん(節子)」

『火垂るの墓』

(参照:火垂るの墓 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:高畑勲
  • 主題歌:アメリータ・ガリ=クルチ「埴生の宿」
  • 声優:辰巳努(清太)・白石綾乃(節子)
  • 興行収入:5億9000万円
  • 1988年4月16日公開

あらすじ
昭和20年、神戸はB29の爆弾が降りそそぎあたり一面は焼け野原となった母を亡くした幼い兄妹、清太と節子誰の力も借りず二人だけの生活を始めるつつましくも笑い声が溢れる生活夏の夜の蛍は、精一杯生きようとした二人の命の輝きでもあった1920年代末のアドリア海は、ファシズムの足音と新たな戦争の予感におびえていた。それは決して「古き良き時代」などではなかった。(参照:Amazon.co.jp | 火垂るの墓 [DVD] DVD・ブルーレイ – 高畑勲

おすすめポイント:とにかく悲しい。考えさせられる作品です。

大人ジブリの第1位として紹介させていただくのはもちろんこの作品。1988年公開、高畑勲監督によるジブリが誇る戦争映画「火垂るの墓」です。スーパーの閉店の音楽で有名な「火垂るの墓」ですが、実際は閉店なんてもんじゃないぐらい、涙なしでは見られない作品となっています。昭和20年のある夏の朝。阪急電車の駅構内でひとり、14歳の少年清太は息絶えます。その遺体のポケットから出てきたのは当時人気のあったお菓子のドロップ。もうこれを書いている時点で、筆者である私はすでに泣きそうなのですが、この気持ち皆さんも作品を見た後ならきっとわかってくれることでしょう。そのドロップの中にはある人の骨が。これが4歳の妹節子のものなんです。骨はそのまま蛍にかわり、空へと旅立ってゆきます。舞台は終戦後の日本。親を亡くした清太は妹節子を連れて叔母の家に居候することになるわけですが、叔母がまた冷たいひとで(叔母一家も余裕がないから)結局2人はいずらくなって家を出てしまうんですね。こうして生活ができなくなっていって、、、という話なんですが。この作品、本当にやりきれないのです。どこかで何か少しでもうまくいっていれば2人がこんなに苦しむことはなかったなって思って。14歳と4歳ですよ。想像を絶する社会状況じゃないですか。戦争が生んだ貧しさについて、自分がいつ生まれるかなんて偶然なんでこういういい方をするのもどうかと思いますが、今の私たちがどれだけ恵まれていることか。冒頭の駅構内には清太以外にも男の子がたくさん倒れているんです。それが当たり前だったのかと思うと。命の大切さ、戦争がどんなものであったのか、日本にもこういう時代があったということ、自分たちで生きてゆくということ。一応大人ジブリということですが20代、これから自立して社会で生きてゆく大人なりたての皆さんに特に見てほしいです。この作品は後世まで語り継ぐべき名作だと思います。全大人に見てほしい堂々の1位です。一応みどころはというと、2人でたくさんの蛍に感動するシーンですね。でもこの作品のみどころはすべて鑑賞後の悲しさを冗長してくるものになるんですけどね、、、

  『火垂るの墓』  

 

おすすめ著書:近藤義文「ふとふり返ると」

近藤義文「ふとふり返ると」

(参照:ふとふり返ると―近藤喜文画文集 | 喜文, 近藤 |本 | 通販 | Amazon

高畑勲監督による「火垂るの墓」が宮崎駿監督の「となりのトトロ」と同時上映が決定すると、制作を同時進行で行わなきゃいけないわけですから、ジブリ内のスタッフは必然的に二分されなきゃいけないわけです。そんな時両監督の間で取り合いになったアニメーターが1人。それがのちに「耳をすませば」で監督を務めることになる近藤喜文氏です。巨匠2人に実力を認められるほどの腕の持ち主で、この奪い合いが原因で制作はとん挫しそうになったほどです。近藤氏は、2019年に「この男がジブリを支えた 近藤喜文展」が開かれるくらいスタッフだけでなく、ジブリファンからも愛された男です。いきいきした表情の子供を描くことがうまく、画集「ふとふり返ると」では彼の実力を垣間見ることができます。ジブリオタクの皆さん、宮崎、高畑両監督がほれ込んだ画力を一目見てはいかがでしょうか?

 

2位『紅の豚』(1992)

 「意地も見栄もない男なんて最低よ!堂々と戦いなさい!(フィオ)」

『紅の豚』

(参照:紅の豚 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:加藤登紀子「さくらんぼの実る頃」
  • 声優:森山周一郎(ポルコ)・加藤登紀子(ジーナ)・岡村明美(フィオ)・大塚明夫(カーチス)
  • 興行収入:54億円
  • 1992年7月18日公開

あらすじ
食い詰めた飛行機乗り達は空賊となって暴れまわり、彼らを相手に賞金稼ぎたちは功を競った。その中に、賞金稼ぎとして最も名を上げていた一匹の豚、ポルコ・ロッソ(紅の豚)がいた。イタリア空軍のエース・パイロットだった彼は、自らに魔法をかけて豚の姿になってしまったのだ。ポルコをとりまく女性たち、手に汗握る空賊との戦い、アメリカからやってきた宿命のライバル、そして全編を彩る空を飛ぶロマン。誇りと金と女のために、命を賭けた戦いが今幕を開ける。(参照:Amazon.co.jp | 紅の豚 [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:こんなかっこいい豚見たことない!男前だけど最後の急なギャグマンガ展開が笑える!

続いて第2位はジブリ1の男前とのうわさもあるポルコが主人公の「紅の豚」。「美しきアドリア海の飛行機乗りたちのロマン」ということで、なんかすでにオシャレな感じがしますね。この作品の見どころはなんといってもポルコの男前具合。出る言葉のひと言ひと言、する行動のひとつひとつがしびれるんです。ポルコはかつて魔法で豚に変えられてしまったのですが、人間は見た目じゃなくて中身なんだと痛感します。しかも、ポルコだけじゃなくてこの映画にでてくる飛行機乗りたち全員筋が通っていて、気持ちがいい。最後は、フィオと飛行機の制作費用をかけたポルコとカーチスの空中戦一騎打ちによる決闘になるのですが、この場面はもう敵味方でなくて、アドリア海にあこがれて飛行機に乗っている男たちの愛と夢がぶつかるという感じで、本当にすがすがしい場面となっています。最後は空中戦?って感じで漫画ばりの展開になっちゃいますが、このシーンが盛り上がるのなんの。そしてこの映画のもう一つの見どころが2人の女性陣ですね。ジーナとフィオは全く違うタイプだけど、絶対男に人気な感じがする2人、それぞれ自分があって、自分がどういう風に生きていきたいか知っているという感じです。この2人にほれぼれして、ふりまわされている周りの飛行機乗りたちも、それはそれで見てて面白いです。己の名誉とプライドをかけた飛行機乗りたちの夢が詰まった「紅の豚」。命を懸けてでも、飛行機に乗り続ける男たちの姿に、きっとあこがれてしまうことでしょう。ぜひ、ダンディおじさんになるためのバイブルとしてみていただきたいです。

  『紅の豚』  

 

おすすめ著書:「宮崎駿の構想ノート」

「宮崎駿の構想ノート」

(参照:宮崎駿の雑想ノート | 宮崎 駿 |本 | 通販 | Amazon

しかしよく考えてみると、豚を飛行機に乗せてアドリア海を飛ばせるという発想はどこから湧いてくるのやら。本当に宮崎駿氏は巨匠といわんばかりの発想の自由さがあります。ちょっとその頭の中を覗いてみませんか?それができるのがこの宮崎駿の「構想ノート」。「紅の豚」は原作となるショート漫画「飛行艇時代」も収録されています。「紅の豚」はアドリア海の飛行機乗りたちの夢とロマンの話でしたが、他にも宮崎駿の飛行機映画といえば、青春ジブリ2位として紹介した「風立ちぬ」があげられます。それだけじゃないです、「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」など、よく見ると、実はジブリ映画、至る所に飛行機や飛行船が登場するのです。そんな飛行機たちを宮崎駿はどういう風に、あるいはどんな気持ちで描いているのかというと、、、気になる方は是非「宮崎駿の構想ノート」をご一読あれ。

 

3位『ホーホケキョとなりの山田くん』(1999)

「人生、諦めが肝心です(山田たかし)」

『ホーホケキョとなりの山田くん』

(参照: ホーホケキョ となりの山田くん – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:高畑勲
  • 主題歌:矢野顕子「ひとりぼっちはやめた」
  • 声優:朝丘雪路(山田まつ子)・益岡徹(山田たかし)・五十畑迅人(山田のぼる)・宇野なおみ(山田のの子)
  • 興行収入:15億6000万円
  • 1999年7月17日公開

あらすじ
「腹へった、なんかないか」と酔って帰宅したたかしに、まつ子はどらやきとバナナを持ってくる。こんなもん食えるか、と怒る亭主に平然と背を向け、妻はテレビを見続ける。だが、妻は栄養を考えてバナナとミルクを夫のために持ってきてやったのだ。やがて、たかしはそのバナナをうまそうに食う。このほか、原作の四コマ漫画を元にしたエピソードが集まって一つの作品を形成している。(参照:Amazon.co.jp | ホーホケキョ となりの山田くん [DVD] DVD・ブルーレイ – 高畑勲

おすすめポイント:きっと、あなたの家にもある家族の日常を感じてください!

大人部門3位として紹介させていただく「ホーホケキョとなりのやまだくん」です。1999年公開ということで、皆さんお察しかもしれませんが、97年の「もののけ姫」2001年の「千と千尋の神隠し」という、こういってはなんですが、ジブリの2大名作ともいえる作品に挟まれた影の薄い作品なんです。金曜ロードショーにおいても公開以降一度しか地上波に登場していないため、皆さんもジブリの作品にこんなものがあったのかと、知らない人もいるのではないでしょうか。しかし、そんな知名度の低さとは裏腹に、実は隠れた名作として名高いのがこの作品。筆者の私は、何度も見ておりますが、毎度ついついクスッと笑ってしまうシーンが盛り沢山なのがこの作品なのです。主人公はどこにでもいる普通のサラリーマンおじさんの山田たかし。私の感想としては、このおじさんまさに昭和と平成の間に生きていたおじさんという感じです笑

そんなどこにでもいるようなおじさんと家族の日常を描いた、ホーホケキョとなりのやまだくんのみどころは、なんといっても、「あー、そんなことあるある!」というような、日常がテンポ良く展開されていくところです。ついつい笑ってしまうというか、ほんとに絶妙なあるあるを持ってこられるので、絶えられないです。

例えば、家族でショッピングモールに行った時、父母が揉めている間に、1番下ののの子が迷子になっちゃう。しかし、買い物を終えて車の中の帰路までも言い合っている家族は、のの子ちゃんを忘れてきたことに気が付かない。あれ?と思ったころに大騒ぎで引き返してっゆくなど。家族と過ごす何気ない日常が一番幸せだと思わせてくれる素敵な作品になっています。ぜひとも家族で食卓を囲んで。和気あいあいと断章でもしながらご覧くださいませ!

  『ホーホケキョとなりの山田くん』  

 

制作裏話:ジブリ作品で唯一「松竹」が配給

アニメ映画といえば制作会社の他にそれを上映する配給会社が付きますよね。それがジブリの場合は毎回「東宝」なんですが、ジブリ作品で唯一「ホーホケキョとなりの山田くん」だけが「松竹」なんです。なんでも鈴木敏夫プロデューサーによるとジブリの親会社である徳間書店の徳間康快社長が東宝側とけんかしてしまい、松竹でやらざるを得なかったとのことです。こうして生まれた「ホーホケキョとなりの山田くん」は期待もあって、前作「もののけ姫」よりも多くの制作費が当てられましたが、興行収入は伸び悩んでしまいました。やはりジブリに慣れていないのか、宣伝のやりかたの違いなどが影響したのかもしれませんね。しかし、やはり作品自体はとても面白いので、日本テレビ氏家齋一郎監督が気に入り、もう一度高畑監督の作品を見たいとのことで2013年の「かぐや姫の物語」が生まれることになったとか。

 

4位『レッドタートル ある島の物語』(2016)

『レッドタートル ある島の物語』

(参照:レッドタートル ある島の物語 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット
  • 製作:鈴木敏夫
  • 主題歌:-
  • 声優:-
  • 興行収入: 6,591,789ドル
  • 2016年9月17日公開
  • 第69回カンヌ国際映画祭 ある視点部門特別賞
  • 第44回アニー賞 インデペンデント最優秀長編作品賞

あらすじ
どこから来たのかどこへ行くのか いのちは?嵐の中、荒れ狂う海に放りだされた男が九死に一生を得て、ある無人島にたどり着いた。必死に島からの脱出を試みるが、見えない力によって何度も島に引き戻される。絶望的な状況に置かれた男の前に、ある日、一人の女が現れた――。(参照:Amazon.co.jp | レッドタートル ある島の物語 [DVD] DVD・ブルーレイ – マイケル・デュドク・ドゥ・ヴィット)

おすすめポイント:終始セリフなし。ジブリが挑戦する新たな境地!

大人部門4位に紹介させていただくのは、2016年公開、ジブリ史上初の試みとなる日本、ベルギー、フランス3カ国による共同作品のレッドタートル。え、ジブリにこんな映画あったのですか?という風に思う方もいらっしゃるかと思いますが、まあそれもそのはずで、同じ時期に「君の名は」や「聲の形」などの日本が誇る名作が公開されていたために、少しだけインパクトが薄れてしまったんですね。それでもアニメ界のアカデミー賞であるアニー賞を受賞するなど、やはり魅力的な映画であることには間違い無いのですが。この映画の見どころというか、まあ1番印象的なところは全編セリフなしということです!鑑賞者によっていろいろに解釈できるという点もあり、何を思うかはあなた次第。大しけの大海原に投げ出され、とある無人島にたどり着いた男性。筏を作り脱出を試みるも何度となく亀に邪魔され失敗。男性は怒りのあまり亀を殺しますが、次の日その亀の亡骸は1人の女性に変わっていました。どこから来たのか どこへ行くのかいのちは?というキャッチコピーからもわかるように、人間やいのちのあり方について問いかけるストーリーを、映像と音楽だけで魅せているのです。それだからこの映画は小さいお子さんにはおすすめできないのです。主題の難しさや、セリフがないという挑戦的な側面もあって、かなり敷居の高い映画になっていますが、大人のあなたには是非見て欲しいです。81分間が一瞬に感じられる。それくらい引き込む力のある映画ですし、見終わった後は、人間が生きるということについて自然と考えてしまう、そんな不思議な力を持った映画です!

  『レッドタートル ある島の物語』  

豆知識:ジブリは海外でも人気?

日本の今の大人なら知らない人はいないと言っても過言ではないほど人気の高いスタジオジブリ。「レッドタートル ある島の物語」は初の海外共同制作となり、第69回カンヌ国際映画祭「ある視点特別賞」第44回アニー賞「インデペンデント最優秀長編作品賞」などの名だたる映画賞を受賞しました。このことからもわかるようにジブリ映画は海外でも圧倒的に人気であること間違いなしです。例えば中国では2019年に「千と千尋の神隠し」が公開されたとき、同時に公開となった某ディズニー映画の2倍近くものお客さんが入ったり、フランスでは久石譲氏のジブリオーケストラコンサートが開催されたり。ジブリに限らず日本のアニメは日本の1つの文化として世界に誇るべきものにまで成長したということですね!

 

5位『ギブリーズepisodee2』(2002)

「初恋って、1回だけよ(ゆかりさん)」

『ギブリーズepisodee2』

(参照:ギブリーズ episode2 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:百瀬義行
  • 音楽:渡野辺マント「カレーなる勝負」「ハートビート」など
  • 声優:西村雅彦(野中くん)・鈴木京香(ゆかりさん)・古田新太(奥ちゃん)・斉藤暁(徳さん)・篠原ともえ(蛍ちゃん)・今田耕司(米ちゃん)・小林薫(トシちゃん)
  • 興行収入:-
  • 2002年7月20日公開/同時上映「猫の恩返し」

あらすじ
スタジオギブリ著作権管理室課長を務める野中くんは38歳の独身男。ギブリの出版部を仕切るキャリアウーマンのゆかりさん。ギブリ制作部部長の奥ちゃん。こうした個性豊かな面々がスタジオギブリを舞台に繰り広げる笑いあり、涙ありのオムニバス・ストーリー。(参照:Amazon.co.jp | 猫の恩返し/ギブリーズ episode2 [DVD] DVD・ブルーレイ – 森田宏幸, 百瀬義行

おすすめポイント: どこにでもいる普通の社会人たちのたわいもない日常がシュールでおもしろい!音楽も◎

大人ジブリ第5位として、ここで短編を一本紹介したいと思います。ジブリを模した架空のアニメ製作会社「スタジオ・ギブリ」で働く3人のサラリーマン、通称ギブリーズ。全6編(つながりあり)の短い短編からなるこの作品は、社会人の何気ない日常が描かれており、とてもシュールでありながら、ほっこりするような笑いに包んでくれる、そんな作品になっています。なかでもおすすめは「カレーなる勝負」と「美女と野中(やじゅう)」の2本。カレーなる勝負ではマンネリ化したランチを打開すべく、野中くんと奥ちゃんが同僚のゆかりさんを誘ってランチに行くことに。よくある激辛カレーを完食できたら無料みたいな流れになって、3人で挑戦するのですが大変なことに、、、かなりシュールですがついついクスッと笑ってしまうんです。やっぱり女の人て男たちより痛み(?)に本当に強いんですよねー、、、ゆかりさんの食いっぷりかっこよかったです!そして「美女と野中(やじゅう)」では電車で帰宅途中の野中くんの肩にもたれかかって寝ている美女が、最寄について降りようとするも、あれ腕が、、、野中くんの人柄の良さがわかるほっこりする笑いになっています。初恋の話は切ないけど、それもまたなんかほっこりしてしまう!こんな風にいろんな短編が繰り出されるのですが全体を通して、バックミュージックが心地いいことがこの作品の魅力だと思います!それがまた、いろんなストーリー全てに「ほっこり」を与えてるのではないかと筆者は感じるくらいです!どこにでもいるような普通の社会人の生活を切り取った「ギブリーズepisode2」、ぜひとも社会人の皆さんに見ていただきたい作品です!

  『ギブリーズepisodee2』  

 

おすすめ著書: 鈴木敏夫「ジブリの哲学」

鈴木敏夫「ジブリの哲学」

(参照:ジブリの哲学――変わるものと変わらないもの | 鈴木 敏夫 |本 | 通販 | Amazon

「ギブリーズepisode2」ではスタジオ・ギブリで働く人たちの様子が描かれていましたが、本物のスタジオ・ジブリのスタッフの様子が気になったりしませんでしょうか?そしてそのスタッフを取りまとめる、彼無しではジブリは語れないというくらいの大ボスがジブリにはいることもご存知ですか?その男こそ、鈴木敏夫氏です。すでに見られた方はわかりますよね?「ギブリーズepisode2」でもご本人役で登場する、ジブリが誇る名プロデューサーです。そんな彼が、ジブリについて語った本が1冊にまとめられています。それが「ジブリの哲学」、ヒット作がどのようにして生まれてきたのか、スタジオ・ジブリの内部を覗ける非常に面白い本となっています。(実は制作裏話として紹介させていただいている中にはエピソードはこの本を参照したものもあります)非常に読み応えのある1冊ですので、ぜひご覧ください! 

 

 

感動ジブリ5

心が揺れる感動が欲しいあなたへ

誰かを愛したり、何かに一生懸命になったり、心がギューっとなって自然と涙が出てくる。そんな気持ちを感じられるジブリ映画BEST5を紹介していきます!

 

1位『千と千尋の神隠し』(2001)

 「ここで働かせてください!(千尋)」

『千と千尋の神隠し』

(参照:千と千尋の神隠し – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:木村弓「いつも何度でも」
  • 声優:柊瑠美(千尋)・入野自由(ハク)・夏木マリ(湯婆婆)・神木隆之介(坊)
  • 興行収入:316億8000万円
  • 2001年7月20日公開

あらすじ
ひ弱で不機嫌な少女、千尋は現代に生きる普通の女の子。両親とともに車で引っ越し先の家へと向かう途中で「不思議の町」に迷い込んだ。店のカウンターにあった料理を勝手に食べた両親は、豚に姿を変えられてしまう。ひとりぼっちになってしまった千尋は、名を奪われ「千」と呼ばれるようになり、その町を支配する魔女・湯婆婆の下で働き始める。千尋は湯屋「油屋」の下働きとして働きながら、様々な出来事に遭遇しつつも、謎の少年ハクや先輩のリン、釜爺らの助けを借りて、厳しい難局に立ち向かっていく。はたして千尋は元の世界に帰れるのか……?(参照:Amazon.co.jp | 千と千尋の神隠し [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:ジブリ歴代1位のヒット作!日本No.1といってもいいアニメ映画!

感動ジブリ第1位として紹介させていただくのは、ようやく登場といったところでしょうか、、、「千と千尋の神隠し」です。知らない人はいない、いや、万が一この記事を読んで知ったという方がいられたのならば、今まで紹介させていただいたどのジブリ作品を差し置いても見てほしい作品です!世の中の評価としても第25回日本アカデミー賞最優秀作品賞に輝き、公開から19年間、日本の映画興行収入のトップに君臨した誰もが認める名作中の名作です!

10歳の少女、荻野千尋とその家族の引っ越しのシーンから物語はスタート。タイトルアップまでのほんの数分のシーンですが、反抗期なのか、引っ越しに怒っているのか、千尋のふてくされた表情が印象的です。いわゆる「現代っ子」感が強くて、宮崎駿氏にうつる「今の時代のこども」像が投影されているとのことで、「なんかスッキリしない子ども」感がありますね。その後、偶然か運命か、家族は異世界に巻き込まれてしまい、両親と千尋は離れ離れに。千尋は自分ひとりで異世界を生きぬかなくてはいけなくなってしまうのです。ひとりになった千尋は、謎の少年ハクや、物語の中心となる舞台であるお湯やの「油屋」を取り仕切る湯婆婆。他にも釜爺やリン、カオナシなどみなさんも一度はきいたことあるような名キャラクターと出会います。異世界での出会いを通し千尋はどう変化していくのか。実はこの作品、私は絶対にネタバレしたくないという気持ちで書いています。(ほかの作品もできる限りそうしていますが、、笑)なぜかというと、圧倒的に絶対見てほしい作品だからです。何と言いますか、私ごときがいうのもという感じなのですが、本当に「深く」「よく作られている」作品で、「千と千尋の神隠し」ほどよくできた作品は後にも先にも存在しないのではないでしょうか?

とにかく作品を見れば私の言っていることがわかるでしょう。あれ、感動ジブリなのに紹介に熱がこもりすぎて、「感動」に触れてないや、、、

  『千と千尋の神隠し』  

 

豆知識:千尋とハクの関係に注目!

千尋とハクの関係に注目!

(参照:千と千尋の神隠し – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

なんでもこんなに「千と千尋の神隠し」の紹介に力が入ってしまったのは、実は筆者、大学時代にこの作品ほ研究したことがあるのです(笑)それくらい深い作品で、ここで紹介するのは私が気づいたこの作品の「ひとつの観方」といったところっでしょうか。

ズバリそれは物語前半と後半で、千尋とハクの関係が入れ替わっているということです!こちらもあまり書くとネタバレになってしまいそうなのですが、セリフ、行動、役割、目的などあらゆるところでそれを感じられるでしょう!これはあくまで「ひとつの観方」であり、「千と千尋の神隠し」は他にもたくさんの「観方」ができるので、是非初めての方は楽しみつつ、観たことある方はもう一度ゆっくりご覧になってみてください!!

 

2位『かぐや姫の物語』(2013)

 「お願いです。もう少しだけここにいさせて。この地に生きる喜びと幸せを。もう少しだけどうか。(かぐや姫)」  

『かぐや姫の物語』

(参照:かぐや姫の物語 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:高畑勲
  • 主題歌:二階堂和美「いのちの記憶」
  • 声優:朝倉あき、内田未来(かぐや姫)・地井武男、三宅裕司(翁)・宮本信子(嫗)・高良健吾(捨丸)
  • 興行収入:24億7000万円
  • 2013年11月23日公開

あらすじ
竹の中から生まれ、すぐに成長して美しい娘に育ち、求婚者たちを次々と振ったあげく、満月の夜、迎えにきた使者とともに月へと去ってしまう――かぐや姫はいったい何のために地球にやってきて、なぜ月へ帰ることになったのか。この地で何を思い生きていたのか。かぐや姫の罪とは、その罰とはいったい何だったのか。本作『かぐや姫の物語』は、誰もが知る“かぐや姫”の筋書きはそのままに、誰も知ることのなかったその「心」を描くことで、日本最古の物語に隠された人間・かぐや姫の真実が描き出されました。(参照:Amazon.co.jp | かぐや姫の物語 [DVD] DVD・ブルーレイ – 高畑勲

おすすめポイント:水彩と鉛筆画で描かれるthe日本の名作!

続いてご紹介させていただくのは、宮崎駿とともにジブリの歴史を築いてきた男/・高畑勲監督。その遺作となってしまった作品のかぐや姫の物語。感動部門にランクインさせていただきましたが、この作品ストーリーが感動するというよりかは、私たち日本人が持っているであろう和の心に響くというか、それはまるで和歌や俳句を嗜んでいるかのような、趣深いような、もののあはれ的な深い情緒と言いますか、そういうちょっと別のニュアンスで心にぐっとくるものがある、という意味での感動です。とにかく、高畑勲が全てを注ぎ込んだといってもいい、まさに集大成と呼べるくらい彼の魅力がふんだんに散りばめられた作品となっています!中でもおすすめするポイントはというと、絵巻物のような水彩画、鉛筆画のタッチ。高畑勲監督といえば、「ホーホケキョとなりの山田くん」でもこのような手法をとっていますが、今回はかぐや姫を主題にした作品ということで、その物語の雰囲気と技術が最高にマッチしています!内容自体は原作に忠実で、竹取翁が「野山に混じりて竹を取っていたところ、もと光る竹なむありけり」な場面からスタートします!竹から生まれた女の子はすくすくと成長していく中で、宮廷に行くのか、はたまた庶民の子として自由に生きようとするのか、そして最後はやはり月に帰ってしまうのでしょうか?物語を彩る久石譲氏による和音階の音色と、独特な日本画風タッチ。見終わる頃には皆さんも大和の心を取り戻し、日本人特有の「あはれ」な感動を得られること間違いなしです!

  『かぐや姫の物語』  

 

制作裏話:意外にも初のタッグ「高畑勲×久石譲」

かぐや姫の物語の日本画風なかすれや、荒っぽさを表現した描写は、あるジブリの記録を持っているのです。それはジブリで最も作画枚数が多い作品ということ!おまけに企画から公開まで約8年という歳月を注ぎ込んだ大作であり、先ほども述べたように高畑勲氏の集大成というのにはふさわしいものになっております。また度重なる公開延期もあって、「風立ちぬ」の制作時期と微妙にズレたことから、宮崎駿氏の長年のパートナーであり、ジブリ音楽といえばこの人・久石譲氏が高畑監督作品に初めて参加しました!ここにきて初タッグの高畑×久石というのもこの作品を名作にすべき一つの所以に違いないです!

 

3位『思い出のマーニー』(2014)

「決してあなたのこと忘れないわ、ずっと忘れないわ、永久に(アンナ)」

『思い出のマーニー』

(参照:思い出のマーニー – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:米林宏昌
  • 主題歌:プリシラ・アーン『Fine On The Outside』
  • 声優:高月彩良(アンナ)・有村架純(マーニー)・松嶋菜々子(頼子)・黒木瞳(久子)
  • 興行収入:35億3000万円
  • 2014年7月19日公開

あらすじ
この世には目に見えない魔法の輪がある。海辺の村の誰も住んでいない湿っ地(しめっち)屋敷。心を閉ざした少女・杏奈の前に現れたのは、青い窓に閉じ込められた金髪の少女・マーニーだった。「わたしたちのことは秘密よ、永久に。」杏奈の身に次々と起こる不思議な出来事。時を越えた舞踏会。告白の森。崖の上のサイロの夜。ふたりの少女のひと夏の思い出が結ばれるとき、杏奈は思いがけない“まるごとの愛”に包まれていく。あの入江で、わたしはあなたを待っている。永久に―。(参照:Amazon.co.jp | 思い出のマーニー [DVD] DVD・ブルーレイ – 米林宏昌

おすすめポイント:謎の少女マーニーは誰?アンナを成長させるある一夏の出会い。

感動のジブリ2位に紹介させていただくのは2014年公開の「思い出のマーニー」。米林宏昌監督による長編作品第2弾です。なんといってもこの映画最大の特徴は、これまでスタジオジブリを支えてきた、宮崎駿氏、高畑勲氏、そしてプロデューサーの鈴木敏夫氏が制作に関わっていないことです。私としてはジブリの新たな風を感じさせつつも、ジブリらしさも色濃く残っているという、そんな作品だったのではないかと思います。孤児として義母の頼子に育てられた杏奈は、他人に心を開けない、内気な女の子。その杏奈が12歳の夏、持病の喘息の休養のため叔父叔母のいる北海道を訪れます。北海道でも現地の同世代の子にあったりしてみるも、やはり心を開けない杏奈でしたが、ある時見つけた「湿っ地屋敷」と呼ばれる洋館になぜか心が惹かれます。この杏奈が湿っ地屋敷を初めて見た時に、記憶のどこかにある何かを刺激されたかのような「はっ!」とするシーンは見てるこっちもドキッとします。これから何か起きそうな予感がするというか、ドキドキしてきます!まあそれはさておき、ある日湿っ地屋敷を訪れると、人が住んでないはずなのに灯りが。導かれるようにボートでそこへ向かうと、金髪の洋風な少女が杏奈を出迎えてくれます。彼女の名前はマーニー。優しく屋敷へ導いてくれるマーニーに杏奈は少しずつ惹かれ、その後も会うたびに心を開くようになります。こうして杏奈はマーニーとの出会いを通して、少しずつ成長していくのですが、ある日を境にマーニーは姿を現さなくなってしまうのです。マーニーとは杏奈が作り出した幻なのか?それとも?なぜマーニーは杏奈のことを知っていたのでしょうか?2人には涙無しには見られないある繋がりがあったのです。気になった方は是非一度ご覧になってください!

  『思い出のマーニー』  

 

おすすめスポット:2022年11月1日オープン「ジブリ・パーク」

「ジブリ・パーク」

(参照:ジブリパークとは|ジブリパーク (ghibli-park.jp)

紹介せずにはいられないのでいったんここで、2022年11月1日に「ジブリパーク」が愛知県の愛・地球博記念公園に誕生します!!!ジブリファン待望のジブリに関する遊園地(といってもジェットコースターとかがあるわけではなく、自然公園的な感じですが)とあって、期待に胸を膨らませている人も多いのではないでしょうか?今現在予定されている「青春の丘エリア」「ジブリの大倉庫エリア」「どんどこ森エリア」「もののけの里エリア」「魔女の谷エリア」の5つで、名前を見るだけでもすでにワクワクしますね。自然公園ということなので、「思い出のマーニー」に出てきた湖や「湿っ地屋敷」なんかもできてくれたらなと妄想しています。興奮すること間違いなしなのでopenしたら絶対行きましょう!

最新情報は公式サイトから要チェックです!

 

4位『借りぐらしのアリエッティ』(2010)

「私たちはそう簡単に滅びたりしないわ!(アリエッティ)」

『借りぐらしのアリエッティ』

(参照:借りぐらしのアリエッティ – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:米林宏昌
  • 主題歌:セシル・コルベル『Arrietty’s Song』
  • 声優:志田未来(アリエッティ)・神木隆之介(翔)・大竹しのぶ(ホミリー)・藤原竜也(スピラー)
  • 興行収入:92億6000万円
  • 2010年7月17日公開

あらすじ
あなたのことが大すきぼくは、あの年の夏、母の育った古い屋敷で一週間だけ過ごしたそこでぼくは、母の言っていた小人の少女に出会った―人間に見られてはいけないそれが床下の小人たちの掟だった。(参照:Amazon.co.jp | 借りぐらしのアリエッティ [DVD] DVD・ブルーレイ – 米林宏昌

おすすめポイント:アリエッティと翔、小人と人間、2人の対比に注目!

宮崎駿氏の長編引退を受けてジブリが新たな舵を切った作品の第一弾となったのがこの借り暮らしのアリエッティです!初監督としてデビューを果たしたのは、先ほども紹介した米林宏昌監督で、今作品では宮崎駿氏は脚本にてバックアップをされています。

さて、この「借りぐらしのアリエッティ」の見どころとして注目していただきたいのが、小人と人間という異種感で影響し合う、アリエッティと翔の関係です!元気いっぱい何事にも興味津々なアリエッティ。しかし「決して人間に見られてはいけない」という小人たちの掟のもと、家屋の地下の陰りで質素に生活をしています。一方人間の翔は優しい心の持ち主ですが病気がち。しかし、住んでいるお家は緑にあふれ、陽光が差し込む明るい庭のある大きな一軒家に住んでいます。この2人のそれぞれの性格と、置かれている場所の対比が非常におもしろいです!またそんな2人が出会い、互いに惹かれあい、影響をしあって行くなかで、ある日翔の優しさが裏目に出て、アリエッティたちは追われる身になってしまいます。アリエッティやその家族、仲間たち、そして2人の関係はどうなってしまうのか?小人と人間、隠と陽、時には支え、また支えられ、2人の対比が織りなす切ないストーリーが美しく描かれたこの作品、是非ご覧になってみて下さい!

  『借りぐらしのアリエッティ』  

 

おすすめ著書:「床下の小人とたち」メアリー・ノートン

「床下の小人とたち」メアリー・ノートン

(参照:床下の小人たち―小人の冒険シリーズ〈1〉 (岩波少年文庫) | メアリー ノートン, ダイアナ・スタンレー, Mary Norton, 林 容吉 |本 | 通販 | Amazon

イギリスのファンタジー小説のシリーズ「小人の冒険」の中の一作で、こちらは借り暮らしのアリエッティの原作となった小説です!ストーリーはジブリのものと似ていますが、語り手はメイおばさんという女性で、その弟が遠い昔彼女に語った小人の話を、少女ケイト(あるいは読者である私たち)に語る構造になっています。だから読者もおばあちゃんからなんやら不思議なおとぎばなしを話されている、そんな気分で読めるのです!私は昔おばあちゃんに座敷童子の話をしてもらったことがありますが、嘘か本当か、いるのかいないのか?この現実とファンタジーの世界が非常に近接しているっていうどきどきがあった記憶があります!魔法が使えたり、異世界を冒険したり、ドラゴンと戦ったりとかいう定番のファンタジーとは違った、いるの?いないの?誰の仕業なの?そんなファンタジーが楽しめるのがこの「床下の小人たち」です!小学校高学年向けに書かれているので、お子さんにもおすすめです!

 

5位『ハウルの動く城』(2004)

 「ハウル、ごめんね、あたしぐずだから。ハウルはずっと待っててくれたのに、(ソフィー)」

『ハウルの動く城』

(参照:ハウルの動く城 – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

  • 監督:宮崎駿
  • 主題歌:倍賞千恵子「世界の約束」
  • 声優:木村拓哉(ハウル)・倍賞千恵子(ソフィー)・美輪明宏(荒地の魔女)・神木隆之介(_
  • 興行収入:196億円
  • 2004年11月20日公開

あらすじ
町を離れ荒れ地に向かう一人の少女。名前はソフィーで年齢は18才。だが、その姿形はまるで90歳の老婆だった。長女として亡き父の残した帽子屋を一人で切り盛りしてきたソフィー。だがそれは決して彼女の望んだ生き方ではなかった。ある日、出征兵士でにぎわう町中でソフィーは兵隊にからまれる。その窮地に助けをさしのべたのは通りすがりの美青年。青年は不思議な力でそのまま空へと舞い上がり、ソフィーを束の間の空中散歩にいざなうのであった。夢のような出来事に心奪われるソフィー。しかしその夜、ソフィーは、店を訪れた荒地の魔女に呪いをかけられ、90歳のおばあちゃんに姿を変えられてしまう。このままではいられない! 意を決して荷物をまとめて荒れ地を目指すソフィー。夕暮れに迫る荒れ地を歩いていると、その向こうから、目の前に奇怪な形をした「ハウルの動く城」が姿を現したのだった(参照:Amazon.co.jp | ハウルの動く城 [DVD] DVD・ブルーレイ – 宮崎駿

おすすめポイント:愛する人のため、命をかけて戦うハウルとソフィーに涙

感動ジブリ、そしてこの記事最後の紹介となるのは2004年公開の「ハウルの動く城」西洋都市をモデルにした世界観で、戦火の愛を描いたジブリの名作です!

見どころは何といっても、ハウルとソフィーの愛しあう姿ですね。二人が初めて(?)出会う路地裏からの空中散歩のシーンは圧巻で、ワルツの音楽に合わせてこちらも心躍ってしまいます。このシーンのハウルがまじでイケメンすぎて(巷ではメンヘラと噂ですが、、、)女の子の皆さんはやられるに違いありません。そりゃソフィーも惚れてまうやろ、と。ところがその晩、ソフィーは呪いにかけられておばあちゃんになってしまうので、若き二人の色恋話はおいといて、やはり感動するのは物語の終盤、戦争が激しくなってからの2人の関係です。愛するソフィーを守るために、命を懸けて戦争に出向くハウル。ハウルを守るために、戦争を終わらせようと、王室付き魔法使い・サリマンに働きかけるソフィー。戦争に向かうハウルと、戦争を止めるソフィー、それぞれで動いている渦中、2人が再会するシーンは涙なしでは観れません。そして、この2人実は過去に、、、2人の愛の行方はいったいどうなるのでしょうか?「ハウルの動く城」、是非1度ご覧になってみてください!

  『ハウルの動く城』  

 

おすすめ著書:「イバラード博物誌」

「イバラード博物誌」

(参照:イバラード博物誌 | 井上直久 |本 | 通販 | Amazon

「ハウルの動く城」のサイドストーリーとして、三鷹の森ジブリ美術館にて過去に公開された短編「星をかった日」。「イバラード博物誌」は「星をかった日」の原作者であり「耳をすませば」のバロンの幻想シーンの世界の美術制作を担当した井上直久氏による絵本です。架空の国家イバラードの風景が描かれている本なのですが、さすがはジブリから仕事を頼まれた腕の持ち主、美しくかつ不思議なファンタジーの世界が描かれています。この世界観は見ているだけで落ち着くような、人によってはわくわく、想像力を掻き立てるような、そんな絵本になっています。ジブリ通の私も1冊ほど所持していますが、時々安らぎを求めてみたくなるんですHよね。この美しい世界を見ると、まるでジブリ作品を1本観たような気分になるのです。時間が無くて映画を見れないなんて方、かわりに「イバラード博物誌」なんてどうですか!?

 

 

おすすめジブリ映画 まとめ

ジブリまとめ

(参照:千と千尋の神隠し – スタジオジブリ|STUDIO GHIBLI

以上、テーマ別ジブリのおすすめ映画25選でした!

皆さん観たくなるジブリ、自分が今求めているジブリは見つけられたでしょうか?あるいはジブリファンの皆さんはおすすめの著書などに気になるものはあったでしょうか?気持ちが前のめりになり終始アツい文章になってしまい申し訳ありません。しかし、それくらいジブリ作品は魅力的で私たちをいやしたり、アツくしてくれる「魔法」を持った名作ばかりなのです!

ふとジブリ作品を見たいと思った時は、いつでもこのサイトに帰ってきてくださいね!

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筆者:すずき

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